2018年10月21日、京都競馬場で菊花賞(GⅠ/芝3000m)が行われる。出走予定馬には、皐月賞とダービーで存在感を見せたエポカドーロ、新潟記念を勝ったブラストワンピース、セントライト記念を制したジェネラーレウーノなどがいる。勝負するなら夏以降に活躍した馬、その代表格がメイショウテッコンである。
メイショウテッコンの前走は神戸新聞杯だったが、前半1000メートルを61秒9で逃げ、スローの展開に持ち込む。先頭で最後の直線に入ったが、さすがはダービー馬ワグネリアン、中団待機から抜け出して勝利を飾った。メイショウテッコンにはエタリオウにも差されたがそれでも3着を確保し無事に権利を獲得した。ラジオNIKKEI賞を勝っており賞金的にも足りていたが、神戸新聞杯で3着以内をキープした事実が大きかった。
2006年にメイショウサムソンで三冠を狙ったが、ソングオブウインドに差されて三冠の夢は消えた。干支がグルリと一回り、メイショウテッコンで何とか菊花賞のタイトルを奪取したいが、果たしてどうなるか。
目次
要素① 京都競馬場との相性
京都競馬場とは相性が良く、これまでに3戦して2勝している。唯一の着外は京都新聞杯だが、前半1000メートルを58秒台で逃げて、それでも勝ち馬からコンマ4秒差の5着に踏みとどまったと言える。タイムはこれまでの歴代2位タイで、1位は2012年の京都新聞杯だが、奇しくもこの時に逃げたのはメイショウカドマツでこの馬も5着だった。地力がなければ5着に踏みとどまれない。
しかも京都で倒した相手は1月の梅花賞は菊花賞で人気を集めるエタリオウ、5月の白百合ステークスでは先週の秋華賞4着のサラキアとまずますのところを倒している。
菊花賞は逃げがそこまで残るわけではないが、番手につけた馬が勝ちやすい。ラジオNIKKEI賞では番手につけてトップハンデを背負いながらも快勝したことから自在性はある。結果を出しているのは京都の外回り、逃げてもきちんと残すあたりは好感が持てる。春に活躍した馬たちとも対等にやれる。チャンスは十分にあるだろう。
要素② 松山弘平騎手との相性
菊花賞は何より折り合いが問われる。この折り合いはテン乗りではなかなかつかみ切れず、それが結果にも出ている。過去10年はいずれも継続騎乗だったコンビが勝っている。過去の事例を見ても結果的にはテン乗りでもその前に騎乗しており、完全なテン乗りではない。どれだけコンビを組んだかが菊花賞では問われやすい。
そういう意味ではメイショウテッコンに騎乗する松山弘平騎手は京都新聞杯から菊花賞まで乗り続けており、メイショウテッコンのことは熟知している。しかも、逃げでの競馬を行い、それなりに折り合いをつけることに自信はあるはずだ。松山弘平騎手は去年皐月賞を勝つなど、クラシックで結果を出してまた1つ階段を登っている。松山騎手が騎乗してから結果が安定しているのもプラスだ。
要素③ 血統面での裏付け
メイショウテッコンの母エーシンベロシティは地方で13勝を挙げているが、佐賀での連勝によるもので大井のC1クラスで勝利する程度の馬だ。母父レモンドロップキッドはベルモントステークスを勝った馬で、産駒には芝の12ハロン、2400メートルのGⅠで勝った馬もいる。母の兄弟には芝で実績のある馬もおり、単なるダート血統とは言い切れない。むしろパワーがあるとみていい。
父マンハッタンカフェは2001年の菊花賞で豪快な差し切り勝ちを見せ、有馬記念も勝ってみせた。天皇賞春を制したヒルノダムールなど長距離でも存在感を見せるが、距離が短いところでも結果を残す。リーディングサイアーになるなど、オールマイティーな血統と言える。それぞれに足りない部分はあるかもしれないが、うまくそれを補っている印象を与える。だからこそ、逃げ粘りが効く。3000メートルもなんのそのといったところか。
まとめ
ラジオNIKKEI賞をトップハンデで制したことは大きい。タイムもハンデを考慮すれば相当優秀なタイムと言える。神戸新聞杯組が強く、3着以内に入っている馬はかなりの確率で来ているなどメイショウテッコンにはいいデータだ。
それでいてジェネラーレウーノやエポカドーロなどに人気が集まり、5番人気程度になることが予想される。エポカドーロが神戸新聞杯で控えたが、今回はどうか。メイショウテッコンは逃げてもいい競馬はするが、番手でも十分やれる。
もちろんいい枠を引いて楽して前に行ける環境がいい。外枠だとすぐに坂があるので大変だ。最も強い馬が勝つと言われる菊花賞だが、崩れることなく、着実に結果を残すメイショウテッコンが最後の一冠をゲットする可能性は大いにある。