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日本馬のライバルとして――。

2018年3月31日、ドバイ・メイダン競馬場でドバイシーマクラシック(GⅠ/芝2410m)が行われる。日本からは2017年日本ダービー馬のレイデオロ、2016年の香港ヴァーズで勝利したサトノクラウン、モズカッチャンが出走予定だ。その中で最大のライバルとして立ちはだかるのがクロスオブスターズである。

クロスオブスターズは数多くの名馬を輩出した名門ファーブル厩舎に所属し、馬主は先日の高松宮記念で優勝したファインニードルの馬主であるゴドルフィンである。地元トバイでは絶対に負けられない。2017年の凱旋門賞では惜しくも2着に敗れたが、その実力は高い。G1のタイトルは2017年のガネー賞のみだが、力を着実につけてきており、この中では実力上位と見ていい。

クロスオブスターズを見ていく中で日本馬に大きく差を付けるいくつかのアドバンテージがある。また過去に対戦した日本馬との力関係を見ても、日本馬が上回れるかは微妙なところだ。海外競馬の馬券発売で日本馬にどれだけ人気が流れるかによっては、クロスオブスターズをそこそこいいオッズで買える可能性がある。今回はクロスオブスターズのアドバンテージに関して注目する。


アドバンテージ① レーティング

クロスオブスターズのレーティングは125ポンドとなっている。これはサトノクラウンのレーティング122ポンドよりポンド程高い。ちなみにキタサンブラックは2017年の有馬記念で124ポンドという数値を残している。レーティングだけで見ればキタサンブラック以上の評価となる。レイデオロは121ポンド、モズカッチャンは113ポンドだが牝馬のアローワンス4ポイントを加えて117ポンドだ。外国勢ではポエッツワードとアイダホが119ポンドとなっている。

レーティングで見ていけばクロスオブスターズ、サトノクラウン、レイデオロが120ポンドを超えている。その中でクロスオブスターズは3ポンドリードをしているわけだ。外国勢の中だけで見ればすでに勝負はついたようなものだ。これにクロスオブスターズには地の利、完全ホームが加わる。日本馬は遠征してレースを行う。環境を加味しても、レーティング以上の差をつけられてるといっても過言ではない。

アドバンテージ② サトノダイヤモンドとの対戦

クロスオブスターズはサトノダイヤモンドと2度対戦している。フォワ賞と凱旋門賞だ。クロスオブスターズはいずれも2着に敗れたが、サトノダイヤモンドには先着している。しかも凱旋門賞では明らかな大差をつけた。もちろんそれだけで日本馬との物差しにするには材料が足りないかもしれないが、全く勝負にならなかったことを考えればサトノダイヤモンドに適性がなかったか力がなかったか、そのいずれかである。もし力が及ばなかったとすれば、菊花賞や有馬記念を制したサトノダイヤモンドですら歯が立たなかったということを意味する。

実績面でいえばレイデオロはまだサトノダイヤモンドの域には到達していないし、サトノクラウンもまだそこまでではない。モズカッチャンもそれは同様である。クロスオブスターズを日本で走らせればまだわからないが、ドバイであれば条件は同じだから差をつけて勝つ可能性が高い。展開などはあるにしても、そこはゴドルフィンの主戦騎手であるバルザローナ騎手が乗る。下手なことはできない。

アドバンテージ③ 斤量3キロ減

海外競馬でよくあるのが、前走からの斤量が一気に減ってそのレースで好走するパターンだ。凱旋門賞でも古馬なら59.5キロを背負わされるように、ヨーロッパはかなりの斤量になる。クロスオブスターズの場合も前走は初めて60キロを背負わされた。それが今回は57キロでの出走だ。この3キロ減は非常に大きく、馬としても軽く感じるのは間違いない。

一方の日本馬はだいたい同じような斤量で臨む。特にレイデオロは前走の京都記念で57キロを背負い、直線で伸びきれずに負けている。斤量の影響よりも折り合いの影響が大きかったが、斤量が影響していないとは言い切れない。斤量が一気に減って好走するパターンは海外G1、特にヨーロッパを主戦にする馬に顕著に見られる。ヨーロッパの馬が日本に来る場合もこうしたことで激走することはよくある。

まとめ

これまでのドバイシーマクラシックと比較しても、全体的にメンバーが薄い。それだけ日本馬も勝つ可能性の高いレースであることは間違いないが、ヨーロッパの総大将となり得るであろうクロスオブスターズがこの中では頭1つ実力面ではリードしている。同じ厩舎で2017年のブリーダーズカップターフを制したタリスマニックと互角の競馬ができていることからも、GⅠはまだ1勝ながらもその実力は十分だ。

凱旋門賞2着の重みは大きく、レーティング125ポンドも納得である。前走オールウェザーを使った影響への心配もあるが、それでも押し切れるだけの実力を持っている。ブックメーカーだけを見ればクロスオブスターズが少し抜けた1番人気ではあるが、日本で購入する場合は日本独自のオッズとなる。その動向にも注目が集まる。

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