2020年1月13日、中山競馬場でフェアリーステークス(GⅢ/芝1600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるアヌラーダプラ、シャインガーネット、スマイルカナ、ダイワクンナナ、ペコリーノロマーノらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
フェアリーステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が2勝、2着が1回、3着も1回。信頼度は高くなく、2倍台でも信頼度はそこまでではない。
単勝30倍以上の馬が4勝を挙げるなど、伏兵馬、大穴馬があっさり勝ってしまう、それがフェアリーステークス。取捨選択はきっちりしなければならない。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 最後の直線でどうにもならない
上がり3F 1位(1- 1- 2-7)
勝率 9.1% │ 複勝率 36.4%
大波乱が起きる時は得てして逃げ馬が勝つ時。一方、ここ最近は逃げ馬が残らないことが増え、以前のような大波乱決着にはなっていないが、1番人気は飛びやすくなった。
後方にいる馬は49頭中1頭しか馬券になっていない。先行馬は複勝率こそいいが未勝利。4コーナーは10番手まで、ポジションを2コーナーから押し上げてきた馬に勝機が巡る。
逃げる可能性が高いのは、鞍上が強気に先行することが多いスマイルカナか。だとすれば、4コーナーから押し上げたとしても、そこまで外を回さなくてもさばきやすいとみるが。
予想参考データ② 新馬よりも未勝利組が狙い
重賞ながら1勝クラスの馬ばかりが集まり、有力馬が軒並み除外した今年のフェアリーステークス。新馬組か、未勝利組か、残した数字などを見ると、わずかに未勝利組の数字がいい。
ただ、細かく分類すると、牝馬限定の新馬や未勝利を使っていた組の数字がいい。牡馬に勝ったから、ここでも勝負とはいかないのがフェアリーステークスの傾向である。
牝馬限定の未勝利勝ちの場合はコンマ1秒以上の差をつけて勝利していること、牝馬限定の新馬勝ちの場合は東京マイルの舞台で勝利していること。この2つがポイントだ。
予想参考データ③ 距離延長は勝てず
前走の距離別成績を見ると、マイル組、同距離の馬で9勝を挙げ、距離が変わらない方が明らかにいいことがわかる。距離短縮の場合は1800メートルで唯一勝利を挙げるが、2000メートルも悪くない。
その一方、1200メートル、1400メートルからの距離延長はからっきしで、45頭の距離延長組がいて未勝利に終わっている。特に1400メートルは32頭が挑戦し2着1回3着1回とボロボロ。
では、距離延長組が馬券に絡んだ傾向を見てみると、中山1200と東京1400の2パターン。勝利は必要なく、むしろ前走の距離では物足りないぐらいがちょうどいいのだろう。
2020年の危険な人気馬は?
アヌラーダプラは人気になる見込みだが、新馬戦と1勝クラスのメンバーがそこまで強かったわけではない。血統的な人気があるのかもしれないが、東京で披露した切れ味は冬の中山で機能するかは疑問で、人気になるようなら軽視すべきか。フェアリーステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ペコリーノロマーノは3つ目の消しデータに合致している。血統的に短い方がいい可能性があり、これまで1400メートルを使い、良績は左回りにあるとなると、全く舞台が違うところで一発を見せるというのは考えにくい。
反対にダイワクンナナは危険なデータに一つも当てはまらない。母ダイワスカーレットの成績は今更語るまでもないが、産駒は仕上がり早な馬が多い。冬場でいったん止まり、結構な時間を空けて再び走り出す馬が目立ち、この時期のレースならまだどうにかなるか。血統的にこの距離は短いだろう。しかし、タフな競馬になれば勝機は十分にある。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ダイワクンナナと言えそうだ。