2018年4月7日、中山競馬場でニュージーランドT(GⅡ/芝1600m)が行われる。ケイアイノーテック、カシアス、ファストアプローチ、カツジ、ラムセスバローズ、トーセンブレス、リョーノテソーロらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
3歳のマイル王決定戦GⅠ・NHKマイルカップに向けてレース体系が整備されていく中で2000年から4月上旬に中山競馬場の芝1600mで定着したニュージーランドTは関東で行われる重要な前哨戦として位置づけられた。
実際、ニュージーランドTからNHKマイルカップに挑戦した馬の成績は過去10年で4勝2着1回3着4回と好成績を残しているが、この内、ニュージーランドTで勝利したのは2012年のカレンブラックヒルのみとなっているのも大きな特徴となっている。
配当傾向を過去10年で見てみると、2012年のみ上位人気で決着し三連単が9,080円と堅い配当となったが、それ以外は毎年万馬券となっていて単勝1番人気馬は3連敗中だ。
2018年も従来の傾向通りの荒れた決着となるのか、一転して人気サイドの決着となるのか。
今回は中山競馬場で行われた2007年以降のニュージーランドトロフィーの結果を元としてデータ分析するが、特に過去の穴馬の共通項から激走馬を探っていく(2011年は阪神競馬場で行われたため対象外)。
目次
過去10回の該当馬(2007年以降・単勝6番人気以下で3着以内)
年 | 着順 | 馬名 |
---|---|---|
2017 | 1 | ジョーストリクトリ |
2017 | 2 | メイソンジュニア |
2016 | 2 | ストーミーシー |
2016 | 3 | エクラミレネール |
2015 | 1 | ヤマカツエース |
2014 | 3 | ベルルミエール |
2013 | 3 | ストーミングスター |
2010 | 3 | レト |
2008 | 1 | サトノプログレス |
2007 | 1 | トーホウレーサー |
2007 | 2 | マイネルフォーグ |
2007 | 3 | ワールドハンター |
注目点① 人気薄は手広く検討を
該当馬のリストを見てもわかるように、過去10回で馬券圏内に入った延べ30頭のうち単勝6番人気以下が12頭と4割に達していて高配当を裏付ける結果となっている。
しかも、過去10回の内2012年と2009年を除いて必ず1頭はリストアップされていることから積極的に人気薄を狙うことも考えなければならない。
また、今回の該当馬を人気別や単勝オッズで見ると、高配当になる場合の人気やオッズにはそれほど気にする必要がないこともわかる。
人気別集計 ニュージーランドT 過去10回
人気 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
1番人気 | 4- 1- 0- 5/ 10 | 40.0% | 50.0% |
2番人気 | 2- 2- 2- 4/ 10 | 20.0% | 60.0% |
3番人気 | 0- 1- 1- 8/ 10 | 0.0% | 20.0% |
4番人気 | 0- 1- 1- 8/ 10 | 0.0% | 20.0% |
5番人気 | 0- 2- 1- 7/ 10 | 0.0% | 30.0% |
6番人気 | 1- 0- 0- 9/ 10 | 10.0% | 10.0% |
7番人気 | 1- 0- 1- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% |
8番人気 | 0- 1- 2- 7/ 10 | 0.0% | 30.0% |
9番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
10番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
11番人気 | 1- 0- 0- 9/ 10 | 10.0% | 10.0% |
12番人気 | 1- 0- 2- 7/ 10 | 10.0% | 30.0% |
13番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
14番人気 | 0- 1- 0- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
15番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
16番人気 | 0- 1- 0- 8/ 9 | 0.0% | 11.1% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
年 | 馬名 | 人気 | 単勝オッズ |
---|---|---|---|
2017 | ジョーストリクトリ | 12 | 51 |
2017 | メイソンジュニア | 8 | 18.7 |
2016 | ストーミーシー | 14 | 98.6 |
2016 | エクラミレネール | 12 | 51.9 |
2015 | ヤマカツエース | 7 | 15.3 |
2014 | ベルルミエール | 8 | 14.3 |
2013 | ストーミングスター | 12 | 105.6 |
2010 | レト | 7 | 20.7 |
2008 | サトノプログレス | 6 | 18 |
2007 | トーホウレーサー | 11 | 51.1 |
2007 | マイネルフォーグ | 16 | 117.6 |
2007 | ワールドハンター | 8 | 23 |
注目点② 母父・ロイヤルチャージャー系かニアークティック系に注目
過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った12頭中10頭がロイヤルチャージャー系かニアークティック系種牡馬となっている。
ロイヤルチャージャー系といえば、ディープインパクトやステイゴールド、オルフェーヴルに代表されるように現在の日本種牡馬界の王道とも言える血統であり、ニュージーランドトロフィーのレース条件に最も適している血統と言うことができる。
また、ニアークティック系といえば現在の代表種牡馬はトランセンドで、どちらかと言うと「ダート」「中距離」が得意分野だが、芝でのレースではあるものの中距離適性で結果を出せている。
母父馬系統別集計 ニュージーランドT 過去10回
チェック母父馬 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
ニアークティック系 | 3- 4- 7-44/58 | 5.2% | 24.1% |
ロイヤルチャージャー系 | 3- 3- 2-25/33 | 9.1% | 24.2% |
ネイティヴダンサー系 | 3- 3- 0-30/36 | 8.3% | 16.7% |
ナスルーラ系 | 1- 0- 1-24/26 | 3.8% | 7.7% |
その他のエクリプス系 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% |
セントサイモン系 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% |
トゥルビヨン系 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
ソート:着別度数順
馬名 | 母父系統 | 種牡馬 |
---|---|---|
ジョーストリクトリ | ニアークティック系 | キングヘイロー |
メイソンジュニア | ネイティヴダンサー系 | American Post |
ストーミーシー | ニアークティック系 | ゼンノエルシド |
エクラミレネール | ニアークティック系 | プラウドデボネア |
ヤマカツエース | ロイヤルチャージャー系 | グラスワンダー |
ベルルミエール | ロイヤルチャージャー系 | サンデーサイレンス |
ストーミングスター | ロイヤルチャージャー系 | Southern Halo |
レト | ニアークティック系 | コマンダーインチーフ |
サトノプログレス | ニアークティック系 | Royal Academy |
トーホウレーサー | ナスルーラ系 | サクラユタカオー |
マイネルフォーグ | ニアークティック系 | Be My Guest |
ワールドハンター | ニアークティック系 | Secreto |
注目点③ 前走は先行か中団脚質馬が活躍!
過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った12頭中10頭が前走で先行か中団からのレースをしていた。
脚質がまだまだ定まりつつある時期であるが逃げや追込みなどの極端な戦法を取っている馬の巻き返しはなかなかできていないことがわかる。
前走脚質別集計 ニュージーランドT 過去10回
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
逃げ | 2- 0- 0- 20/ 22 | 9.1% | 9.1% |
先行 | 1- 4- 4- 43/ 52 | 1.9% | 17.3% |
中団 | 6- 5- 3- 43/ 57 | 10.5% | 24.6% |
後方 | 1- 0- 3- 23/ 27 | 3.7% | 14.8% |
マクリ | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
馬名 | 前走脚質 |
---|---|
ジョーストリクトリ | 中団 |
メイソンジュニア | 先行 |
ストーミーシー | 中団 |
エクラミレネール | 先行 |
ヤマカツエース | 中団 |
ベルルミエール | 中団 |
ストーミングスター | 先行 |
レト | 先行 |
サトノプログレス | 中団 |
トーホウレーサー | 逃げ |
マイネルフォーグ | 中団 |
ワールドハンター | 後方 |
注目点④ 前走はマイル以下の距離に出走
今回の該当馬12頭中11頭が前走でマイル以下の距離のレースに出走していた。
マイル前後の距離から挑戦する馬が多い中で、他馬との比較で人気を落としていてもどちらかといえば短距離向きの適性がある馬のほうが活躍できていることがわかる。
前走距離別集計 ニュージーランドT 過去10回
前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
1200m | 0- 1- 3- 18/ 22 | 0.0% | 18.2% |
1400m | 3- 4- 3- 39/ 49 | 6.1% | 20.4% |
1600m | 4- 3- 3- 43/ 53 | 7.5% | 18.9% |
1800m | 3- 1- 1- 24/ 29 | 10.3% | 17.2% |
2000m | 0- 1- 0- 5/ 6 | 0.0% | 16.7% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
馬名 | 前走距離 |
---|---|
ジョーストリクトリ | 1400 |
メイソンジュニア | 1400 |
ストーミーシー | 1200 |
エクラミレネール | 1600 |
ヤマカツエース | 1400 |
ベルルミエール | 1400 |
ストーミングスター | 1200 |
レト | 1600 |
サトノプログレス | 1600 |
トーホウレーサー | 1800 |
マイネルフォーグ | 1400 |
ワールドハンター | 1200 |
まとめ
ここまでの4つの注目点から、人気薄で激走する可能性のある馬を選定すると次の3頭が該当する。
アイスフィヨルド
アドマイヤアルバ
ペイシャルアス
なお、本原稿は特別登録の段階で執筆しているが、今年のニュージーランドTの登録頭数は19頭(出走可能頭数16頭)となっていて抽選対象となっている馬もいるので注意が必要だ。
後は予想時点での単勝人気やオッズも確認の上、検討を加えていくのも、面白いのではないだろうか。