2020年7月5日、福島競馬場でラジオNIKKEI賞(GⅢ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるパラスアテナ、ルリアン、グレイトオーサー、パンサラッサ、サクラトゥジュールらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
中山開催だった2011年を除く、過去10年のデータを参考にしていく。
目次
ラジオNIKKEI賞の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は2勝、2着は3回、3着はなし。ハンデ戦もあり、上位人気の信頼度はさほど高くないが、単勝1桁オッズの馬が8勝を挙げている。
伏兵馬が台頭しやすく、結構踏み込んだ狙い方をしても問題がなさそうな感じになっている。取捨選択はきっちりとしておきたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前残りと末脚の馬で勝負!
ここ5年のラジオNIKKEI賞は、はっきりとした組み合わせがある。それは、「前目で走った馬」と「上がり最速で駆け込んできた馬」の馬券である。
去年は2着のマイネルサーパスが前残り、最後方にいたゴータイミングが上がり最速で3着。2年前は前目にいたメイショウテッコンが勝ち、その年の菊花賞馬フィエールマンが上がり最速で2着。
その前を見ても、4コーナー10番手以下にいた馬、3番手以内にいた馬がセットできており、狙いはそこか。開幕週だからすべて前残りで決まるわけではない。
予想参考データ② 別路線組の取捨選択
1勝クラス、500万下での勝ちあがりばかりが集まった今年のレース。1勝クラスで馬券圏内に入った馬の傾向を見ると、1番人気1着だった馬が8頭中5頭を占める。
タイム差だが、派手な勝利は必要なく、コンマ2秒ぐらいの勝ちで十分。タイム差なしの勝利も目立った。競馬場や距離で見ると、主要4場と新潟、マイルから2000という感じで、はっきりした傾向はない。
ここまでぼんやりとしたデータだが、コンマ3秒以上の差で勝った馬が多く、そのあたりがどうか。同型が多く、これも微妙である。
予想参考データ③ 本来は重い斤量が信頼の証だが...
ハンデ戦のラジオNIKKEI賞だが、クラシック戦線で多少足らなかった馬がここで巻き返すケースが多く、斤量55キロや56キロが狙い目になる。
ところが、今年は斤量54キロがトップハンデで、斤量差はたった3キロしかない。1勝クラスを勝ちあがった馬ばかりが集まれば、そうなるのも致し方ない。
54キロが頭数も多く、過去10年で5勝を挙げているが、複勝率でいえば53キロも捨てがたい。ただし未勝利であり、52キロ以下は馬券にすらこの10年で入らない。
2020年の危険な人気馬は?
パンサラッサは人気になる見込みだが、距離短縮がどう出るか。一線級とは全く歯が立たず、勝ち上がったのは3歳馬圧倒的有利の6月の1勝クラスのレース。時計はなく、脚はない。さすがにこの中ではどうか。ラジオNIKKEI賞の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ルリアンは2つ目の消しデータに合致している。前に行く馬が多いレースで、ルリアンは少し最初の3ハロンで後手を踏みやすい。1800メートルとなればそれまでのレースよりも最初が速くなりやすく、思ったポジションにつけない可能性がある。その中でどこまでやれるか。
反対にパラスアテナは危険なデータに一つも当てはまらない。福島で勝ってるのは大きい、そして、ダートでそれなりにやれて、末脚を発揮したカーネーションカップと色んなポテンシャルを見せている。相手が小粒なので、牝馬といえどもここは一発があるのではないか。人気馬の中で最も不安要素が少ないのは、パラスアテナと言えそうだ。