2018年4月21日、福島競馬場で福島牝馬S(GⅢ/芝1800m)が行われる。カワキタエンカ、トーセンビクトリー、レイホーロマンス、エンジェルフェイス、キンショーユキヒメ、シャララ、デンコウアンジュ、ワンブレスアウェイらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
2004年からスタートした福島牝馬Sは2006年に上半期の古馬牝馬のレース体系がGⅠ・ヴィクトリアマイルを頂点に整備された際に、既に行われた阪神牝馬Sなどと並んでヴィクトリアマイルに向けての重要な前哨戦として位置づけられたレースである。
ただし、福島牝馬Sの勝馬がヴィクトリアマイルで勝った例は過去10回では1回もなく2009年にブラボーデイジーが福島牝馬S1着→ヴィクトリアマイル2着となったのが唯一の好走例だ。
また、福島牝馬S出走馬で次走がヴィクトリアマイルだった馬は過去10回で延べ40頭いるが2着2回3着2回という結果となっている。
配当傾向を過去10回で見てみると、予想が難しい牝馬限定戦らしく単勝1番人気は2勝しかできていない上に、三連単はすべて万馬券で10万円以上の高額配当も5回ある。
2018年も従来の傾向通りの荒れた決着となるのか、一転して人気サイドの決着となるのか。
開催に際し、競馬TIMES編集部では予想の参考になりそうなデータをいくつかピックアップして紹介する。人気、血統、枠順、ローテーションなど、予想のポイントになりそうなデータとは?
対象データ:2007年~2017年に福島競馬場で行われた福島牝馬S(2011年は新潟競馬場で行われたため対象外)
目次
ポイント1 極端な人気薄は消し!
上半期の古馬牝馬限定唯一のGⅠ競走・ヴィクトリアマイルへ向けてのステップレースの一つである福島牝馬Sではあるが、上述の通り三連単は毎年万馬券となっている。それでも、人気別に集計した場合、二桁人気になるような馬の成績は奮わない。
人気 | 着別度数 |
---|---|
10-16人気 | 1- 1- 5- 62/ 69 |
人気 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
10-16人気 | 1.4% | 10.1% | 76 | 132 |
過去10回の結果から見ると、3着が5回もあり高配当を裏付ける結果の一つとなっているが、激走馬を絞り切るのは難しく基本的には消しと判定していいだろう。
※以降、9番人気以内を対象に集計
ポイント2 母父・ネイティブダンサー系は消し!
血統からポイントを探すと母父・ネイティブダンサー系の出走馬の成績が奮わない。ネイティブダンサー系の代表種牡馬はキングカメハメハで、本来競馬場・距離問わず比較的成績を残す万能型ではあるものの福島牝馬Sでは思うような結果を残せていない。
母父系統 | 着別度数 |
---|---|
ネイティブダンサー系 | 0- 0- 2-14/ 16 |
母父系統 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
ネイティブダンサー系 | 0.0% | 12.5% | 0 | 22 |
2012年に武豊騎手が福島競馬場に遠征して騎乗した単勝2番人気アカンサスの3着を最後に直近5年では1頭も馬券圏内に入ってきたことはない。
ポイント3 ノーザンファーム・社台ファーム生産馬は消し!
馬産地について注目をすると、本来クラシック戦線で中心となる芝コースでは社台グループが現在の日本競馬界を席巻しているが、牝馬路線ではその傾向は薄れ、ノーザンファーム・社台ファーム共に成績はいまひとつだ。
生産牧場 | 着別度数 |
---|---|
上記 | 0- 2- 2-23/27 |
生産牧場 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
上記 | 0.0% | 14.8% | 0 | 41 |
毎回複数頭数が出走していて単勝1番人気に4回も支持されたことがあるにもかかわらず、2008年3着、2009年7着、2010年12着、2014年10着といずれも敗退している。
ポイント4 レース間隔5週以下は消し!
レース間隔からポイントを探すと十分にレース間隔をとってきた馬のほうが優秀な成績を残している。牝馬ということもあり前走後陣営がじっくりと調整を進めてきた実力馬が結果を出せていることがわかる。
レース間隔 | 着別度数 |
---|---|
1-5週 | 0- 2- 0-17/19 |
レース間隔 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
1-5週 | 0.0% | 10.5% | 0 | 40 |
なお、過去10回で2着に入ったことがある2頭はいずれも前走1000万下を勝利して調子を上げてきた馬だった。
ポイント5 前走6番人気以内は消し!
通常、前走でも上位人気に支持されるような馬が引き続き好走することが多いが福島牝馬Sはまったく逆の結果となっていて、前走で何らかの理由で上位人気に支持されなかった馬が挽回していることがわかる。
前走人気 | 着別度数 |
---|---|
1-6人気 | 1- 7- 1-38/47 |
前走人気 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
1-6人気 | 2.1% | 19.1% | 5 | 44 |
2着は過去10回で7回あり当然といえば当然の結果だが、勝利したのは2013年のオールザットジャズのみだ。
ポイント6 前走先行・後方馬以外は消し!
前走で逃げや中団からのレースを進めた馬は福島牝馬Sでは活躍できない傾向にあり、小回りローカルコースである福島競馬場らしく先行脚質の馬、あるいは思い切って後方からレースを進められる馬が結果を残している。
前走脚質 | 着別度数 |
---|---|
先行・後方以外 | 0- 4- 3-29/36 |
前走脚質 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
先行・後方以外 | 0.0% | 19.4% | 0 | 47 |
逃げ馬を目標に前につけられる先行馬・レース展開によってはまりやすい後方馬を検討の際には優先的に考え、それ以外の馬は思い切って消しと判断していいだろう。
まとめ 消しデータを取り除くと?
では、ここまで挙げてきた消しデータを取り除くと、どのような成績になるのだろうか?
着別度数 |
---|
8- 2- 0- 4/14 |
勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|
57.1% | 71.4% | 564 | 220 |
なんと、好走率は7割超、回収率も約400%を弾き出し極めて優秀な成績となった。
今年はこのデータに該当する馬を軸に添えてみても、いいかもしれない。