2019年2月10日、東京競馬場で共同通信杯(GⅢ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるアドマイヤマーズ、クラージュゲリエ、ダノンキングリー、フォッサマグナ、シュヴァルツリーゼらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
なお、特に明記していない場合は過去10年のデータを対象とする。
目次
共同通信杯の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは2回、2着も3着も2回ずつという感じになっており、平均的な成績だ。
1着も2着も6番人気までで決まっており、どちらかといえば人気サイドで決まりやすいというレースだ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 基本は前残り決着
脚質から読み解いていくと、先行馬の成績がよく、ある程度前で競馬をしないと厳しいことがわかる。
脚質・先行 ( 5- 5- 6-18)
勝率 14.7% │ 複勝率 47.1%
かといって、後方にいる馬がノーチャンスかといえばそうではなく、アベレージは低いが2勝を挙げている。この謎を解いてくれるのが上がり3ハロンの成績だ。
上がり3F 3位まで ( 9- 6- 4-17)
勝率 25.0% │ 複勝率 52.8%
上がり3位までの脚を見せられればそれなりの結果は出せる。できるだけ他とは違う脚というものは見せておきたいところではある。
予想参考データ② 新馬組の取り扱い
クラシック戦線に直結しやすいとされる共同通信杯だが、新馬1着からの挑戦は意外と少ない。ここを使うならトライアルという向きがあるのか。
過去10年で6頭しかいないが、1勝2着1回ならまずまずか。去年のサトノソルタス、2015年のリアルスティールが該当するが共通点は新馬戦で1番人気1着であること。
しかも2頭とも単勝1倍台で芝1800メートルというところも同じである。東京と阪神で舞台は違うが、まぐれでは勝てないところできっちり勝ち上がった。
GⅠに出走するような馬がゴロゴロいる中で、新馬戦ぐらいは堂々と人気に応えて勝ち上がらないと厳しいのかもしれない。
予想参考データ③ 前走重賞勝ちの取捨選択
共同通信杯はどちらかといえば叩き台か、皐月賞やダービーから逆算し体質が弱い馬が使うレースである。なので、今年のように重賞1着馬が2頭も使うとなると難しくなる。
なぜなら、過去10年で前走重賞1着馬が3着以内に来たのは2012年のディープブリランテと2014年のイスラボニータしかいない。
いずれもクラシック競走を制し、同じ舞台で行われた東スポ杯2歳ステークスを勝っていた。同じ舞台で改めて走ればそれなりに結果が出たということだろう。
朝日杯を勝ったアドマイヤマーズ、京都2歳ステークスを勝ったクラージュゲリエ。これまでの傾向と比較すると不安が残ることは間違いない。
2019年の危険な人気馬は?
クラージュゲリエは京都2歳ステークスを勝利し人気に支持される見込みだが、直線が短いところでしか走っておらず、直線が長いところでどうか。共同通信杯の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、フォッサマグナは2つ目の消しデータに合致してしまっている。前走主要4場以外で走った馬は3着以内に入っておらず、1400メートルからの距離延長もどうか。
反対にダノンキングリーは危険なデータに一つも当てはまっていない。新馬戦では4着までの馬が勝ち上がるなどレベルが高く、前走はコンマ6秒差をつけての圧勝だった。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ダノンキングリーと言えそうだ。