2018年10月8日、京都競馬場で秋華賞(GⅠ/芝2000m)が行われる。出走予定馬には、牝馬三冠の期待が集まるアーモンドアイ、打倒アーモンドアイに燃えるラッキーライラック、ローズステークスを制したカンタービレがいる。牝馬は勢いと言うが上がり馬があまりいない。春までの構図がそのままならアーモンドアイの牝馬三冠が濃厚か。
過去10年の秋華賞のデータを見ると、1番人気が勝ったのはこの10年で3回、2着は1回3着が2回、着外は4回あるという状況で信頼度はそこまで高くない。ただこの中の2勝はアパパネ、ジェンティルドンナが含まれており、今年はあまり気にしなくていいか。1着は3番人気まで9勝、歴史的大荒れの2008年を参考外にすれば、人気サイドで堅いとも言えるが、あくまでも1着の話で2着3着は手広い。
アーモンドアイ牝馬三冠のムードは高いが、死角がないわけではない。そして夏の時期に成長した馬も多い。アーモンドアイとラッキーライラックの2強で決まりというのはあまりにも安直だ。むしろ本当に大丈夫か、しっかりと吟味して3歳牝馬クラシックの最終戦に臨みたい。
目次
データ① 上がり馬は大苦戦
菊花賞は上がり馬がよく来るので、上がり馬を積極的に狙うのが一般的だが、どうにも秋華賞は上がり馬に厳しい。準オープンまでの条件戦は27頭出ているが、2着が1回3着が2回で残りはすべて着外だ。オープン特別は新潟開催の紫苑ステークスで2着だったショウナンパンドラ以外、33頭は着外だ。要するにほとんどトライアル戦や古馬混合重賞からの参戦馬だ。
例外を探せば、前走条件戦で馬券圏内に入った馬はいずれも阪神で1着か1番人気の馬だった。まずサヤカチャンは厳しい。リュヌルージュもちょっと苦しい。北海道シリーズ3連勝のミッキーチャームもデータ的には消しとなる。本格的なコースで勝てる馬というのがGⅠの舞台でもチャンスが来るということか。
データ② 三冠大ピンチ!の衝撃データ
過去10年の前走のデータを見ると、前走GⅠだった馬は何と10頭いて1頭も3着以内に入っておらず、すべて着外だ。それより過去に遡るとあのウオッカが宝塚記念以来の参戦で3着、カワカミプリンセスがオークス1着からの参戦で勝った程度で、それから遡ってもなかなか出てこない。ウオッカはご存知ダービー馬、カワカミプリンセスは秋華賞でキャリア5戦目だった。
アーモンドアイはシンザン記念から桜花賞というローテで勝っており、心配ないと言えなくはないが5か月近い休み明けとなっている。それはラッキーライラックも同じだ。たいていはローズステークスを叩いて秋華賞を迎える。それが出来ない状況というのは不安が残る。ラッキーライラックは中間で一頓挫、アーモンドアイはその先のことを考えている可能性が高い。ちょっとここは狙いにくい。
データ③ その他データあれこれ
前走の距離別成績を見ると、1800メートルだった馬が7勝、2000メートルだった馬が3勝を挙げている。ローズステークスか紫苑ステークスかぐらいの違いでしかないが、1800メートル以下だった馬はすべて着外に終わっている。プリモシーンは古馬相手に関屋記念を制したが、斤量51キロだった。斤量が戻り距離延長ではさすがに厳しいか。
ローズステークス組の傾向は5番人気以内か5着以内か、このどちらかをクリアしていればいい。ラテュロスのように人気薄で3着だった馬もそのまま本番で来ることがある。トーセンブレスのように7番人気15着では厳しく、3番人気9着のオールフォーラヴも一見圏内だが、巻き返しは苦しいとみていいだろう。
まとめ
アーモンドアイもラッキーライラックもかなりの人気が予想されるが、ここは嫌いたい。ここが本番でなかったり一頓挫がある馬を人気では買いたくない。ここはサラキアか。春先は惜しいところで結果を出せなかったが、秋に来て大きな成長を見せた。モレイラ騎手を乗せる算段は騎乗停止で狂い、本来の主戦である池添謙一騎手に戻った。この時の池添騎手の腹の括り方は素晴らしい。狙うべきだろう。
なかなか脅かす馬がおらず、アーモンドアイが100%ではなかったとしても十分に勝ててしまうかもしれない。2番手のラッキーライラックも同じような状況だからだ。秋華賞は99年ブゼンキャンドルなど大荒れのGⅠというイメージが色濃かった。最近は堅いレースが続くが、とんでもない大波乱があるなら今年だろう。