2017年12月23日、阪神競馬場で阪神カップ(GII/芝内回り1400m)が行われる。サングレーザー、イスラボニータ、レーヌミノル、モズアスコット、シャイニングレイ、ダンスディレクター、ミスエルテらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
短距離競走体系の充実を図り、1200mが主戦場のスプリンターと1600mが主戦場のマイラーの双方が出走できるレースとして2006年に第1回が開催されたレースが阪神カップだ。
時期的にGⅠシーズンから離れていることや関東で1200mや1600mの適鞍があまりないこともあり、関西で行われる重賞としては珍しく過去11回の開催で関東馬7勝・関西馬4勝と関東馬が優勢なレースとなっている。
人気別でも単勝1番人気や3番人気が2勝ずつなのに対し、8番人気が4勝するなど荒れる傾向にある阪神カップを今回は第1回から昨年の第11回までのすべての結果を元としてデータ分析する。
目次
注目点① ステップレース・前走クラス
阪神カップ創設の意図通り、前走レース名は43レースにも及ぶが馬券圏内に絞ると次の12レースに絞られる。
前走レース名別集計 阪神カップ 過去11年
前走レース名 | 着別度数 |
---|---|
マイルチャンピョンシップG1 | 4- 7- 5-40/56 |
スワンステークスG2 | 2- 0- 1-10/13 |
京阪杯G3 | 1- 2- 1-27/31 |
オーロカップH | 1- 0- 1-14/16 |
キャピタルステークス | 1- 0- 0-11/12 |
スプリンターズステークスG1 | 1- 0- 0-11/12 |
ジャパンカップダートG1 | 1- 0- 0- 0/ 1 |
JBC・スプリントG1 | 0- 1- 0- 1/ 2 |
フェブラリーステークスG1 | 0- 1- 0- 0/ 1 |
CBC賞G3 | 0- 1- 0- 0/ 1 |
チャレンジカップG3 | 0- 0- 1- 0/ 1 |
アンドロメダステークス | 0- 0- 1- 0/ 1 |
集計期間:2006年~2016年
ソート:着別度数順
また、前走クラス別でも集計すると少なくともオープン入りしていないと好走が難しいことがわかる。
前走クラス別集計 阪神カップ 過去11年
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
1600万下 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% |
OPEN特別 | 2- 0- 2- 43/ 47 | 4.3% | 8.5% |
G3 | 1- 3- 2- 36/ 42 | 2.4% | 14.3% |
G2 | 2- 0- 1- 14/ 17 | 11.8% | 17.6% |
G1 | 6- 8- 5- 56/ 75 | 8.0% | 25.3% |
集計期間:2006年~ 2016年
注目点② 年齢
他の重賞レースと比べると3歳馬から7歳馬まで万遍なく馬券圏内に入っていることがわかる。
年齢別集計 阪神カップ 過去11年
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
3歳 | 2- 3- 2- 27/ 34 | 5.9% | 20.6% |
4歳 | 2- 2- 4- 28/ 36 | 5.6% | 22.2% |
5歳 | 3- 3- 2- 43/ 51 | 5.9% | 15.7% |
6歳 | 3- 3- 1- 37/ 44 | 6.8% | 15.9% |
7歳 | 1- 1- 1- 16/ 19 | 5.3% | 15.8% |
8歳 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2006年~2016年
年齢は取捨選択の要素になり得ないことを把握した上で予想を組み立てなくてはならない。
注目点③ リピーターに注目!
ここまでの注目点以外でも前走距離を含めた距離適性や前走着順などで集計しても大きな傾向は見られなかった。
では、どの点に注目すれば的中に近づくことができるのだろうか。
キーワードはずばり「リピーター」だ。
過去11回のレースの中でキンシャサノキセキ、サンカルロ、リアルインパクトとすでに3頭連覇した馬がいるのは阪神カップの大きな特徴だ。
更には前走の人気や結果、当日の人気に関係ないのが大きな特徴である。
これは、阪神競馬場芝1400mの適性が大きな要素として占められていることの証とも言える。
キンシャサノキセキ
2009年 前走スワンステークス 4番人気 1着→阪神カップ 1番人気 1着
2010年 前走マイルチャンピオンシップ 3番人気 13着→阪神カップ 2番人気 1着
サンカルロ
2011年 前走スワンステークス 5番人気 4着→阪神カップ 4番人気 1着
2012年 前走マイルチャンピオンシップ 17番人気 7着→阪神カップ 3番人気 1着
2013年 前走スワンステークス 11番人気 8着→阪神カップ 6番人気 4着
2014年 前走スプリンターズステークス 17番人気 10着→阪神カップ 7番人気 13着
リアルインパクト
2011年 前走マイルチャンピオンシップ 1番人気 5着→阪神カップ 1番人気 10着
2013年 前走マイルチャンピオンシップ 13番人気 10着→阪神カップ 8番人気 1着
2014年 前走キャピタルステークス 4番人気 6着→阪神カップ 8番人気 1着
(参考)
ガルボ
2012年 前走マイルチャンピオンシップ 12番人気 16着→阪神カップ 14番人気 2着
2013年 前走マイルチャンピオンシップ 17番人気 14着→阪神カップ 10番人気 2着
もちろん、コースや距離適性だけでは如何ともしがたく、サンカルロの2013年・2014年のような結果になることもあるが、激走馬選定の際には大いに注目したい。
まとめ
今回の注目点から導き出される激走馬候補は次の3頭。
イスラボニータ 牡6 2016年 阪神カップ 2着
シュウジ 牡4 2016年 阪神カップ 1着
ダンスディレクター 牡7 2015年 阪神カップ 2着・2016年 阪神カップ 4着
今回が引退レースとなるイスラボニータは上位人気に支持される可能性が高いが、今年に入って1度も馬券圏内に入っていないシュウジや、鞍上が武豊騎手とのコンビに戻るものの7歳馬で敬遠される可能性のあるダンスディレクターは面白い存在だ。
翌日の有馬記念へ弾みをつける意味でも、じっくり予想を組み立てる際の参考にしていただきたい。