2019年3月2日、阪神競馬場でチューリップ賞(GⅡ/芝1600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるダノンファンタジー、シェーングランツ、ノーブルスコア、メイショウショウブ、ドナウデルタらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
なお、特に明記していない場合は過去10年のデータを対象とする。
目次
チューリップ賞の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは5回、2着2回で3着1回と、信頼度はそれなりに高い。
上位人気もそれなりのアベレージだが、7番人気がこの10年で2着4回というのがやや特殊な傾向か。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 阪神JF組は無視できない
桜花賞のトライアルであり、叩き台でもあるチューリップ賞。阪神ジュベナイルフィリーズ以来の参戦となる馬が強い。
阪神JF組 ( 7- 3- 5-8)
勝率 30.4% │ 複勝率 65.2%
着外に沈んだ馬より3着以内に入った馬が多いという状況、これではいくら何でも無視は出来ない。
2016年だけ例外だが、その当時の2歳女王メジャーエンブレムも出ておらず、出てきたメンバーも小粒だったことも大きかったか。
阪神ジュベナイルフィリーズ1着馬が参戦し、この10年で4回勝っている。ダノンファンタジーにはいいデータではないだろうか。
予想参考データ② 別路線組の取捨選択
阪神ジュベナイルフィリーズ組が強いのはもう明らかだが、問題は別路線組だ。好走の条件はまず2つある。
1つは前走新馬、未勝利、500万下を2着に差を付けて勝っていること、もう1つは前走負けていても1秒以内の負けであること。これが最低限の条件だ。
2009年のサクラミモザのようにダート戦を勝ってチューリップ賞で2着になることもある。距離と条件は問わないが、前走は人気があって、それで勝てれば申し分ない。
GⅡに昇格してより有力馬が集まった格好だが、牝馬は格より勢いとも言う。勢いで何とか立ち向かいたいところだろう。
予想参考データ③ 有力馬の位置取り次第?
桜花賞、その先を見据えて競馬を覚えさせることを考える騎手は多く、できるだけ折り合い専念という姿がよく見られる。
前目で有力馬が折り合いをつけてしまうと、そのまま前で決まりやすくなる。去年がまさにそれで、こうなると後ろの出番はない。
逆に有力馬が後ろにいると、すごい末脚の馬は来るがそれ以外は苦しい。上がりの脚は必要だ。
脚質・中団 ( 5- 2- 4-33)
勝率 11.4% │ 複勝率 25.0%
有力馬がどこで競馬をするか、これは注目しておきたい。ちなみに、ダノンファンタジー、シェーングランツは後ろから競馬をする可能性がある。
前目の逃げ残りもこうなると十分に考えられる。そのあたりもきっちりと見ておきたいところだ。
2019年の危険な人気馬は?
ドナウデルタは人気に支持される見込みだが、前走1秒負けでは厳しい。重賞で完敗続き、自己条件で立て直してからか。チューリップ賞の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、シェーングランツは3つ目の消しデータに合致している。シェーングランツはとにかく当日の馬体重次第。新馬戦から体重を減らし続け、前走は8キロ減。不安要素であることは間違いなく、馬体重が減っていたら割引してもいいだろう。
反対にノーブルスコアは危険なデータに一つも当てはまらない。オープン特別3着続きはいただけないが、このままでは出られない桜花賞、出るならここが勝負。本気を出してくる可能性は高い。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ノーブルスコアと言えそうだ。