2021年3月28日、中山競馬場でマーチステークス(GⅢ/ダート1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるアメリカンシード、ハヤヤッコ、スワーズアラミス、ナムラカメタロー、ヒストリーメイカーらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
阪神開催だった2011年を除く過去10年のデータを参考にしていく。
目次
マーチステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は1勝、2着は1回、3着も1回。ハンデ戦もあってか、人気の実績は薄く、人気だから買うというのは少し安易か。
伏兵馬が飛んできやすいのがマーチステークスで、これぞハンデ戦。ハンデの様子などもしっかりと見ておきたいところだ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前走地方組の取捨選択
前走地方を走っていた馬は、そこまで数字を残しているわけではない。傾向を見ても、実ははっきりとしたものが残っている。
まず馬券圏内であること、そして3人気以内であること、この2つは確実に満たしたい。それがグレードの低いレースならなおさらだ。
ロードゴラッソは確かに両方を満たしており、1秒以上の大敗ではあったが、これはクリンチャーをほめるべきで、ロードゴラッソのタイムでも例年は勝ち負けになる。わずかな差と見るべきだろう。
予想参考データ② 1キロ台の斤量の増減が熱い
ハンデ戦なので、当然斤量は軽ければ軽いほどいいと考えがちだが、マーチステークスの場合、1キロ台の斤量減がベストで、斤量増も1キロぐらいで。斤量の増減がプラスマイナス1キロぐらいで十分。
斤量別成績では、55キロ、56キロ、57キロが熱いが、57.5キロや58キロも圏内。54キロ以下は苦戦傾向にある。
スワーズアラミスやナムラカメタローは斤量的に面白い。ちなみに1キロ台の斤量増はマイネルユキツバキしかいないので、チェックしておいてもいいだろう。
予想参考データ③ それぞれの馬の前走レベル
アメリカンシードの前走はアレキサンドライトステークスだったが、12年ぶりの不良馬場のレースで、12年前のカジノドライブより1秒以上遅かった。逃げ切りだったので、そこのイメージが強い人が多いわけだが、タイム自体はそこまで強調できないので、一本被りするほどか。
ハヤヤッコ、ナムラカメタロー、メモリーコウの前走は総武ステークスだったが、勝ちタイムはやや遅めだったか。前目が残る中でナムラカメタローの番手からの抜け出しは当然といえば当然だが、ハヤヤッコは後方からよく3着まで持ってきた。斤量差を加味するとメモリーコウがわずかに上、次にナムラカメタロー、ハヤヤッコの順番だ。
スワーズアラミスの前走はみやこステークスだったが、後方ままという感じで、上位争いに参加できず。ただ内枠に入ったので、スッと前に出てすんなりペースを落とせば面白いか。
ヒストリーメイカーの前走は東京大賞典だったが、内を突いてスルスルと抜け出した感じだったが、4着。しかし人気を思えば、それなりの健闘だったと言える。しかも1着オメガパフュームとはコンマ1秒差。それなりにやれるように感じる。
2021年の危険な人気馬は?
アメリカンシードは人気になる見込みだが、ルメール騎手が高松宮記念やドバイミーティングの裏に乗ること自体期待の表れだと思うが、いかんせん前走のレベルがどうか。同じ競馬ができればいいが、その可能性はさほど高くない。マーチステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ハヤヤッコは3つ目の消しデータに合致している。どちらかといえば左回りが向いているタイプか。後方から届けばいいが、少し足りない気がする。
反対にナムラカメタローは危険なデータに一つも当てはまらない。前目で抜け出して勝利し、総武ステークス組の中でも上位の位置づけ。元は佐賀記念を勝つなど、交流重賞でもやれている部類。前走11人気は見込まれなさすぎで、人気がなければ面白い。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ナムラカメタローと言えそうだ。