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香港馬の意地を見せられるか――。

2018年3月25日、中京競馬場で高松宮記念(GⅠ/芝1200m)が行われる。去年の高松宮記念の覇者セイウンコウセイ、去年のスプリンターズステークス優勝のレッドファルクス、今年の阪急杯を制したダイアナヘイローなどが出走を予定している。その中で不気味なのが香港馬で唯一参戦するブリザードだ。去年行われたスプリンターズステークスでは大健闘を見せたが、外国馬が日本に来ても馬券にならないというイメージがあるせいかなかなか人気にならない。しかしここは侮ってはならない。

ブリザードは初めての左回りや直線の坂など克服しないといけない部分はいくつもあるが、それでもブリザードが高松宮記念で好走する要素が複数存在している。日本のスプリント界は去年と同じような構図になっている一方、その力量差はあまりない。その中でブリザードがどこまで食い込めるか。その辺りを含めて掘り下げていく。


理由① 世界有数のスプリント大国香港

毎年12月になると香港のシャティン競馬場で香港国際競走が行われるが、これまでに多くの日本馬が参戦してきた。その中で最も苦戦しているレースが香港スプリントだ。これまでに日本馬が勝ったのはロードカナロアしかいない。ロードカナロアの強さは当然日本でも証明され、年度代表馬にもなるほどだ。去年の香港スプリントでブリザードは3着に健闘し、日本から参戦したレッツゴードンキ、ワンスインナムーンに勝っている。

時計勝負になれば香港馬は分が悪いという向きがあるが、時期的な問題なのか馬場が渋っている中で行われることが多く、それほど日本馬が優位な状況ではない。力関係を見ても決してブリザードが力負けをするような感じはせず、むしろ警戒していない分、好きにやられてしまう恐れは否めない。

ちなみに地元香港での前走は5着に敗れているが、あくまでもメインは高松宮記念である。賞金をゲットする自信があるからこそ自費で参戦をする。ジャパンカップのように費用をJRAが全て負担をするわけではない。自費で参戦する外国馬がいる時は要注意だ。

理由② 見せ場を作ったスプリンターズステークス

スプリンターズステークスは実に惜しい競馬をし、コンマ2秒差の5着に健闘した。スタートこそあまりいい感じではなかったが、すぐに騎手が位置を押し上げて中団に位置し、4コーナーを回ってくると自然とコースが開き、33秒4の末脚であわや3着というところまで健闘してみせた。高松宮記念が良馬場で行われたとしても33秒4の末脚を披露できる馬であればあまり関係ない。しかもスピードについていけて、押し上げていく余裕がある。

中山競馬場はトリッキーなコースであり、うまく乗りこなせずに負けた香港の有力馬は多い。その中ではかなり健闘した部類である。高松宮記念が行われる中京競馬場はある程度コースは広く、直線が長いためかなり脚が使える。器用さがあり、順応性が感じられるブリザードであれば好走してもおかしくない。

理由③ 相性抜群のティータン騎手

スプリンターズステークスで騎乗したのはモッセ騎手だったが、今回はティータン騎手が騎乗する。実はブリザードの若い頃に主戦騎手を務め、これまでに4勝をマークしている。ここ最近は別の騎手が騎乗していたが、今回ティータン騎手に出番が回ってきた。前走から乗り始め、ブリザードの状態をつかんでいる。ティータン騎手自身も2016年から短期免許で日本の競馬に参戦をし、去年はわずか3週間の滞在で5勝をマークした。

ティータン騎手は札幌競馬場と函館競馬場を中心に騎乗してきたが、日本の競馬のペースに慣れていることは間違いない。たとえどのような流れになったとしても落ち着いて乗ることができ、ブリザードの実力を十分に発揮させる可能性が高い。

まとめ

去年結果を出した有力馬が丸々残っており、力関係はあまり変わらない。その中でブリザードの存在は非常に不気味だ。スプリンターズステークスで5着になり、コンマ2秒差だった事実は大きい。スプリント戦は一瞬の迷いやミスで順位が大きく変わる。コンマ2秒で1馬身分と換算されるため、その程度の差しかないとも言える。言い換えればどの馬にもチャンスがある。ブリザードもその1頭だ。

2015年には香港馬エアロヴェロシティが参戦し、優勝している。スプリンターズステークスや安田記念に比べて高松宮記念は、香港馬が得意とするスプリントの舞台でありながらあまり参戦は少ない。スプリンターズステークスで健闘したことが参戦につながったとみて間違いない。香港馬がスプリント大国の意地を見せるか、ブリザードに注目が集まる。

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