(C)Yusuke Tsutaya

2018年11月11日、京都競馬場でエリザベス女王杯(GⅠ/芝2200m)が行われる。去年の覇者モズカッチャンやモレイラ騎手が騎乗するリスグラシュー、まだ底を見せていないノームコアなどが出走を予定するが、ここで注目なのは去年の2着馬クロコスミアだ。実力馬がここで巻き返す。

クロコスミアの前走は府中牝馬ステークスだった。カワキタエンカが軽快に逃げ、かなりのハイペースの中をクロコスミアは2番手で追走したが、先頭が最後まで11秒台のラップを刻み、明らかなハイペースでバテてもおかしくないところを何とか5着で踏みとどまった。内容はあったとみていいだろう。

活きのいい3歳馬や充実の4歳馬に目を奪われがちだが、クロコスミアにも十分勝機がある。去年モズカッチャンとタイム差なしの大接戦を演じた伏兵がリベンジを果たせるか、そこに注目だ。


要素① 負けて強しの内容

府中牝馬ステークスの勝ちタイムは歴代のタイムを見てもトップクラスにあたる。それだけペースが流れ続けたのが大きい。1分44秒台だったレースは2009年にあったが、この時に逃げた馬も2番手の馬もブービーとシンガリ負け。同じ位置にいたカワカミプリンセスは6着だった。コンマ5秒差の5着、しかもタイム差なし2着のリスグラシューより1キロ斤量が重かったクロコスミアは負けて強しと言えるのではないか。

京都記念やドバイターフ、札幌記念と一線級のレースに使い続けるなど他の牝馬とは違ってかなりしんどいレースばかりを使ってきた。府中牝馬ステークスは底力を見せる負け方だったこともあり、楽に先行できるここでは去年の再現で先行粘りこみという姿が見られてもなんらおかしくはない。

要素② リピーターレース

エリザベス女王杯はリピーターレースでもある。メジロドーベルやアドマイヤグルーヴ、スノーフェアリーの連覇もあったが、アパパネやヌーヴォレコルト、ラキシス、ミッキークイーンなども2年連続で好走している。勝ち馬に関しては人気落ちすることはないが、2着3着馬は翌年人気落ちすることが多い。アパパネやミッキークイーンも2年目は人気落ちしていた。クロコスミアもここは狙ってみたい。

クロコスミアの場合は非根幹距離で一定の成績を残しており、使われている距離も1800メートルが多く、そこでの勝ち鞍が多い。距離に関する不安はなく、血統面でもその心配はいらない。去年は府中牝馬ステークス1着だったことを思えば成績が落ちている印象を与えるが、その中身はむしろ今年の方がいい。マイペースに持ち込めばかなり強い。まさに去年のリプレイのようなレースをしたい。

要素③ 斤量は一切問題なし

クロコスミアと今年出走するレッドジェノヴァはいずれもワールドオールスタージョッキーズの2000メートルのレースを勝っている。牝馬が56キロの定量を背負い、2000メートル以上の牡馬混合戦で勝つこと自体珍しいが、そうした馬は重賞で結果を残す。レッドジェノヴァが京都大賞典で勝ち負けになったのは納得と言える。それだけ56キロで勝つということは大事なことだ。

面白いのがクロコスミアはこれまでに56キロを3回背負って2勝2着1回と好走を続けている点だ。特に去年の函館で行われた北斗特別でトップハンデ56キロを背負い、なんと昭和63年に打ち立てられて破られることのなかったレコードを上回るタイムで勝ってみせた。モズカッチャンのように初めて56キロを背負う馬とは違い、レコードタイムをマークするほど斤量56キロは問題なく、小さな体ながらも強靭なパワーを見せる。

まとめ

クロコスミアの人気はおそらく去年と同じくらいかやや人気が上回る程度で3歳勢、4歳勢に人気が集中する。しかし、距離的に2200メートルが長い馬が多くて3歳勢は一線級か微妙なところだ。それならば着順的に見栄えが悪いものの、その中身は評価できるクロコスミアが狙えるのではないか。鞍上の岩田騎手もクロコスミアをよく熟知している。

メンバーが分厚そうに見えて実際はそうでもなく、ヴィブロスもディアドラもアーモンドアイもいない。若干手薄であるここでクロコスミアの一発は炸裂する可能性がある。相手も大穴を連れてきてくれれば馬券的には最高だ。思惑通りにいくかどうかは別だが、上位馬が微妙な分、ここは狙っておきたい。

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