2018年3月25日、中山競馬場でマーチS(GⅢ/ダート1800m)が行われる。ゴールデンバローズ、ロンドンタウン、ハイランドピーク、エピカリス、コスモカナディアン、センチュリオン、ディアデルレイらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
1994年にダートの競走体系整備の一環で設立されたマーチSだが、今年に至るまで施行条件がまったく変更されずに行われている。(2011年のみ阪神競馬場で実施)
また、ダートで行われるハンデ重賞は現在、年間でもマーチステークスの他には秋の阪神開催でのGⅢ・シリウスSしか行われていない。
ゴールデンウィークに船橋競馬場で行われる統一GⅠ・かしわ記念のステップとしてマーチSを選ぶ馬も多く、昨年2017年の勝馬インカンテーションはかしわ記念で2着に入っている。
配当傾向を過去10回で見てみると、ハンデ戦の影響もあり三連単はすべて万馬券、昨年2017年は466,890円、2012年は2,321,750円など高配当が続いていて、単勝人気別で見ても1番人気から3番人気まで1勝ずつしかしていない。
2018年も従来の傾向通りの荒れた決着となるのか、それとも一転して人気サイドの決着となるのか。
今回は中山競馬場で行われた2007年以降のマーチSの結果を元としてデータ分析するが、特に過去の穴馬の共通項から激走馬を探っていく(2011年は阪神競馬場で行われたため対象外)。
目次
過去10回の該当馬(2007年以降・単勝6番人気以下で3着以内)
年 | 着順 | 馬名 |
---|---|---|
2017 | 1 | インカンテーション |
2017 | 3 | アルタイル |
2016 | 1 | ショウナンアポロン |
2015 | 1 | マイネルクロップ |
2013 | 2 | バーディバーディ |
2012 | 1 | サイレントメロディ |
2012 | 2 | メイショウタメトモ |
2012 | 3 | バーディバーディ |
2010 | 2 | ナニハトモアレ |
2009 | 2 | ダイショウジェット |
2008 | 1 | ナナヨーヒマワリ |
2008 | 2 | マコトスパルビエロ |
2007 | 1 | クワイエットデイ |
2007 | 2 | トーセンブライト |
注目点① 人気薄を狙うなら単勝6番人気から9番人気を中心に
該当馬のリストを見ても明らかだが、過去10回で馬券圏内に入った延べ30頭のうち単勝6番人気以下が14頭と4割を超えていて高配当を裏付ける結果となっている。
しかも、過去10回の内2014年を除いて必ず1頭はリストアップされていることから積極的に人気薄を狙うことも考えなければならない。
ただし、今回の該当馬を人気別に見ると高配当になる場合の人気にはそれほど気にする必要がないことがわかるが、該当馬14頭中12頭までが単勝40倍までのオッズとなっていて極端な人気薄を狙うのが得策ではないことがわかる。
人気別集計 マーチS 過去10回
人気 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
1番人気 | 1- 1- 2- 6/ 10 | 10.0% | 40.0% |
2番人気 | 1- 2- 2- 5/ 10 | 10.0% | 50.0% |
3番人気 | 1- 0- 2- 7/ 10 | 10.0% | 30.0% |
4番人気 | 1- 0- 1- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0- 1- 1- 8/ 10 | 0.0% | 20.0% |
6番人気 | 2- 3- 0- 5/ 10 | 20.0% | 50.0% |
7番人気 | 1- 0- 1- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% |
8番人気 | 1- 1- 0- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% |
9番人気 | 1- 0- 0- 9/ 10 | 10.0% | 10.0% |
10番人気 | 1- 0- 0- 9/ 10 | 10.0% | 10.0% |
11番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
12番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
13番人気 | 0- 1- 0- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
14番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
15番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
16番人気 | 0- 1- 0- 7/ 8 | 0.0% | 12.5% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
年 | 馬名 | 人気 | 単勝オッズ |
---|---|---|---|
2017 | インカンテーション | 10 | 25.4 |
2016 | アルタイル | 11 | 35.6 |
2014 | ショウナンアポロン | 8 | 20.4 |
2013 | マイネルクロップ | 6 | 13.5 |
2012 | バーディバーディ | 6 | 11.2 |
2012 | サイレントメロディ | 6 | 12.5 |
2012 | メイショウタメトモ | 16 | 109.5 |
2010 | バーディバーディ | 7 | 14.8 |
2010 | ナニハトモアレ | 6 | 13.4 |
2009 | ダイショウジェット | 13 | 82.7 |
2009 | ナナヨーヒマワリ | 7 | 29.6 |
2008 | マコトスパルビエロ | 6 | 16.2 |
2008 | クワイエットデイ | 9 | 19.1 |
2007 | トーセンブライト | 8 | 17.6 |
注目点② 人気薄は5歳から7歳まで
過去10回単勝6番人気以下で3着以内に入った14頭中12頭が、5歳から7歳となっている。
4歳馬は古馬になったばかりでまだまだ成長過程にある馬も多く、だからこそ戦前評価どおりの実力を発揮していて、人気がない場合には馬券圏外に敗れてしまっていることがわかる。
年齢別集計 マーチS 過去10回
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
4歳 | 2- 4- 2- 27/ 35 | 5.7% | 22.9% |
5歳 | 2- 0- 5- 31/ 38 | 5.3% | 18.4% |
6歳 | 3- 5- 2- 33/ 43 | 7.0% | 23.3% |
7歳 | 3- 1- 1- 19/ 24 | 12.5% | 20.8% |
8歳以上 | 0- 0- 0- 18/ 18 | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
馬名 | 馬齢 |
---|---|
インカンテーション | 7 |
アルタイル | 5 |
ショウナンアポロン | 6 |
マイネルクロップ | 5 |
バーディバーディ | 6 |
サイレントメロディ | 5 |
メイショウタメトモ | 7 |
バーディバーディ | 5 |
ナニハトモアレ | 4 |
ダイショウジェット | 6 |
ナナヨーヒマワリ | 7 |
マコトスパルビエロ | 4 |
クワイエットデイ | 7 |
トーセンブライト | 6 |
注目点③ 前走クラスはGⅢより格下!
今回の該当馬14頭中11頭が前走はGⅠやGⅡといった賞金の高いレースではなく、1600万下・OPEN特別・GⅢといったレースを走っている(残る3頭の内2頭は前走GⅠで二桁着順)。
前走がGⅠやGⅡの実力馬は上位人気に支持されていることを示していて、地道に自己条件のレースで結果を残してきたが、他馬との比較でここでは実力的に足りないと判断された馬が、前評判を覆して馬券圏内に巻き返していると言える。
前走クラス別集計 マーチS 過去10年
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
障害未勝利 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% |
1600万下 | 1- 1- 2- 15/ 19 | 5.3% | 21.1% |
OPEN特別 | 3- 6- 6- 59/ 74 | 4.1% | 20.3% |
GⅢ | 1- 2- 1- 15/ 19 | 5.3% | 21.1% |
GⅡ | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% |
GⅠ | 3- 0- 1- 11/ 15 | 20.0% | 26.7% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
馬名 | 前走クラス | レース名 |
---|---|---|
インカンテーション | GⅠ | フェブラリーS |
アルタイル | 1600万下 | 白嶺S |
ショウナンアポロン | OPEN特別 | 総武S |
マイネルクロップ | GⅢ | 佐賀記念 |
バーディバーディ | OPEN特別 | 仁川S |
サイレントメロディ | GⅢ | 平安S |
メイショウタメトモ | GⅢ | みやこS |
バーディバーディ | GⅠ | ジャパンカップダート |
ナニハトモアレ | 1600万下 | 東京ウインタープレミアム |
ダイショウジェット | OPEN特別 | ポラリスS |
ナナヨーヒマワリ | 1600万下 | 北山S |
マコトスパルビエロ | GⅡ | ダイオライト記念 |
クワイエットデイ | OPEN特別 | 仁川S |
トーセンブライト | GⅢ | 武蔵野S |
注目点④ 前走は4番人気以下
過去10回単勝6番人気以下で3着以内に入った14頭中、12頭が前走で単勝4番人気以下と上位人気には支持されていなかった。
前走上位人気で敗退した馬は、敗退の原因が馬券購入の際に検討され、敗因が明らかで改善可能な場合には再度上位に支持される傾向がある。
一方、前走人気がなく、実際に敗退した馬は徐々に検討の対象外となり単勝人気も徐々に下降していく傾向があるが、マーチSにおいてはそういった馬たちにもフォーカスを当てていくことが重要となっている。
前走人気別集計 マーチS 過去10回
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
前走1人気 | 2- 1- 2- 10/ 15 | 13.3% | 33.3% |
前走2人気 | 0- 1- 2- 15/ 18 | 0.0% | 16.7% |
前走3人気 | 2- 1- 2- 13/ 18 | 11.1% | 27.8% |
前走4人気 | 0- 2- 1- 8/ 11 | 0.0% | 27.3% |
前走5人気 | 1- 1- 1- 12/ 15 | 6.7% | 20.0% |
前走6~9人 | 0- 3- 1- 33/ 37 | 0.0% | 10.8% |
前走10人~ | 5- 1- 1- 37/ 44 | 11.4% | 15.9% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
馬名 | 前走人気 |
---|---|
インカンテーション | 15 |
アルタイル | 4 |
ショウナンアポロン | 11 |
マイネルクロップ | 1 |
バーディバーディ | 5 |
サイレントメロディ | 12 |
メイショウタメトモ | 10 |
バーディバーディ | 12 |
ナニハトモアレ | 7 |
ダイショウジェット | 7 |
ナナヨーヒマワリ | 3 |
マコトスパルビエロ | 4 |
クワイエットデイ | 10 |
トーセンブライト | 4 |
注目点⑤ 前走は2着3着以外
今回の該当馬14頭中すべてが前走2着3着以外の結果となっていた。
前走で2着や3着に惜敗した馬でマーチSで好走しやすい馬は、ファンの間でも馬券検討の結果上位人気に支持されることが多くなり、人気を落としていた場合には何らかの理由があると考え軽視して良いことをデータは示している。
前走着順別集計 マーチS 過去10回
前確定着順 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
前走1着 | 3- 4- 4- 23/ 34 | 8.8% | 32.4% |
前走2着 | 0- 0- 3- 13/ 16 | 0.0% | 18.8% |
前走3着 | 2- 0- 1- 13/ 16 | 12.5% | 18.8% |
前走4着 | 1- 2- 0- 7/ 10 | 10.0% | 30.0% |
前走5着 | 0- 2- 1- 6/ 9 | 0.0% | 33.3% |
前走6~9着 | 2- 1- 0- 25/ 28 | 7.1% | 10.7% |
前走10着~ | 2- 1- 1- 41/ 45 | 4.4% | 8.9% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
馬名 | 前走着順 |
---|---|
インカンテーション | 13 |
アルタイル | 1 |
ショウナンアポロン | 6 |
マイネルクロップ | 1 |
バーディバーディ | 4 |
サイレントメロディ | 6 |
メイショウタメトモ | 12 |
バーディバーディ | 10 |
ナニハトモアレ | 1 |
ダイショウジェット | 1 |
ナナヨーヒマワリ | 1 |
マコトスパルビエロ | 4 |
クワイエットデイ | 1 |
トーセンブライト | 9 |
まとめ
ここまでの5つの注目点から、人気薄で激走する可能性のある馬を選定すると次の1頭が該当する。
ドリームキラリ
なお、本原稿は特別登録の段階で執筆しているが、今年のマーチSの登録頭数は26頭となっていて収得賞金の関係で出走できない馬も多く今回選定したドリームキラリも現在除外対象となっているので注意が必要だ。
後は予想時点での単勝人気やオッズも確認の上、検討を加えていくのも、面白いのではないだろうか。