名牝への第一歩を踏み出したい。
2017年12月10日、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(GI/芝1600m)が行われる。近年の優勝馬にウオッカ、ブエナビスタ、アパパネなどの名牝が名を連ねる注目の一戦。
そのうちの1頭であるブエナビスタの娘・ソシアルクラブが、母と同じように抽選を突破して2歳女王決定戦へ駒を進めてきた。
目次
◆期待① 日本屈指の良血
母ブエナビスタは、言わずと知れた名牝。2008年にこのレースを制し、桜花賞、オークス、ヴィクトリアマイル、天皇賞(秋)、ジャパンCとGIを6勝。2010年には年度代表馬にも輝いた。
母のきょうだいには、2011年に同じくこのレースを制したジョワドヴィーヴルのほか、アドマイヤジャパン、アドマイヤオーラ、トーセンレーヴ、サングレアルと重賞勝ち馬がズラリと並ぶ。
さらに祖母ビワハイジは1995年の優勝馬(当時は阪神3歳牝馬S)。ソシアルクラブには、史上初となる母子3代での同一GI制覇がかかる。
◆期待② 強運の持ち主
母ブエナビスタは17分の6、その半妹ジョワドヴィーヴルは15分の6の抽選をくぐり抜けて栄冠を手にした。ソシアルクラブも12分の9の抽選を突破。ここまでは母や叔母と同じ道を辿っている。
◆期待③ デビュー戦で見せた素質の高さ
京都芝1600mの新馬戦を快勝。スローペースで走破タイムは1.36.9と平凡だったが、そのレースぶりは圧巻だった。
出負け気味のスタートで道中は後方から。直線でも前をカットされるシーンがあったが、外に持ち出されてエンジンがかかってからは驚異的な切れ味を披露し、とても届きそうにない位置から豪快に差し切った。
ラスト1Fのラップは推定10秒台。その爆発力は偉大な母を彷彿させた。素軽く伸びのあるフォームをからも、将来性は間違いなく高い。
◆期待④ 鞍上はこのレース得意
鞍上の福永騎手はジョワドヴィーヴルで優勝したほか、2002年ピースオブワールド、2010年レーヴディソールと、このレースで史上最多の3勝を挙げている。
GI20勝のうち11勝を牝馬とのコンビでマークしているように、牝馬に騎乗したときには頼りになるジョッキーだ。
◆不安① キャリア1戦
ただ、今年のメンバーでは唯一のキャリア1戦。重賞で揉まれてきた馬が多くいる中にあって、キャリアの浅さはやはりマイナス材料だ。
史上、キャリア1戦でGIを制したのは、ジョワドヴィーヴルとリオンディーズ(朝日杯FS)のわずか2頭。そこにジョワドヴィーヴルの名があるのは救いだが、上位人気は確実で、妙味には欠けるか。
◆不安② 完成はまだ先
初戦の内容を見てもまだ粗削りな部分が目立ち、器用さにも欠ける感じがある。1週前追い切りに跨った福永騎手も「トモを使い切れていない」と話していたように、完成はまだ先だろう。
逆にそんな状態でも勝ってしまうようなら、とんでもない器ということになるわけだが……。
◆不安③ 初戦のレースレベルに疑問
初戦のレースレベルは低いと言わざるを得ない。勝ちタイム1.36.9はスローペースだっただけに仕方のないところだが、クビ差の2着だったゴルトキルシェが続く未勝利戦で5着に敗れるなど、ソシアルクラブが負かした中に勝ち上がった馬は1頭もいない。
◆まとめ
底知れぬ魅力を秘めたソシアルクラブ。ここを勝つようなら、牝馬クラシック戦線の主役に踊り出ることは間違いない。祖母、母に続いて歴史に名を刻み、輝かしい未来を切り開くことができるだろうか。