2021年7月25日、新潟競馬場でアイビスサマーダッシュ(GⅢ/芝1000m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるモントライゼ、ライオンボス、オールアットワンス、タマモメイトウ、ロードエースらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
アイビスサマーダッシュの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は7勝、2着は2回、3着はなし。意外や意外、1番人気が鉄板級のレース。人気ならば素直に買えということか。
単勝50倍以上の馬は3着以内にも絡まず、大穴を狙うのは無茶か。取捨選択をして吟味をしていきたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 韋駄天S組の取捨選択
前走韋駄天S組(3- 4- 1-20)
勝率 10.7% │ 複勝率 28.6%
前走新潟と中京組がそれぞれ4勝ずつ。直線が長い競馬場を使った馬たちが活躍しやすい傾向にあるが、その1つが韋駄天ステークスである。
比較的傾向ははっきりしており、韋駄天ステークスで5番人気以内かつ2着以内。それ以外では3番人気以内でコンマ3秒以内の負けだった馬が該当する。非常に絞りやすい。
韋駄天ステークス1着だったタマモメイトウは前走14番人気、ライオンボスは1番人気だったが1秒以上の大敗、ロードエースは人気で該当せず。韋駄天ステークス組はデータ上では全切りでもいい。
予想参考データ② 牝馬の取捨選択
過去10年で牡馬+セン馬、牝馬それぞれ5勝ずつ。頭数を考慮すれば牝馬の方が期待値は高くなる。ここ5年は牝馬が3着以内に2頭入っており、無視はできない。
韋駄天ステークスを使っている馬もいるが、比較的右回りの競馬場を使っていた馬が多かった。条件クラスで勝利していた馬が目立ち、牝馬は格より勢いという格言を地で行く。
前走1着の馬は牝馬でいないが、調子でいくならオールアットワンス、グレイトゲイナーは面白いか。
予想参考データ③ 人気馬たちの前走レベル
オールアットワンス、モントライゼの前走は葵ステークスだった。前半33秒2という結構速いタイムで突っ込み、それを一拍おいて2番手で先行したレイハリアが勝つ。オールアットワンスは先行していたが最後伸びきれず。逃げずに中団待機のモントライゼは末脚で少し見せ場を出し切れなかったか。
ただし、葵ステークスの斤量差3キロは、ここでは2キロとなる。1馬身に満たない着差だったため、この1キロはかなり大きい。これならばモントライゼを上に見てもいい。
ライオンボス、タマモメイトウ、ロードエースらの前走は韋駄天ステークスだった。ノンライセンスが果敢に突っ込んだ結果、33秒2で、結果的に前目が崩れやすくなった。タマモメイドウは後方にいたが、流れに恵まれて最後に差し切った。ロードエースは5番手にいたが、伸びきれず。ライオンボスはハイペースに巻き込まれてしまった。
韋駄天ステークスはハンデ戦だったが、タマモメイトウとロードエースは斤量差1キロからイーブンとなる。タイム差を考えると微妙でタマモメイトウがまだギリギリ残しているようにも見えるが、ライオンボスとの斤量差がかなり縮まるため、意外と差はなく、ライオンボスが巻き返しても不思議ではない。
2021年の危険な人気馬は?
タマモメイトウは人気になる見込みだが、前走は14番人気からの1着で、たまに穴をあけるが、好走が続かないタイプ。斤量は3キロ増と前走並のパフォーマンスを期待するのは酷か。アイビスサマーダッシュの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ロードエースは3つ目の消しデータに合致している。芝でもやれるところを見せたが、稍重でのパフォーマンス。良馬場ならどうか。
反対にモントライゼは危険なデータに一つも当てはまらない。開幕週なので内も外も関係ないので、6番枠は問題ない。距離が短い方がよく、朝日杯でもスタートの良さを見せていた。斤量53キロも魅力であり、川田将雅騎手に手は変わるが、心配はいらない。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、モントライゼと言えそうだ。