2019年2月17日、東京競馬場でフェブラリーステークス(GⅠ/ダート1600m)が行われる。インティ、ゴールドドリーム、オメガパフューム、サンライズノヴァなど有力馬がいるが、その中でも注目は根岸ステークスを勝ったコパノキッキングだろう。藤田菜七子騎手の女性初GⅠ騎乗と初GⅠ制覇がかかる、大注目のレースだ。

コパノキッキングの前走は根岸ステークスだったが、マテラスカイが外枠から逃げるところ、コパノキッキングは7番手とやや前目で競馬を進める。最後の直線で外に出して追い込みをかけ、前を行くユラノトを交わして4分の3馬身差をつけて1着。前走は豪快な差し切り勝ちだったが、今回は前目でレースを進め押し切る強い勝ち方だった。

人気になるのは間違いないが、相手がかなり強化されて不安な面が色々とありそうだ。様々な観点からコパノキッキングの可能性を考えていきたい。


不安① ゲートの出が安定しない

フェブラリーステークスは基本的に追い込みも届くレースであり、ここ数年の逃げ馬はいずれも2ケタ着順に沈んでおり後方からでも問題はない。しかし、先行馬が勝ち星を量産し、しかもそれなりの脚を前にいる馬も使うため、上がり最速でも勝ち切れないことが多々ある。ここで不安になるのがコパノキッキングのゲートの出だ。元々逃げ馬だったが、4走前の藤森ステークスで出遅れ、そこで勝利を挙げて状況が変わる。

2走前のカペラステークスでは1200メートルのレースで出遅れ、かなり後方でレースを進めたが直線だけで差し切ってみせた。一方で前走や3走前は5番手あたりでレースを進めている。間違いなく5番手の方がフェブラリーステークスではチャンスが広がる。藤田菜七子騎手が万が一出遅れた時のプランを持ち合わせているのか、そこのあたりも不安にさせる要素だ。

不安② 鞍上の経験不足

藤田菜七子騎手は現在斤量1キロ減となり、やや苦戦している。2キロ減から1キロ減に切り替わる時期がしんどいと言われており、その洗礼を受けている。特別戦でも大して結果を残せておらず、1番人気できれいに勝たせる経験もなければ、特別戦で勝ったのはいずれも人気薄。重賞では常に人気薄の馬に乗せられ、人気通りの着順に落ち着く。この状況で大舞台で結果を求めるのは酷ではないか。

3月からは再び斤量は軽くなるが、勝ち星を量産するならその時期の可能性が高く、リズム的にも1キロ減の時は相当な苦労をしそうだ。スター性がある騎手なので、初重賞がGⅠというのも十分に考えられる。しかし、取材攻勢に晒される中で緊張しない方が難しい状況で、特別戦ですらなかなか結果を出せないとなるとコパノキッキングがよもやの出遅れなどになった場合に冷静な対応は出来るだろうか。

期待① 血統面は全く問題なし

コパノキッキングはこれまで1200メートルや1400メートルを中心に使っており、根岸ステークスでは距離不安も指摘されたが結果は見ての通り。しかし、1600はさすがに長いという見方は変わりがない。血統面で見ると父Spring At Lastはダート6ハロンから9ハロンまでに勝ち星があり、特にダート9ハロンでGⅠ勝ちがあるので少なくとも父親から短距離馬しか出ないような印象は感じられない。

母Celadonの半兄にモエレジーニアスがおり、函館2歳ステークス勝ちとダート1800メートルで行われた北海道2歳優駿で2着がある。血統的に母方の血もそこまで短距離にシフトしているというわけではなさそうだ。血統面から考えると距離が足りないと決めつけるのは早計か。

まとめ

藤田菜七子騎手に白羽の矢を立てた馬主のDr.コパ氏の英断は素晴らしい。普通は一線級の騎手を乗せて勝つ確率を高めたいと考えるが、そのようなことはしない。騎手など人にこだわるところがコパ氏らしく、これまでにコパ氏の馬を何回も勝たせてきた藤田菜七子騎手からすれば結果を出したいところだろう。ただ悲しいかな、人間はやる気が強すぎると空回りをするものである。

コパノキッキングの場合、前目でレースが出来れば十分に勝機はある。後ろではノンコノユメやモーニンといったコパノキッキングと同じかそれより上の力量を持った馬がいる。ここと脚比べになるのはしんどい。藤田菜七子騎手はスタートがうまい。これらをどのように考えるのか、まだまだ頭を悩ましそうだ。

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