2019年5月26日、東京競馬場で東京優駿・日本ダービー(GⅠ/芝2400m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるサートゥルナーリア、ダノンキングリー、ヴェロックス、アドマイヤジャスタ、ランフォザローゼスらの中で危険なのはどの馬か。しっかり考察していこう。
なお、特に明記していない場合は過去10年のデータを対象とする。
目次
日本ダービーの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着1回、3着3回と、信頼度はそれなりにあるが、単勝2倍台の信頼度は意外と高くない。
2番人気は2勝、3番人気は3勝と勝ち馬は上位人気から出やすいが、意外と伏兵馬が出やすく、配当的に平穏にはなりにくい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 皐月賞組の取捨選択
前走皐月賞(9- 7- 4-65)
勝率 10.6% │ 複勝率 23.5%
オークスにおける桜花賞もそうだったが、基本的には皐月賞組を無視できない。必ず1頭は皐月賞組が絡むので、そこを無視して馬券を買うと痛い目を見る。
問題は皐月賞組の傾向なのだが、まずコンマ5秒以内の負けで5着以内の馬、ここは高確率で来るので無視は絶対に出来ない。
そして、3番人気までの馬。こちらは惨敗しようが1秒以上負けようが関係ない。皐月賞で人気になった馬はそれだけの素質があり、単に中山が合わなかった可能性が高い。
今年は皐月賞3着ダノンキングリーまで、3頭しか該当しない。サートゥルナーリア、ヴェロックス、ダノンキングリー、この3頭の中で1頭以上が3着以内に入ることになる。
予想参考データ② 別路線組の取捨選択
オークスでは別路線組で過去10年来なかったスイートピーステークス組が台頭するなど波乱はあったが、フラワーカップからの参戦だったコントラチェックが負けるなど、基本的には過去10年の傾向は正しいとみるべき。
過去10年では京都新聞杯、青葉賞、プリンシパルステークス、この3つのレースしか来ておらず、しかも今年のプリンシパルステークスは中止順延の影響がある。
京都新聞杯と青葉賞に特化して考えると、京都新聞杯は明確で、2着に差をつけた1着のみ、青葉賞は1着もしくは差のない2着まで。
例外としては2014年3着のマイネルフロストが青葉賞3番人気6着だったが、こちらはコンマ2秒負け。負けるにしても少しでも差のない姿を見せたい。
予想参考データ③ 上がりの脚は信用できない
上がり3F 1位(2- 1- 2-7)
勝率 16.7% │ 複勝率 41.7%
オークスでは複勝率9割超えだったが、ダービーはなんと複勝率4割程度と、傾向は異なる。後方からの成績は複勝率1割に満たず、直線だけの競馬ではどうにもならない。
2013年のキズナのような例外もあるが、この時は33秒台の鋭い脚を見せた。凱旋門賞でも惜しい競馬をしたように、それだけの逸材でないと厳しい。
特に今年の東京競馬場は前が残りやすく、しかもタイムが速い。今週は大雨からの季節外れの猛暑の予定で、タイムが速くなりやすい。
先週のオークスは2分22秒台、古馬の一線級のタイムが出た。そんな中で後方からゆったり走って差し切ろうなんて、よほどの名馬でないと難しい。
2019年の危険な人気馬は?
アドマイヤジャスタは1つ目の消しデータに合致している。皐月賞で惨敗、しかも2ケタ人気ではなんとも。サートゥルナーリアにホープフルステークスでは肉薄していたが、いかんせんダービーで好走するには材料が乏しい。
反対にランフォザローゼスは危険なデータに一つも当てはまらない。青葉賞は差のない2着、エタリオウのように2着が目立つが、東京コースで勝つなど面白い存在と言える。騎手も厩舎も悲願のダービーをここ数年でとっており、これまでの分を取り戻す勢いだろう。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ランフォザローゼスと言えそうだ。