6月7日に東京競馬場で行われた安田記念(GI/芝1600m)は、1番人気のモーリスが先行策から押し切り勝ちを収めた。自身、そしてスクリーンヒーロー産駒初のGⅠ制覇を成し遂げた。
モーリスの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。
血統評価は?
モーリスは父スクリーンヒーロー、母メジロフランシス、その父カーネギーという血統。もちろんスクリーンヒーローは安田記念初制覇となる。母メジロフランシスは未勝利に終わった馬だが、祖母メジロモントレーはアルゼンチン共和国杯やAJCCなど2000m超の重賞4勝。さらに遡れば、4代母メジロボサツは朝日杯3歳ステークスや、当時2400mで施行されていた函館記念を制していて、非常にスタミナ豊富な牝系といえる。
スクリーンヒーロー産駒の配合的な特徴としては、欧州血統との相性の良さが挙げられる。毎日杯を勝ち、ダービーに出走したミュゼエイリアンの母父エルコンドルパサーの母父がサドラーズウェルズ。その他、昨年のレパードS2着馬クライスマイルは母父ホワイトマズルで、菊花賞3着ゴールドアクターは母母父が仏GⅠ2勝のマナードである。
モーリスの母父は現役時代に凱旋門賞を制したカーネギー(父サドラーズウェルズ)で、やはり欧州血統だった。
秋は中距離路線への期待も
スタミナ豊富な牝系に、凱旋門賞馬を掛け合わせた母との間に生まれたモーリス。今回はマイルGIを制したが、気性面が成長すればもう少し長い距離への延長にも対応できるはずだ。
なにより心強いのは、2週連続GⅠ勝利を飾った敏腕調教師・堀宜行の存在だろう。転厩後、様々な工夫と努力の甲斐あって開花した才能は、無敗のまま4連勝でマイル界の頂点に登り詰めた。秋にはぜひとも、中距離路線の強豪たちと戦う姿を見てみたい。
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