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2018年9月16日、阪神競馬場でローズステークス(GⅡ/芝1800m)が行われる。出走予定馬には、フラワーカップを制したカンタービレ、同世代の上位陣と肉薄するトーセンブレス、忘れな草賞を勝ったオールフォーラヴなどがいる。打倒アーモンドアイに燃える馬が多いが、その中で注目を集めるのがサトノワルキューレだ。

サトノワルキューレの前走はオークスだったが、アーモンドアイが早々と6番手で折り合い、サトノワルキューレはそれをマークする格好になった。しかし、1頭だけ次元の違う脚を見せられたのではどうしようもなく、見せ場を作り切れないまま6着に終わった。フローラステークスの勝ち方から人気を集めたが、結果的にそれを裏切るような競馬になってしまったのは残念だ。

オークスから4か月、秋華賞に向けて叩き台のレースになるが、オークスの上位馬は出ておらず、サトノワルキューレが着順的に最上位、人気もかなり集め、一本被りの様相だ。その通りの結果になるかどうか、様々な観点から見ていきたい。


期待① 血統的にこの距離は合う

サトノワルキューレの母ヒアトゥウィンは南アフリカのGⅠを2勝、アメリカのGⅢも勝っているが、マイルや2200メートルなど様々な距離で勝っている。サトノワルキューレ的に距離が短いのではないかという不安が付きまとうが、血統的にその心配はないだろう。母ヒアトゥウィンは59キロを背負ってGⅠを制するなどパワーもある。サトノワルキューレは馬力があると称されるのは母の血であろう。

西日本はどうにも天気が優れず、今週末は雨模様という予報が出ている。多少馬場が渋ったとしても母譲りのパワーでどうにかすることも考えられる。全弟のサトノバリオスは先日行われた小倉1800メートルの新馬戦で負けたが、これは勝ち馬が強すぎただけで次は分からない。牡馬は叩き2戦目が大事というが、牝馬はいきなり力を出せる。多頭数でも関係なし、それがサトノワルキューレだ。

不安① 速いペースに翻弄される?

サトノワルキューレが勝ったレースというのは最初の3ハロンが36秒台とゆったりした入りになっている。ゆったりした入りであれば、位置取りもスムーズで脚を使わされることもない。だからこそ、最初の3ハロンで36秒台のレースで速い上がりが使えるわけだ。

しかし、ローズステークスは基本的に最初の3ハロンは速い。36秒台になったのは過去10年で2012年の1回だけ、ジェンティルドンナとヴィルシーナがワンツーを飾り、馬連170円という安さに終わった。しかもジェンティルドンナは2番手でレースを行ったわけだから後ろの馬はどうしようもない。この年は勝つチャンスが他の馬になかったが、今年はどの馬にもある。サトノワルキューレ向きの流れになるとは思えない。

速い流れに翻弄されて脚を使わされ、最後の直線で伸びないという可能性も十分に考えられる。ゆったりしたペースで直線に入れればと陣営は考えているようだが、この5年は前半1000メートルは60秒を切っている状況でその通りになるかは疑問だ。

不安② 転厩の影響がどこまで

元々サトノワルキューレは角居勝彦厩舎にいたが、角居調教師が不祥事を起こしたことでいったん中竹和也厩舎へ転厩となった。中竹厩舎はリーディング的に上位にいて重賞3勝を挙げているが、いずれも最初から中竹厩舎の馬であり、うち2勝は障害重賞である。角居厩舎だった馬もそれなりに貢献はしているが、中竹厩舎そのものが好調と見ていいだろう。

転厩後1か月の成績は主力が休んでいたこともあって、角居厩舎だった馬の成績はそこまでよかったわけではない。いくら優秀なスタッフがいたとしても、あれだけの名伯楽がいない影響は大きいと言える。微妙な影響であり、サトノワルキューレには関係ないかもしれないが、マイナスにはなってもプラスにはならない。環境を変えないようにしているとはいえ、指揮官不在の影響はあるのではないか。

まとめ

サトノワルキューレはおそらく秋華賞を目指すのだろうが、ここで勝ち負けにならないとアーモンドアイは倒せないだろう。しかも、今回のローズステークスは相手関係が手薄である。オークスの最上位馬であり、同厩舎のカンタービレは調教面ではやや一息といったところでライバルになり切れるか。上がり馬も1000万条件を勝ったような活きのいい馬はいない。勝たなきゃいけないレースと言える。

すべては最初のレースの入り方にかかっているが、前走の反省というものがあり、それを踏まえてじっくり待機できるか。そこはデムーロ騎手の腕にかかっている。ペースが遅いと仕掛ける癖がデムーロ騎手にあるが、この馬はそのやり方は合わないだろう。馬も人も我慢が必要だ。今後を左右するレースになることは間違いない。果たして力を出し切れるか。

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