ヴィクトリアマイル2018の競馬予想分析…復活?ソウルスターリングの3つの鍵

最強牝馬復活――。

2018年5月13日、東京競馬場でヴィクトリアマイル(GⅠ/芝1600m)が行われる。昨年のヴィクトリアマイル勝ち馬アドマイヤリード、前哨戦の阪神牝馬ステークスで勝利したミスパンテール、NHKマイルカップを制したアエロリットなどが参戦予定だが、ここで注目は最強牝馬と言われていたソウルスターリングだ。

前走は阪神牝馬ステークスに出走し2番人気に支持されたが、1000メートルのタイムが61秒という超スローペースに苦しみ、引っかかってしまった。それが残り200メートルでの失速につながり、10着惨敗に終わった。ここ4戦は人気になりながらも着外に沈んでいる。馬柱の成績だけを見たら、ソウルスターリングはもう終わったのではないかと思うかもしれない。しかしながら、この4戦はソウルスターリングにとってタフなレースであったことは間違いなく、このメンバーの中で力量が劣っているとは限らない。

今回、阪神牝馬ステークスでの惨敗を受けて人気を下げる可能性が高い。しかしながら、ソウルスターリングにとって最高の展開になればまだまだこのメンバーの中で勝ち切るだけの力はある。どのような流れになればいいのか。そして、ソウルスターリングが勝つ可能性はどれくらいあるのか。そのあたりを掘り下げていく。


目次

鍵① ペースが速くなること

阪神牝馬ステークスでは前目につけながら惨敗に終わったが、マイル戦ではかなり遅い、1000メートル61秒で進む展開となった。かかり癖があり折り合いに難のあるソウルスターリングには厳しい流れである。レースの流れが速くなった方がむしろスムーズに走れ、1000メートルの通過が58秒台で流れるような形になれば十分にチャンスはある。折り合いを欠くというのは、馬は行きたい、騎手が止めるという状況にあり、速く流れればわざわざそれを止める必要はない。

今回カワキタエンカやミスパンテールがハイペースを作り出す可能性がある。お互いに先行して結果を出しているからこそ、簡単に譲るような展開になるかは微妙だ。他に前に行く馬がいれば隊列は長くなる可能性が高い。先頭集団から多少離れたところでレースをし、次の集団の先頭でレースができればチャンスは出てくる。そこで脚をためるような形に持ち込めば勝機は出てくる。

鍵② 衰えは本当か

ソウルスターリングは早熟馬であり、もう終わった馬という見方をする人が増えてきた。なぜ終わったと判断をするのか、それは高い期待に応えられなかっただけのことで、衰えとは関係ない。毎日王冠はリアルスティールなどがいながら1番人気に支持され、初めて逃げのレースをして負けた。天皇賞秋は勝ちタイムが2分8秒台という近年稀に見る不良馬場でそれでも6着、ジャパンカップは鞍上がクリスチャン・デムーロ騎手に乗り替わり、阪神牝馬ステークスは超スローペースと注文がつく。

折り合いさえ専念できれば、まだまだ可能性は十分にある。そのためには外枠で揉まれないところで競馬をするのもいい。キタサンブラックやシュヴァルグランといった馬たちと去年の秋は戦っていたという事実は大きい。阪神牝馬ステークスは5か月の休み明けだったというのもある。16冠ベビーと呼ばれ、かなり期待をされた面はあった。それが高い期待値となり、残念な思いをしている人は多いかもしれない。特殊なレースばかりだったことを考えれば、正攻法のレースさえできればチャンスはあると見た方がいい。

鍵③ 東京競馬場との相性

去年の秋競馬は3戦すべて東京競馬場で走りすべて着外に終わったが、そこに目をつむれば非常に相性がいいことが言える。2歳時のアイビーステークスでは、マイルチャンピオンシップを勝利することになるペルシアンナイトを下している。去年のオークスも直線で堂々と先頭に立ち、2着にコンマ3秒差をつける完勝で勝利を収めた。東京競馬場でのマイル戦は走ってはいないが、それよりも長いレースで勝利をし、ほかの競馬場でマイルできっちり走っていることを考えれば、ヴィクトリアマイルでも好走の可能性はある。

東京競馬場での理想的な展開は前目でレースを進めて、最後の直線で抜け出すというものだ。これだと強烈な末脚がなくても勝てる。NHKマイルカップもヴィクトリアマイルもいずれも前目か中団でレースをした馬が勝つが、上がり3ハロンのタイムが1位の馬が必ず上位に来るかといえばそういう傾向にはない。メンバー1の末脚がなくても前でレースをすれば勝機はある。ソウルスターリングがこの展開に持ち込めばチャンスがある。そして、オークスなどでもこのパターンで勝っている。

まとめ

大胆にソウルスターリングを消すというファンも今回は多いかもしれないが、馬券的には今が一番チャンスでもある。フランケル産駒は早熟が多いのではないかと言われているが、海外を見ると、ソウルスターリングと同世代のフランケル産駒のクラックスマンが今年4月末に行われたフランスのガネー賞を勝利するなど単純に早熟とは言い切れない。母親のスタセリタも古馬になってからも勝利を挙げている。血統面での心配はなく、マイルならフランケルの得意な距離でもある。

もちろん、折り合いに欠くような流れになれば厳しいが、出走予定の馬たちの脚質を考えれば速く流れる可能性は十分に想定できる。簡単に馬券の買い目から外すのではなく、展開を想定してから考えることが大事だ。

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