2021年4月25日、阪神競馬場でマイラーズカップ(GⅡ/芝1600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるケイデンスコール、エアロロノア、アルジャンナ、エアスピネル、ギベオンらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
今年は阪神開催のため、2011年まで阪神で行われていたマイラーズカップのデータを参考にしていく。
目次
マイラーズカップの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は2勝、2着は2回、3着は3回。単勝1倍台は全勝だが、2倍台になると未勝利に。それでも人気を集めた馬の信頼度は高い方だ。
伏兵馬が結構勝つのもマイラーズカップの傾向であり、今年は阪神のマイルで実力が出やすいコースになる。それがどのように影響するか。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① マイラーズカップ勝ち馬からわかること
阪神開催のマイラーズカップは、外回り導入後は5回行われており、高速決着になりやすいのと同時に実力馬が勝ちやすいのが特徴である。
勝ち馬の傾向を見ると、5頭すべてが重賞勝ちの経験がある。にもかかわらず、2007年のコンゴウリキシオーは9番人気、2011年のシルポートは7番人気と人気薄である。マイル以上の距離の重賞で勝った馬か、その年にすでに重賞を勝った馬か、ここがポイントになりそうだ。
エアロロノアはこれが重賞初挑戦、アルジャンナは重賞未勝利。先ほどの条件に該当するのはかなり限られるため、意外と有益なデータかもしれない。
予想参考データ② 激走した穴馬からわかること
2007年から2011年までのマイラーズカップで激走した穴馬から傾向を探りたい。ここでは単勝オッズが10倍以上だった馬たちを対象にする。
1つ目は阪神巧者。2011年14番人気2着のクレバートウショウは、阪神で3勝を挙げたほか、中山でも勝っており急坂での強さを見せた。2008年8番人気2着のニシノマナムスメも阪神で結果を残していた。
もう1つは前走重賞で好走しているケースだ。2009年9番人気3着のスマイルジャックは、前走東京新聞杯で3着に入っている。
この2つで人気馬を見ると、意外と怪しいのがエアスピネルだ。厳密に言えばフェブラリーステークスで好走しているが、阪神の芝に絞ると朝日杯での好走ぐらいしかない。
予想参考データ③ それぞれの馬の前走レベル
ケイデンスコールの前走は中山記念だったが、前半がかなり速い流れ。ただ4番手グループのヒシイグアスとケイデンスコールからすればマイペース逃げの状態。いいペースで競馬ができ、最後は地力の差。タイムも優秀で、あとは反動がないかどうかだけだろう。
エアロロノアの前走は武庫川ステークスだったが、こちらもやや速めに流れたが、逃げたノルカソルカが2着に粘ったので決して無理な逃げだったわけではない。勝ちタイムも優秀で、さすがに桜花賞の驚異的なレコードには及ばないが、阪神牝馬ステークスの勝ちタイムと変わりがなかった。
アルジャンナの前走は洛陽ステークスだったが、武庫川ステークスと同じ条件ながらスローで流れたために、上がり勝負に。逃げ馬に33秒0を出されると、後ろはどうしようもない。アルジャンナは位置取りが後ろだった。距離的には向いてそうだが、叩かれてどうか。
エアスピネルの前走はフェブラリーステークスだったが、ワイドファラオが結構なペースで逃げ、マイペース逃げになったカフェファラオが押し切った形に。中団から飛んできたのがエアスピネルで、健闘を見せた。当然芝での実績もあるが、何せ久しぶりの芝。それがどのように影響するか。
ギベオンの前走は金鯱賞だったが、キセキが逃げることができず、マイペースで逃げることができ、大金星を挙げている。元々NHKマイルカップで2着がある馬で、重賞勝ちもある。前々走もそれなりに走っていたのに200倍以上の単勝自体がおかしかった。マイルは面白いが、軸にするほどの信頼はどうか。
2021年の危険な人気馬は?
アルジャンナは人気になる見込みだが、前走がやや物足りなかった。エアロロノアと比較しても、同じような末脚でもあまり評価が上がらない。ここは軽視したい。マイラーズカップの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、エアスピネルは3つ目の消しデータに合致している。56キロで乗れるのは非常に魅力であり、鞍上の勢いもキャリアハイレベルだが、ダートでそれなりに走っていたので、戻してすぐに結果が出るものなのか。
反対にケイデンスコールは危険なデータに一つも当てはまらない。前走が十二分の走りでタイム的にも申し分なかった。阪神でどうかだが、今回は層がやや薄いので、前走と同じ状況が見込めるならここを軸にするのが妥当なところだろう。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ケイデンスコールと言えそうだ。