2018年1月8日、京都競馬場でシンザン記念(GⅢ/芝1600m)が行われる。ファストアプローチ、エアアルマス、カシアス、スターリーステージ、アーモンドアイらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
今週、最終追い切りが美浦、栗東の東西トレーニングセンターで行われた。これを受けて、体調や仕上がり具合を一週前の調教と最終追い切りから考察していく。
目次
最終追いきり診断
今回はレッドベルローズ、プリモシーンなど上位人気が予想される馬を中心に見ていく。
ファストアプローチ・牡3歳(美浦・藤沢和厩舎)
評価A-
昨年の暮れ12月28日美浦南坂路(良)で一週前追い切りを行った。
鞍上はM.デムーロ騎手でタイムは4F58秒3―43秒4―28秒3―14秒0と馬なりでも平凡なタイムで動きも少し重そうな感じ。
1月4日の最終追い切りは美浦南Wコース(良)2頭併せで木幡育也騎手が騎乗して行われた。
タイムは5F69秒0―53秒5―39秒7―12秒9。
ダノンキャップ(4歳上500万下)を3馬身先行してスタート、余裕を持って走っており、外・外を回りながらも半馬身先着した。
前走を使って上積みが大きくありそうで、成長もうかがえる馬体になっている。
スターリーステージ・牝3歳(栗東・音無厩舎)
評価A
一週前追い切りは12月27日に栗東坂路(良)で川田騎手が騎乗して行われた。
4Fを一杯に追ってタイムは52秒4―37秒8―25秒0―12秒8と好時計をマーク。前走時並みの仕上がり具合に達している。
1月4日に栗東坂路(良)で行った最終追い切りは単走で4F53秒9―38秒3―25秒0―12秒4のゆったりと入っての上がり重点で駆け抜けた。
一週前追い切りでほぼ仕上がっているため速い時計は出さない調整であったが、最後はしっかりと伸びており仕上がりに不安はない。
エアアルマス・牡3歳(栗東・池添厩舎)
評価A-
一週前追い切り大晦日の12月31日に栗東坂路(良)で行われ、4F60秒5―44秒00―29秒9―14秒7と平凡すぎる時計で駈け上がっている。
馬なりとはいえ評価に困る走りだった。
1月4日に栗東CWコース(良)で行った最終追い切りは、福永騎手を背にした2頭併せだった。
6Fをティカル(3歳500万下)の3馬身後方からスタートし、直線は内に入って馬体を併せると福永騎手のゴーサインで鋭く反応して加速、8馬身先着した。
タイムは84秒8―68秒8―53秒4―39秒0―12秒3と好時計を出している。
後肢に甘さが残り、体もまだまだ子供っぽいがバランスは良くスピードに関しては標準以上の能力がありそう。
アーモンドアイ・牝3歳(美浦・国枝厩舎)
評価A
12月27日に美浦南Wコース(良)で一週前追い切りを本番でも騎乗予定の戸崎騎手が乗って馬なりで行った。
タイムは4F69秒7―53秒9―39秒2―13秒3と馬なりとしてはそれなりの時計を出している。一週前としては合格点と言える動きだった。
最終追い切りは戸崎騎手を背に美浦南Wコースで2頭併せを1月3日に行った。
ミエノドリーマー(4歳上1000万下)を5馬身追走馬なりで3馬身、内から抜け出してゴール。前走から3ヶ月のブランクがあるが馬体はきっちりと作られており、太め感は感じられない。
タイムは5F67秒2―51秒4―38秒0―13秒3で、馬なりだがバネのある走りで加速する反応が抜群の動き。
カフジバンガード・牡3歳(栗東・松元厩舎)
評価A+
12月28日栗東坂路(良)で行った一週前追い切りは馬なりで藤岡康太騎手が騎乗して4F53秒0―38秒7―25秒4―12秒7の好時計を出している。
一週前としては出来すぎかなと思うぐらいに良い動きを見せていて、好調をキープしている。
1月3日の最終追い切りも栗東坂路(良)で藤岡康太騎手を背にして行われた。2頭併せでラルムドール(3歳500万下)を追い掛けて楽に2馬身先着してフィニッシュ。
タイムは4F52秒1―38秒3―24秒7―12秒1の好時計をマークし、ラスト1Fの反応は鞍上の指示に鋭く反応しており、スピードだけではなくコントロールしやすい印象を受けた。
調整での出来は出走馬中No.1に見える。
明け3歳馬のレースだけに完成度の高さをとるか将来性をとるか難しいが、やはり重賞となれば現状での完成度が物を言いそうである。
調教でもしっかり走れる体と筋肉がなければ春のクラシックへの切符はなかなか掴めないだろう。