2020年7月26日、新潟競馬場でアイビスサマーダッシュ(GⅢ/芝1000m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるライオンボス、ラブカンプー、ジョーカナチャン、ダイメイプリンセス、モンペルデュらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
アイビスサマーダッシュの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は7勝、2着は1回、3着はなし。人気の信頼度が非常に高く、2倍台以上の支持は連対率100%だ。
穴馬が飛んでこないため、狙うにしても中穴狙いだが、過去10年で馬連50倍以上が1回もなく、大きく狙うにはどうか。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 牝馬の取捨選択
牝馬(5- 5- 5-52)
勝率 7.5% │ 複勝率 22.4%
牡馬とセン馬、牝馬、この2つで分けた場合、実は1着から3着まで全く同じ数字が並び、着外の数で牝馬が優勢となっている。
ここ4年は牝馬が2頭絡み、過去10年でも必ず1頭は3着以内に入っている。韋駄天ステークスで勝ち負け、もしくは2勝クラス1着、オープンでコンマ5秒負けまでなど、これが基準に。
今年は牝馬が10頭以上出ており、絞りがいがある。クリアしてるのがアユツリオヤジ、クールティアラ、ジョーカナチャン、ダイメイプリンセス、ビリーバー、ラブカンプー。ただ、勝ったライオンボスが斤量減で臨めるため、韋駄天ステークス組は総じて厳しいか。
またラブカンプーは斤量5キロ増で、特別勝ちが数えるほどしかない藤田菜七子騎手が騎乗する。牝馬で狙うとすれば、ダイメイプリンセスか。
予想参考データ② 人気薄や惨敗からの巻き返しは難しい
着順別の成績を見ると、5着以内に入っていた組が中心部であり、着外、特に10着以下はなかなかに厳しい結果が出ている。人気別でも同じで、10人気以下だった馬も厳しい。
前走どれだけ負けたか、着差別を結果を見ても1秒以内の負けだった馬から勝ち馬が出ており、1秒以上の大敗は連対すらない状況だ。
アユツリオヤジは、勝ってはいるが12人気、ラブカンプーも勝ってはいるが13人気。これを見る限りでは連対も厳しい結果になっても不思議ではないが果たして。
予想参考データ③ ダッシュ力のある馬
直線競馬での脚質別の結果を見る限りでは、逃げ先行が優秀で、後方待機組は非常に厳しい結果が出ている。前に行って粘りこめるタイプがチャンスがある。
もう1つは上がり3ハロンのタイムだが、2017年、11番手から巻き返したラインミーティアは次元の違う脚で差し切ってみせた。31秒6というタイムは過去10年で、3着以内に入った馬の中で最速だ。
31秒台の脚があれば10番手ぐらいでもいいだろうが、そうでない場合はダッシュ力のある馬。それを踏まえた上で探すべきだろう。
2020年の危険な人気馬は?
ラブカンプーは人気になる見込みだが、やはり5キロ増はあまりにも厳しい。韋駄天ステークスも51キロで、ライオンボスからコンマ6秒負け。ライオンボスは500グラム軽くなり、ラブカンプーは5キロ重くなる。絶好の条件で負けた以上、すぐに挽回できるとは思えない。アイビスサマーダッシュの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、モンペルデュは3つ目の消しデータに合致している。これが初芝のモンペルデュ、直線競馬の名手西田雄一郎騎手が乗るのは怖いが、さすがに初めての芝ではどうか。
反対にライオンボスは危険なデータに一つも当てはまらない。前走はかなりのハンデを背負って勝ち、別定戦のため、この時の相手は軒並み斤量が上がる中で、ライオンボスは軽くなる。韋駄天ステークス組の中では決着がついている。あとは他の馬にケチがつく中、この馬には全くつかない。心配は鞍上であり、勝ちきれない可能性もあるが、さすがにここでは勝たなければならない。人気馬の中で最も不安要素が少ないのは、ライオンボスと言えそうだ。