ヴィクトリアマイル(GⅠ/芝1600m)が2018年5月13日、東京競馬場で行われる。リスグラシュー、アエロリット、レッツゴードンキ、ミスパンテール、アドマイヤリード、ソウルスターリング、デンコウアンジュらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
今回は出走各馬の調教にフォーカスしていく。どんなに能力の高い馬であっても、出走した時の状態が良くなければ100パーセントのパフォーマンスを発揮することは難しい。仮に有力馬の状態が100%でないなら、多少実力が劣る馬であっても台頭してくる可能性は十分に考えられる。特に重賞の場合、各馬の実力が拮抗している。このため、状態一つで着順が入れ替わることは珍しくない。
陣営にとっては「いかにいい状態で出走させられるか」が、馬券を買うファンにとっては「いかに状態を見極められるか」がレースのカギを握ってくるのだ。
今週には最終追い切りが美浦、栗東の東西トレーニングセンターで行われた。これを受けて、体調や仕上がり具合を一週前の調教と最終追い切りから考察していく。
目次
最終追いきり診断
今回は上位人気が予想される馬を中心に見ていくことにしよう。
アエロリット・牝4歳(クロフネ・美浦・菊沢厩舎)
評価B+
5月2日一週前追い切り美浦南Wコース(良)
4F52秒8―38秒3―12秒4
戸崎騎手騎乗で一杯に追われ、ゴール前は気合いをつけての追い切り。僚馬(4歳上1000万下)を1.0秒追走し1馬身先着。前走から間隔はあいたが動きは良く、リフレッシュされた馬体は力強さを感じる。
5月10日最終追い切り美浦坂路(重)
4F53秒9―39秒6―26秒3―13秒2
菊沢調教師自らが騎乗して、当初の水曜日の予定から一日ずらして木曜日追い切りとなった。馬場状態は悪かったが、馬なりで力強く気分良さそうに駆け抜けていた。前走からは間隔があいているが、ノーザンファーム天栄で乗り込まれており、調教量は足りている。
アドマイヤリード・牝5歳(ステイゴールド・栗東・須貝厩舎)
評価A
5月2日一週前追い切り栗東坂路(良)
4F51秒9―37秒7―24秒4―12秒5
デムーロ騎手騎乗で馬なり併せ馬。アドマイヤゴッド(4歳上オープン)に半馬身先着。活気ある走りを見せて状態は上がってきている。叩き良化型らしく、前走よりも気合乗り、息づかいともに良くなってきている。
5月9日最終追い切り栗東坂路 (不良)
4F55秒9―40秒6―26秒0―12秒1
エレクトロニカ(4歳上1000万下)を2馬身差追走して馬なりで併入。道中は落ち着いた様子、終止手綱を引っ張ったままの手応えで、軽快なフットワークで駆けていた。一週前追い切りもしっかりと追えていて、今回は折り合いに専念した追い切りとなった。馬体もスッキリしていて仕上がりは上々。
ミスパンテール・牝4歳(ダイワメジャー・栗東・昆厩舎)
評価A
5月2日一週前追い切り栗東CWコース(良)
6F80秒5―65秒3―51秒4―38秒2―11秒8
横山典騎乗騎乗で一杯に追われ、俊敏な伸びを見せた。軽快なフットワークでスピード感もあり、4連勝の勢いそのままに来ている。一週前としては上々のタイムで出来落ちは考えられなさそう。
5月9日最終追い切り栗東坂路(不良)
4F53秒9―38秒2―24秒8―12秒5
西谷騎手を背中にして、外ラチ沿いをしっかりとした足取りで馬なりながらスピード感のある走りを見せた。いつもは掛かるしぐさを見せるが、今回は我慢できていた。一週前にCウッドでしっかりと追い切っているため、ゆったりとした最終追い切りだが動きは抜群。
レッツゴードンキ・牝6歳(キングカメハメハ・栗東・梅田厩舎)
評価B+
5月2日一週前追い切り栗東坂路(良)
4F52秒2―37秒6―25秒0―12秒8
岩田騎手騎乗で一杯に追われた。乗り込み量は豊富だが一週前としては時計が平凡。テンションが上がりやすいため、力の入れ加減が難しい。今のところは落ち着いて動いている。
5月9日最終追い切り栗東坂路(不良)
4F55秒0―38秒9―24秒6―11秒9
単走でラスト1Fは一杯の追い切り。全体的に時計を抑えたため、スタートからしばらくは行きたがる素振りを見せたが、コントロールは出来ていた。ギリギリまで我慢したため最後は鋭い伸びを見せ、好タイムをマークしている。
リスグラシュー・牝4歳(ハーツクライ・栗東・矢作厩舎)
評価A
5月2日一週前追い切り栗東坂路(良)
4F49秒9―36秒3―24秒2―12秒4
武豊騎手騎乗で単走強め。スタートからスピードに乗って、一週前とは思えない50秒を切る時計で絶好調をアピール。体のバランスがよく、ハーツクライ産駒らしく古馬になってより力強さを増している。
5月9日最終追い切り栗東坂路(不良)
4F54秒4―39秒9―25秒6―12秒2
エンパイアガール(4歳上500万下)を真後ろから追いかけての併せ馬。馬なりで当初は折り合いに専念してラップを刻み、直線に向くと反応よく鋭い伸び脚を見せた。入れ込む心配はあるが、前に壁をつくって我慢の走りが出来ている。一週前では一番時計をマーク、好気配での出走になりそう。