目を疑うような光景が目の前に広がった。
5月17日に行われたヴィクトリアマイル(GI/芝1600m)で馬券圏内に入ったのは5番人気のストレイトガール、12番人気のケイアイエレガント、そして18番人気のミナレットだった。
3連複の払い戻しは286万円。3連単に至っては2070万円という特大の大万馬券となった。
なぜ、2000万馬券は生まれたのか? その“真実”に迫っていこう。
大万馬券の理由① ノーマークの逃げ馬
いつの時代も大穴を開けるのは「ノーマークの逃げ馬」。競馬の格言がそのまま現実になった格好だ。
最近で言えば、2012年の天皇賞春におけるビートブラックの逃亡劇や、2009年のエリザベス女王杯におけるクイーンスプマンテとテイエムプリキュアのワンツーが思い出される。
実際にデータをとってみても、この傾向に間違いはない。2005年以降に行われた芝とダートのGIにおける14番人気以下の脚質別の成績を見てみると……
逃げ(1−2−2−59) 複勝率7.8%
先行(1−3−3−149) 複勝率4.5%
中団(1−4−5−329) 複勝率2.9%
後方(1−2−4−367) 複勝率1.9%
ご覧のとおり、前に行けばいくほど、穴を開ける確率が上がっている。ミナレットとケイアイエレガントは逃げ、先行馬だった。彼女たちの脚質が、大万馬券を演出する一つの要因となったことは間違いない。
大万馬券の理由② 前残り傾向のレース
ヴィクトリアマイルは毎年、逃げ・先行馬が穴を開けるレースとして知られている。牝馬限定の重賞らしく、スローペースになりやすく、前に行った馬がそのまま残るケースが多々見られる。
2014年
ヴィルシーナ(11番人気1着) 4角1番手
2013年
マイネイサベル(5番人気3着) 4角2番手
2012年
ホエールキャプチャ(4番人気1着) 4角3番手
ドナウブルー(7番人気2着) 4角2番手
2011年
レディアルバローザ(3番人気3着) 4角3番手
2010年
ヒカルアマランサス(8番人気2着) 4角4番手
2009年
ブラボーデイジー(11番人気2着) 4角4番手
ショウナンラノビア(7番人気3着) 4角1番手
ご覧のとおり、毎年4角4番手以内の逃げ、先行馬が穴を開けている。前残りが発生しやすいヴィクトリアマイルのレース質が、大万馬券を演出したわけだ。
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