2021年6月13日、東京競馬場でエプソムカップ(GⅢ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるアルジャンナ、ファルコニア、サトノフラッグ、シュリ、ヴェロックスらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
エプソムカップの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着は2回、3着は1回。抜けた人気になる馬はそれほど多くないため、平均的な信頼度と言えそう。
単勝万馬券の馬が3着に入ることはチラホラあるが、2着までを考えると、中穴レベルまでか。取捨選択は大事に行っていきたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 格と勢いなら格が大事
クラス別成績でもっともいい成績だったのは前走GⅡ組。過去10年で21頭が参戦し4勝。前走GⅢ組が過去10年で48頭参戦しながら1勝にとどまっているのを見れば明らかに格がモノを言いそう。前走3勝クラスは未勝利と勢いより格か。
傾向を見ると、前走GⅡの重賞で2着だった馬、もしくは5人気以内だった馬が来やすい。負けはコンマ7秒まで。ここまでで絞っていきたい。
マイラーズカップ2着のアルジャンナはズバリ条件に当てはまる。あとは前走金鯱賞のサトノフラッグ、8か月前の毎日王冠からの参戦となるザダル、京王杯SCを使ったエアアルマスも該当。穴を狙うならここからか。
予想参考データ② 圧倒的な4歳馬有利
4歳馬(7- 6- 3-17)
勝率 21.2% │ 複勝率 48.5%
ダービーが終わり、3歳馬も古馬との戦いに参戦できるようになったが、エプソムカップはさすがに3歳馬の出走は少ない。最もフレッシュなのは4歳馬で、成績的には無視禁物である。
傾向をチェックすると、実は前走重賞で3番人気以内だった馬が多く、しかも掲示板を外しているケースが目立つ。一方、オープン特別を1番人気1着で勝った馬がここでも勝ち負けになったケースもあり、狙うならいずれか。
ファルコニアは1番人気1着だが、3勝クラス。アドマイヤビルゴはここ最近大敗続きで、人気にも落ち気味。やはりここでもアルジャンナが該当した。
予想参考データ③ 人気馬たちの前走レベル
アルジャンナの前走はマイラーズカップだった。短距離戦レベルの前半の流れの中、アルジャンナは中団でマイペースに。前崩れは当然の中、上がり最速で突っ込んできたのがアルジャンナだった。ただ、位置取りの差もあって2着。タイム的には安田記念でも買いたくなるレベルである。1800は未勝利だが、2歳3歳の重賞で2着2回と3着1回なら守備範囲とみるべきだろう。
ファルコニアの前走は難波ステークスだった。前半はやや遅めで流れたからか、後半は驚愕の末脚合戦、上がり31秒台を繰り出す馬もいる中、32秒台前半で駆け抜けたスマートリアンとファルコニアが同着に。1800での実績は十二分だが、唯一左回りで走った中京の神戸新聞杯で惨敗。唯一の関東遠征であるスプリングステークスで4着。それ以外は馬券になっており、不安はその点。
サトノフラッグの前走は金鯱賞だった。ギベオンが逃げを打ち、そのまま逃げ切るという中京2000ならではの勝ち方を前に有力馬が軒並み沈んでいった。2番手にいたサトノフラッグもその1頭。全妹のサトノレイナスはマイルであれだけ走れているため、初の1800でも対応して不思議ではないが、東京よりも中山向きなので、そこも不安。
シュリの前走は谷川岳ステークスだった。平均ペースでシュリが逃げ、最後までマイペースを貫く。スマートリアンが追いすがるがきっちり残している。斤量2キロ差でスマートリアン同着Vだったファルコニア、3キロ差でコンマ1秒勝ちのシュリを考えるとシュリを上に見るべきか。ただ1800や左回りで取りこぼすことが目立ち、2回目の重賞でどうか。
ヴェロックスの前走は日経新春杯だった。決して速い流れではなかったが、馬場もあったのか、前目の馬は総崩れ状態でその中にヴェロックスやアドマイヤビルゴもいた。血統的に早熟なのか、古馬で成績を上げた馬はあまりいない。成長面という点で頭打ちだとすれば、ここで結果を出すのは酷にも見える。
2021年の危険な人気馬は?
ヴェロックスは人気になる見込みだが、ここ最近の競馬を見る限りではこれ以上の成長は見込めず、限界と見るべきか。新馬戦で大楽勝した時にコンビを組んだ浜中俊騎手への乗り替わりがどのように影響するかは楽しみだが、人気になるようならぶった切ってもよさそう。エプソムカップの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ファルコニアは1つ目の消しデータに合致している。川田将雅騎手はヴェロックスではなくファルコニアを選んでおり、先週の流れからすると本来はこちらを狙うべきだろう。ただ、格がモノを言いやすい舞台では、そちらをメインに考えた方がいいか。
反対にアルジャンナは危険なデータに一つも当てはまらない。前走で重賞でもやれることを証明した。不安はないわけではないが、他の馬にも不安要素がある以上、能力的に推してみたい。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、アルジャンナと言えそうだ。