2017年12月10日、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF/GI/芝外回り1600m)が行われる。
ロックディスタウン、ラッキーライラック、コーディエライト、ソシアルクラブ、マウレアらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?
来年の牝馬クラシック路線を占う上でも重要な一戦。
ここでは今回の出走予定メンバーの中で有力馬の一頭であるリリーノーブルに注目してその根拠などを述べていく。
目次
期待① 前走の勝因
前走、11月26日に京都競馬場1600m12頭立てで行われた2歳500万牝馬限定の白菊賞に単勝2.8倍の1番人気に堂々支持されて出走した。
リリーノーブルはスタートしてから馬なりで好位につけ、道中もスムーズに流れに乗り、抑えきれないほどの手応えでインコースを追走する。
そして、直線も内に進路を取って切り込んでいくと一気の伸びを見せ、最後は余裕の走りで2着のスカーレットカラーに0.2秒差1馬身の差をつけ快勝した。
鞍上の川田将雅騎手も将来性が高いと絶賛するほどのレースぶりで、新馬戦に続いて連勝したことからも今後に期待ができるレースであった。
期待② サンデーレーシング
リリーノーブルの馬主はサンデーレーシングだが、阪神ジュベナイルフィリーズとの相性は非常によく過去10年でも2008年ブエナビスタ、2010年レーヴディソール、2011年ジョワドヴィーヴル、2015年メジャーエンブレムと4勝もしている。
通算でも18頭が出走しているが、4勝2着1回3着2回、勝率22.2%、複勝率38.9%と非常に優秀な成績であることからもサンデーレーシングの2歳牝馬にとって、このレースが大きな目標となっていることが伺える。
しかも今年はリリーノーブル以外にもロックディスタウン、ラッキーライラック、ソシアルクラブと上位人気に支持されそうな馬ばかり出走を予定していてリリーノーブルも期待の一頭というわけだ。
不安① 白菊賞組
レース内容は素晴らしいものであったが、白菊賞というレースに注目すると、過去10年で13頭が出走し、すべて掲示板を外すという惨憺たる結果となっている。
その中でも白菊賞1着馬をピックアップすると次の通り。
2008年 レディリュージュ 12番人気 10着
2011年 ラシンティランテ 3番人気 15着
2012年 ディアマイベイビー 8番人気 9着
2013年 レーヴデトワール 3番人気 9着
2015年 アドマイヤリード 6番人気 9着
2016年 ゴールドケープ 14番人気 6着
中1週での出走が2歳牝馬にはローテーションとして厳しいことが理由としてあげられるかもしれず、リリーノーブルにとっては不安材料と言わざるをえない。
不安② 馬体重
ルーラーシップ産駒らしい堂々とした体つきで初戦の新馬戦を502kg、白菊賞を498kgで出走したリリーノーブル。
しかしながら、阪神ジュベナイルフィリーズ出走馬を馬体重で分析すると次の通りとなる。
馬体重 | 着別度数 | 複勝率 |
---|---|---|
~399kg | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% |
400~419kg | 2- 0- 1- 12/ 15 | 20.0% |
420~439kg | 0- 1- 2- 34/ 37 | 8.1% |
440~459kg | 3- 5- 4- 38/ 50 | 24.0% |
460~479kg | 4- 3- 3- 39/ 49 | 20.4% |
480~499kg | 1- 1- 0- 22/ 24 | 8.3% |
500~519kg | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% |
集計期間:2007年 ~ 2016年
480kg以上で出走した馬で馬券圏内に入った馬はわずかに2頭。
2007年 レーヴダムール 8番人気 2着 480kg
2015年 メジャーエンブレム 1番人気 1着 494kg
2歳牝馬でこの時期に500kg前後の馬体はどうしても大きめで小回りがきかずこのような結果になっていることが想定できる。
まとめ
新馬戦、白菊賞と欠点は見られず将来的にも有望なリリーノーブル。
所属する藤岡厩舎のスタッフも白菊賞は余裕のあるレースであったこともあり、「ダメージも少なく回復も早い」とのコメントをしている。
多頭数の競馬は新馬戦(16頭立て)で経験しており、18頭フルゲートになるであろう阪神ジュベナイルフィリーズでも不安はない。
データから見ると不安材料のほうが大きいが、馬の能力から言えば楽しみのほうが大きい一戦だ。
これまでのように道中スムーズに進めて直線を迎えることができればリリーノーブルにもチャンスは十分にある。