2018年11月10日、京都競馬場でデイリー杯2歳ステークス(GⅡ/芝1600m)が行われる。中京2歳ステークスを勝ったアドマイヤマーズ、すずらん賞を制したハッピーアワー、ドナウブルーの娘ドナウデルタなどが出走を予定する。なかなか次につながらないと言われてきたが、ここ数年は上位馬が活躍を見せている。
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは10年で2回、2着は4回あり、3着は1回、まずまずの成績だが勝ち切れないといったところか。2番人気は3勝とどちらかといえばこちらが信頼できる。基本的には少頭数になりやすく、意外と堅く収まる傾向にあるが、穴も時折出ている。
今年は頭数が少なく、先週の京王杯2歳ステークスと違って重賞ウィナーもいない。休み明けもいるなど波乱含みになる可能性は十分にあり、危険な馬は消していきたい。
目次
データ① ここでも格より勢い
デイリー杯2歳ステークスが最初の2歳GⅡだったが、それは2013年までの話。2014年からは京王杯2歳ステークスに譲っている。ここ4年は新馬戦や未勝利戦だった馬が目立ち、特に去年は3頭とも新馬戦の勝ち上がりだった。2015年3着のノーブルマーズを除き、残りはすべて1着というのも特徴的で、そのノーブルマーズもコンマ2秒負け。大敗を喫した馬には厳しい傾向にある。
サウジアラビアロイヤルカップ1秒負けのシャドウエンペラーやスズカカナロア、マイネルフラップ、ヤマニンマヒア、アズマヘリテージが該当する。登録馬10頭中5頭が消えるデータだ。どの馬にも敗因はあるだろうが、負け方が少し差がある場合に逆転するには紛れが必要だが、少頭数で紛れを期待する方が酷ではないだろうか。
データ② 少頭数ゆえの上がり勝負
少頭数になると、最後は上がり勝負になる。少頭数で消耗戦になるケースを想定するのが大変でまして2歳戦。今後の競馬に悪影響を与えるような乗り方はしないはずだ。上がり3ハロンで1位だった馬は過去10年で5勝2着3回3着2回、2位だった馬は3勝2着3回、3着2回と非常に優秀で上がりの脚が必要となる。追い比べになった時に切れ味を見せられるか、そこにかかっている。
さすがに今回は軒並み上がり3ハロンで1位を出す馬が揃っている。後方では差し届かないことから、後方で競馬をしてきた馬を消したい。後方で競馬をしやすいドナウデルタはちょっと厳しいか。良馬場で走ったことがないので何とも言い難いが、みんなでそれなりの脚比べとなる中、それを上回る末脚を見せないと後方から差し切ることは難しいだろう。モレイラ騎手が乗るが、よほど工夫しないと難しい。
データ③ その他データあれこれ
前走左回りの競馬場を使ったケースではこの10年で21頭出走しながら、わずか1頭だけ3着に来て、後は着外に沈んだ。しかもこの1回は新潟2歳ステークス3着という一定の実績がある馬によるもの。新馬勝ちのダノンジャスティスも引っかかた中、オープン特別勝ちのアドマイヤマーズも引っかかる。朝日杯を視野に入れた調整というコメントを調教師が出している。3か月以上の休み明けでここで無理をするのか。そこは疑問に感じる。
前走1番人気と2番人気だった馬の成績は9勝2着7回3着7回となっており、ここは無視できない。スズカカナロアは4番人気だったのでここは消し。しかも函館2歳ステークス組は秋の成績が今のところパッとしない。そこでコンマ6秒負けでは強調しにくいか。それでいて3か月以上の休み明けではどうか。
まとめ
ほとんどの馬が消えてしまう中で残ったのはハッピーアワーだ。勝ち上がりに手こずったが、常に安定した上がりの脚を使っており、すずらん賞でも出遅れながら最後はコンマ1秒をつける勝利だった。距離延長が気になるところだが、消耗戦にならない限りは心配いらないだろう。
ハッピーアワー以外は何かしらのケチがついたが、その中で探すとなればダノンジャスティスということになるか。ダノンの勝負服に中内田厩舎、川田将雅騎手の組み合わせはダノンプレミアムを思い出す。多頭数の中でうまくレースを進め、上がり最速の脚で完勝したのは見事だ。3か月半の休み明けは相当だが、調教技術は進んでいる。調教の動きや馬体重、そのあたりをチェックしておきたい。