2017年11月19日、京都競馬場において秋のマイル王決定戦マイルチャンピオンシップ(GⅠ/芝1600m)が行われる。
2014年皐月賞馬イスラボニータ、前哨戦の富士ステークスを快勝し急遽武豊騎手からムーア騎手に乗り替わりが発表されたエアスピネル、春の安田記念を制しているサトノアラジン、最近では珍しい個性派逃げ馬のマルターズアポジー。
これらの強豪達が多数出走し、大混戦が予想される今年のマイルチャンピオンシップ。その中でもここでは昨年今年とスプリンターズステークスを見事に連覇して初めてマイルチャンピオンシップに挑むレッドファルクスに注目していく。
目次
期待① 前走内容とローテーション
前走は10月1日に中山競馬場芝1200mで行われたGⅠスプリンターズステークス。
前年覇者として単勝3.2倍の堂々1番人気で挑み、休み明け、秋初戦とは思えぬ走りで最後の直線を外から鋭く伸びて豪快に差し切った。
着差こそ2着のレッツゴードンキとクビ差だったが、強い勝ち方だったといえる。
オーナーサイドでは、次走について過去主戦場だったダートにするかマイルチャンピオンシップにするか香港に再挑戦するか検討した結果、マイルチャンピオンシップ出走を選択してきた。
前走がスプリンターズステークスの出走ローテーションは過去10年で9頭いて1着2着3着が各1回ずつ、1着は昨年スプリンターズステークス2着から挑んだミッキーアイルである。
例としては少数だが十分優秀な成績と言えるローテーションであることからも期待が持てる。
期待② 枠番
レッドファルクスは今回4枠7番に決まったが、4枠は枠順別成績で最も成績がいいのである。
過去20頭中2勝2着5回、勝率10%、複勝率35%でいずれも枠番ごと成績ではトップの実績を残している。
データ上、内枠外枠の差があまりないものの4枠だけが突出し、見事その枠に入るのは期待材料と言える。
不安① 年齢
年齢別では、古馬の充実期を迎える4歳が過去10年で3勝、5歳が4勝している。
レッドファルクスは6歳だが、6歳馬は過去10年で35頭が出走し、2勝2着1回3着1回と4歳馬5歳馬にどうしても見劣りする結果となっている。
今年は4歳馬がエアスピネル1頭しかいないことや、5頭出走する3歳馬がまだ1度も3着以内に入ったことがないなどの好材料もあるが、すべての不安を拭い去るほどの成績を6歳馬は残していないのが現状と言える。
不安② 京都競馬場
美浦の尾関知人厩舎所属のレッドファルクスにとって、今回のマイルチャンピオンシップが6歳にして初めての京都競馬場遠征となる。
遠征輸送自体はこれまでの経験からも問題はないが、初コースに関しては尾関調教師も心配をしているとのこと。
中山・東京・京都・阪神の4大競馬場の中では、下り坂への対応と直線が平坦ということもあり1番向かない競馬場であると言うコメントも尾関調教師はしている。
当然、課題に向けた対策を練り、調教を重ねてきているとのことだが、不安点としてあげざるを得ないところではある。
不安③ 距離
春のマイル王決定戦安田記念で勝ち馬のサトノアラジンに0.1秒差の3着に敗れたレッドファルクスだが、芝1600mは今回が3回目の挑戦となる。
今回初騎乗となるC.デムーロ騎手は追い切り後のインタビューで距離に関しては心配していない旨話しているものの、尾関調教師はマイルは若干長いとコメントをしています。
元々、これまでの10勝中8勝が左回りということもあり、安田記念は得意の左回りだったので距離が克服できたと見ることができるかもしれないことからも、今回、克服できるかどうかは今後の試金石ともいえるレースになりそうだ。
まとめ
スプリンターズステークス連覇後、様々な選択肢の中から新たな挑戦をと言うことで今回のマイルチャンピオンシップ出走を決めたレッドファルクス。
史上8頭目のスプリントとマイルの統一王者となることができるか、その走りが注目される。