2018年4月29日、京都競馬場で天皇賞春(GⅠ/芝3200m)が行われる。シュヴァルグラン、クリンチャー、レインボーライン、ガンコ、サトノクロニクル、チェスナットコート、アルバート、トーセンバジルらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
1984年に毎年東京競馬場で行われているGⅠ・天皇賞秋が芝2000mに距離が短縮されてから、3000mを超える距離を走る唯一の古馬GⅠとなり、古馬長距離王決定戦としての位置づけが明確となったレースが天皇賞春だ。古くはメジロマックイーンをはじめとして、ライスシャワー、テイエムオペラオー、フェノーメノや最近では2016年・2017年を連覇したキタサンブラックなど2回優勝した馬も多いが、キタサンブラックが引退した新たな長距離王はどの馬になるのか。
配当傾向を過去10年で見てみると、昨年2017年こそ上位人気で決着し三連単が3,780円と堅い配当となったが、それ以外は毎年万馬券となっていて更に2008年を除いて2009年から2016年まで8年連続して10万円を超える高額配当となった。2018年も従来の傾向通りの荒れた決着となるのか、昨年2017年のように人気サイドの決着となるのか。
開催に際し、競馬TIMES編集部では予想の参考になりそうなデータをいくつかピックアップした。では、人気、血統、枠順、ローテーションなどから導き出したデータに合致するのはどの馬なのか? 9つの消しフィルターを通したとき、残る馬を探っていくことにしよう。(対象データ:2008年~2017年に行われた天皇賞春)
目次
消しデータまとめ
今回、ピックアップしたデータは以下だ。
ポイント1 人気薄は消し!
ポイント2 父・ネイティブダンサー系は消し!
ポイント3 社台ファーム・社台コーポレーション白老ファーム生産馬は消し!
ポイント4 7歳以上は消し!
ポイント5 前走3着以下は消し!
ポイント6 前走6番人気以下は消し!
ポイント7 前走後方脚質は消し!
ポイント8 前走GⅠ・GⅡ以外は消し!
ポイント9 レース間隔4-5週以外は消し!
※詳細は過去の記事を参照
一つずつ、見ていくことにしよう。
ポイント1 人気薄は消し!
古馬長距離王決定戦天皇賞春は先に触れたとおり三連単では高額配当となることも多いGⅠレースではあるが、それでも、人気別に集計した場合、単勝8番人気以降になるような馬の成績は奮わない。
馬名 | 人気 | 予想オッズ |
---|---|---|
アルバート | 8 | 12.9 |
カレンミロティック | 9 | 35.6 |
ガンコ | 3 | 5.0 |
クリンチャー | 4 | 6.7 |
サトノクロニクル | 5 | 7.4 |
シホウ | 14 | 546.1 |
シュヴァルグラン | 1 | 3.6 |
スマートレイアー | 11 | 82.9 |
ソールインパクト | 12 | 95.2 |
チェスナットコート | 6 | 9.7 |
トーセンバジル | 7 | 12.8 |
トウシンモンステラ | 17 | 1694.7 |
トミケンスラーヴァ | 15 | 646.7 |
ピンポン | 16 | 1198.7 |
ミッキーロケット | 10 | 50.6 |
ヤマカツライデン | 13 | 148.0 |
レインボーライン | 2 | 4.0 |
人気薄・単勝8番人気以下の出走馬は……
アルバート
カレンミロティック
シホウ
スマートレイアー
ソールインパクト
トウシンモンステラ
トミケンスラーヴァ
ピンポン
ミッキーロケット
ヤマカツライデン
まずはこの馬たちが消える。
ポイント2 父・ネイティブダンサー系は消し!
血統からポイントを探すと父・ネイティブダンサー系の出走馬の成績が奮わない。ネイティブダンサー系の代表種牡馬はキングカメハメハで、本来競馬場・距離問わず比較的成績を残す万能型ではあるものの天皇賞春では思うような結果を残せていない。
馬名 | 父・血統分類 |
---|---|
アルバート | ネイティヴダンサー系 |
カレンミロティック | ロイヤルチャージャー系 |
ガンコ | ロイヤルチャージャー系 |
クリンチャー | ロイヤルチャージャー系 |
サトノクロニクル | ロイヤルチャージャー系 |
シホウ | ネイティヴダンサー系 |
シュヴァルグラン | ロイヤルチャージャー系 |
スマートレイアー | ロイヤルチャージャー系 |
ソールインパクト | ロイヤルチャージャー系 |
チェスナットコート | ロイヤルチャージャー系 |
トーセンバジル | ニアークティック系 |
トウシンモンステラ | ネイティヴダンサー系 |
トミケンスラーヴァ | ロイヤルチャージャー系 |
ピンポン | ロイヤルチャージャー系 |
ミッキーロケット | ネイティヴダンサー系 |
ヤマカツライデン | ロイヤルチャージャー系 |
レインボーライン | ロイヤルチャージャー系 |
父・ネイティブダンサー系の馬は……
アルバート
シホウ
トウシンモンステラ
ミッキーロケット
ここではこの馬たちが消える。
ポイント3 社台ファーム・社台コーポレーション白老ファーム生産馬は消し!
馬産地について注目をすると、社台グループが現在の日本競馬界を席巻しているが、長距離になると中距離に比べるとその傾向は薄れ、天皇賞春においては社台ファーム・社台コーポレーション白老ファームが成績を残せていない。
馬名 | 生産牧場 |
---|---|
アルバート | ノーザンファーム |
カレンミロティック | ノーザンファーム |
ガンコ | 前谷武志 |
クリンチャー | 平山牧場 |
サトノクロニクル | ノーザンファーム |
シホウ | 協和牧場 |
シュヴァルグラン | ノーザンファーム |
スマートレイアー | 岡田スタツド |
ソールインパクト | 社台コーポレーション白老ファーム |
チェスナットコート | 下河辺牧場 |
トーセンバジル | ノーザンファーム |
トウシンモンステラ | ノーザンファーム |
トミケンスラーヴァ | 大樹ファーム |
ピンポン | 大栄牧場 |
ミッキーロケット | ノーザンファーム |
ヤマカツライデン | フジワラフアーム |
レインボーライン | ノーザンファーム |
社台ファーム・社台コーポレーション白老ファーム生産馬は……
ソールインパクト
ここではこの馬が消える。
ポイント4 7歳以上は消し!
年齢別で集計すると、成長途上の4歳馬や脂が乗っている5歳馬・6歳馬の活躍が中心だ。晩成型を除き競走馬としてのピークが過ぎつつある7歳以上の高齢馬は不振が目立つ。
馬名 | 馬齢 |
---|---|
アルバート | 7 |
カレンミロティック | 10 |
ガンコ | 5 |
クリンチャー | 4 |
サトノクロニクル | 4 |
シホウ | 7 |
シュヴァルグラン | 6 |
スマートレイアー | 8 |
ソールインパクト | 6 |
チェスナットコート | 4 |
トーセンバジル | 6 |
トウシンモンステラ | 8 |
トミケンスラーヴァ | 8 |
ピンポン | 8 |
ミッキーロケット | 5 |
ヤマカツライデン | 6 |
レインボーライン | 5 |
7歳以上の馬は……
アルバート
カレンミロティック
シホウ
スマートレイアー
トウシンモンステラ
トミケンスラーヴァ
ピンポン
ここではこの馬たちが消える。
ポイント5 前走3着以下は消し!
前走の前哨戦である程度実力が発揮できず、結果を残せなかった馬が、天皇賞春で挽回できる可能性は少なく1着もしくは2着となった馬が確実に活躍するレースといえる。
馬名 | 前走着順 |
---|---|
アルバート | 4 |
カレンミロティック | 5 |
ガンコ | 1 |
クリンチャー | 3 |
サトノクロニクル | 2 |
シホウ | 7 |
シュヴァルグラン | 13 |
スマートレイアー | 9 |
ソールインパクト | 7 |
チェスナットコート | 2 |
トーセンバジル | 5 |
トウシンモンステラ | 8 |
トミケンスラーヴァ | 10 |
ピンポン | 5 |
ミッキーロケット | 7 |
ヤマカツライデン | 11 |
レインボーライン | 1 |
前走3着以下の馬は……
アルバート
カレンミロティック
クリンチャー
シホウ
シュヴァルグラン
スマートレイアー
ソールインパクト
トーセンバジル
トウシンモンステラ
トミケンスラーヴァ
ピンポン
ミッキーロケット
ヤマカツライデン
ここではこの馬たちが消える。
ポイント6 前走6番人気以下は消し!
比較的各馬の実力関係が事前にはっきりわかる長距離路線では、前走でもある程度人気が上位に支持されていることが多く、前走でも人気がなかった馬が天皇賞春で好走する例は少ない。
馬名 | 前走人気 |
---|---|
アルバート | 2 |
カレンミロティック | 6 |
ガンコ | 3 |
クリンチャー | 1 |
サトノクロニクル | 4 |
シホウ | 10 |
シュヴァルグラン | 4 |
スマートレイアー | 11 |
ソールインパクト | 8 |
チェスナットコート | 7 |
トーセンバジル | 2 |
トウシンモンステラ | 12 |
トミケンスラーヴァ | 8 |
ピンポン | 16 |
ミッキーロケット | 7 |
ヤマカツライデン | 15 |
レインボーライン | 3 |
前走6番人気以下の馬は……
カレンミロティック
シホウ
スマートレイアー
ソールインパクト
チェスナットコート
トウシンモンステラ
トミケンスラーヴァ
ピンポン
ミッキーロケット
ヤマカツライデン
ここではこの馬たちが消える。
ポイント7 前走後方脚質は消し!
前走で後方待機策を取った馬は天皇賞春では活躍できない傾向にある。京都競馬場の3200mのコース条件では折り合いをつけながらもポジション取りは重要で上がりも早くなることが多く、後方からは届きにくくなることが主な要因であると考えられる。
馬名 | 前走脚質 |
---|---|
アルバート | 後方 |
カレンミロティック | 先行 |
ガンコ | 先行 |
クリンチャー | 先行 |
サトノクロニクル | 先行 |
シホウ | 先行 |
シュヴァルグラン | 中団 |
スマートレイアー | 中団 |
ソールインパクト | 中団 |
チェスナットコート | 中団 |
トーセンバジル | 中団 |
トウシンモンステラ | 中団 |
トミケンスラーヴァ | 先行 |
ピンポン | 中団 |
ミッキーロケット | 先行 |
ヤマカツライデン | 逃げ |
レインボーライン | マクリ |
前走後方脚質の馬は……
アルバート
ここではこの馬が消える。
ポイント8 前走GⅠ・GⅡ以外は消し!
前走が1600万下やGⅢからの格上挑戦のような馬が長距離王決定戦天皇賞春では簡単に活躍できる舞台でもなく、ある程度GⅠの舞台になれた実績馬が着実に結果を残すレースといえるだろう。
馬名 | クラス | レース名 |
---|---|---|
アルバート | GⅡ | 阪神大賞典 |
カレンミロティック | GⅡ | 阪神大賞典 |
ガンコ | GⅡ | 日経賞 |
クリンチャー | GⅡ | 阪神大賞典 |
サトノクロニクル | GⅡ | 阪神大賞典 |
シホウ | GⅡ | 阪神大賞典 |
シュヴァルグラン | GⅠ | 大阪杯 |
スマートレイアー | GⅠ | 大阪杯 |
ソールインパクト | GⅡ | 日経賞 |
チェスナットコート | GⅡ | 日経賞 |
トーセンバジル | GⅡ | 日経賞 |
トウシンモンステラ | GⅢ | ダイヤモンドS |
トミケンスラーヴァ | GⅡ | 阪神大賞典 |
ピンポン | OPEN特別 | 福島民報杯 |
ミッキーロケット | GⅡ | 京都記念 |
ヤマカツライデン | GⅠ | 大阪杯 |
レインボーライン | GⅡ | 阪神大賞典 |
前走GⅠ・GⅡ以外に出走した馬は……
トウシンモンステラ
ピンポン
ここではこの馬たちが消える。
ポイント9 レース間隔4-5週以外は消し!
最後にレース間隔からポイントを探すと天皇賞春の前、4-5週で一度出走した馬のほうが優秀な成績を残している。はじめから天皇賞春に挑戦する前提で陣営がスケジュールを立てじっくりと調整を進めてきた実力馬が結果を出せていることがわかる。
馬名 | レース間隔 |
---|---|
アルバート | 6 |
カレンミロティック | 6 |
ガンコ | 5 |
クリンチャー | 6 |
サトノクロニクル | 6 |
シホウ | 6 |
シュヴァルグラン | 4 |
スマートレイアー | 4 |
ソールインパクト | 5 |
チェスナットコート | 5 |
トーセンバジル | 5 |
トウシンモンステラ | 10 |
トミケンスラーヴァ | 6 |
ピンポン | 2 |
ミッキーロケット | 11 |
ヤマカツライデン | 4 |
レインボーライン | 6 |
レース間隔4-5週以外の馬は……
アルバート
カレンミロティック
クリンチャー
サトノクロニクル
シホウ
トウシンモンステラ
トミケンスラーヴァ
ピンポン
ミッキーロケット
レインボーライン
ここではこの馬たちが消える。
残った激走馬候補とは?
さて、ではいくつかの消しフィルターをくぐり抜け、ここまで残った馬はいるのだろうか? それは……
ガンコ
今回の激走馬候補は1頭。
馬券の軸にするもよし、相手に加えるもよし。どんな扱いにするにせよ、気にかけてみるのがいいのではないだろうか。