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2018年12月9日、香港・シャティン競馬場で香港ヴァーズ(GⅠ/芝2400m)が行われる。日本からはクロコスミア、リスグラシューの2頭が参戦し、パキスタンスターやイーグルウェイが香港馬として対峙する。ステイゴールドのラストランとなった香港ヴァーズの感動が懐かしいが、今年はどうか。

過去10年の傾向を見ると香港ヴァーズだけは地元馬は弱い。そもそも2400メートルのレース自体そんなに多くなく、主流は2000メートルだ。ブリーダーズカップターフや凱旋門賞、メルボルンカップの上位馬が参戦し勝利を収める。ジャパンカップとは対照的な姿がここにある。

香港馬の取り扱い、ヨーロッパから来た馬のレベルなどを見て、日本馬が勝てそうかどうか、そこを探りたい。


データ① ヨーロッパ馬の取捨選択

過去10年の前走別成績を見ると、ブリーダーズカップターフ組、ジャパンカップ組などが目立つ。ここ数年は国際GⅠで結果を出していた馬が上位に食い込んでいる。本来はこういう馬たちにジャパンカップに来てほしいがもはや旨味はなく、この流れは仕方ない。それなりのレベルの馬が集まることから、本来であれば自国のGⅡやGⅢ程度でドヤ顔をされても困ってしまう。

ところが、今年はそこまで一流が揃ったという感じがしない。総大将となりそうなのはヴァルトガイストだ。凱旋門賞4着であり、前哨戦だったフォア賞やサンクルー大賞を勝利するなど2400メートルでの実績はダントツだ。ただブリーダーズカップターフでエネイブルに10馬身以上の差をつけられた惨敗では強調しにくい。意外と面白そうなのはサルウィンやラトローブだ。狙いは斤量減。2頭とも2.5キロ減なら狙ってみたい。

データ② 香港馬の取捨選択

パキスタンスターやイーグルウェイなど有力馬が揃い、人気になりそうな印象だが、この10年で唯一勝った香港馬2013年のドミナントを参考にすると2400メートルになると途端に強い競馬をしたことが分かる。チャンピオンズ&チャターカップが唯一の2400メートルGⅠのようだが、それまで着外ばかりなのにここだけは結果を出すという馬だった。適鞍が2400メートルだったということだろう。そういう馬でないと厳しいかもしれない。

パキスタンスターはチャンスがある。例のチャンピオンズ&チャターカップで今年勝利を収めた。2400メートルはここだけでしか走っていない。今シーズンは3戦いずれも苦戦しているが、ビュイック騎手に乗り替わる。クイーンエリザベス2世カップでは勝利している。ドミナントと傾向は同じだ。イーグルウェイは前走は勝ったが好騎乗によるもの。意外とこの距離では差をつけられることが多く消したい。他の香港馬も消しだ。

データ③ その他データあれこれ

レーティングで見ると、ヴァルトガイストが122でトップ、パキスタンスターが2番手の120、その次がサルウィンと牝馬のアローワンスを追加したリスグラシューの117となっている。力量的にはヴァルトガイストが抜けたイメージだが、いかんせん前走が2秒以上の大敗。今回に限ってはレーティングをそこまで意識しなくていいだろう。

ブックメーカーのオッズは割れている。1番人気のヴァルトガイストで4倍台だ。ミラージュダンサーが意外と人気だ。ただイギリスのGⅢで勝ち切れない馬がどうかという見方はある。ムーア騎手が乗るからその人気と言えなくもない。これが初めてGⅠ。ちょっと荷が重いのではないか。3キロの斤量減は気になるが、いくら何でもいきなり走ることを期待するのは酷に感じる。

まとめ

リスグラシューとクロコスミアについて書くと、リスグラシューはエリザベス女王杯の距離が限界、というよりモレイラ騎手がうまく立ち回った。本当は香港マイルや香港カップが良かったかもしれないが、招待されたのはここ。オークスではコンマ8秒差。マジックマンのモレイラ騎手に期待するしかないか。

クロコスミアは父がステイゴールドなので血統的には面白く感じる部分もある。ただ兄弟はみんな短いところで結果を出すなど、母親のベースは短距離方面。エリザベス女王杯2年連続2着なので距離は大丈夫そうに見えるが、うまく逃げさせてくれるかは疑問だ。そうなると2頭とも厳しいレースを強いられることは確実だ。海外競馬の馬券発売では結構売れるかもしれない。ただシビアに考えると泣いて馬謖を斬るという選択は考えるべきだろう。

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