6月14日に東京競馬場で開催されたエプソムカップ(GIII/芝1800m)は、絵2番人気のエイシンヒカリ(牡4)が逃げ切り勝ちを収めた。武豊騎手と鮮やかなレース運びで重賞初制覇を達成。いざ、秋のGI戦線へと乗り込む。
エイシンヒカリの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。
血統評価は?
血統評価は前走の都大路ステークスを勝った際の記事から抜粋する。
エイシンヒカリは父ディープインパクト、母キャタリナ、その父ストームキャットという血統。父ディープインパクト、母父ストームキャットといえば、13年の桜花賞馬アユサン、同年ダービー馬のキズナや、昨年のエリザベス女王杯を制したラキシスなど数々の活躍馬を送り出している配合だ。デビューが3歳の4月と遅れたこともあり、まだキャリアは7戦のみ(※エプソムカップで8戦目)。血統背景を考慮しても、まだまだ伸びしろを感じさせる。
距離適性はどうだろう。エイシンヒカリの母母父はカロで、13年の青葉賞を制したヒラボクディープと父、母父、母母父が同じ。つまり8分の7同血である。そのヒラボクディープは2400mのGIIを勝っていて、他のディープ×ストームキャットの出世馬も中距離重賞で活躍している。
ただし、この馬自身は気性面を考慮すると現状のベストはやはりマイルから2000mだと考えられる。ベスト条件は天皇賞秋か、あるいはマイルチャンピオンシップか。
エプソムカップの内容は……
エイシンヒカリが秋のGI戦線へ!路線は天皇賞秋やマイルチャンピオンシップか
この記事で触れられているように、レースの内容はまずまず濃かった。1番人気のサトノアラジンを退けたあたりはさすがの内容だった。
もっとも、GIとなるとさすがにレベルアップが必要になってくる。今回は武豊騎手が絶妙な手綱さばきで勝利に誘ったが、ゲシュタルトやアーデントが控えたことで自分のペースに持ち込めたことも勝因の一つだった。競りかけられたら、違った結果になったかもしれない。
ただし、大逃げだけでなく、溜め逃げでも勝てたことで戦法に幅が出てくる。パートナーの武豊騎手自身、「レースに幅が出ているし、これから強くなる馬。まだ1度しか負けていないんだから」と賛辞を送っている。
久々に出てきた強い逃げ馬。秋のGI戦線でも見せ場を作って欲しいところだ。
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