2018年12月2日、中京競馬場でチャンピオンズカップ(GⅠ/ダート1800m)が行われる。ゴールドドリームの回避は残念だったが、3歳勢のルヴァンスレーヴやオメガパフューム、海外からはパヴェルが参戦し面白いメンバーが揃った。その中での注目はノンコノユメだ。今年フェブラリーステークスを制し有力馬の一頭である。
ノンコノユメの前走はJBCクラシックだったが、ノンコノユメはゲート内で立ち上がるなど大きく出遅れる。サンライズソアが軽快に逃げ、ノンコノユメは4コーナーで15番手という絶望的な位置だったが、上がり最速の脚を見せ、ケイティブレイブからコンマ4秒差の4着となった。
スタートでの派手な出遅れは一時期のルーラーシップのようであり、追い込み方もまさしくそれである。ルーラーシップは3着が多かったが、ノンコノユメは4着が続く。チャンピオンズカップで狙うのは本当に得策なのか、そこを掘り下げたい。
目次
不安① 致命的な出遅れ
前々走のマイルチャンピオンシップ南部杯でも大出遅れを喫し、スタートの時点で1秒以上遅れてしまった。結果は4着だったが、出遅れた分がルヴァンスレーヴとのタイム差になった印象だ。東京競馬場のように豪快な追い込みが決まりやすい競馬場であればフェブラリーステークスのような毛㏍を生み出せるかもしれない。ところが、中京競馬場は基本的にダートは前が有利である。
2015年のチャンピオンズカップでは最後方から追い込みを決めて2着になったが、それ以降のチャンピオンズカップでは同じような競馬をして6着と9着だ。しかもタイム的に2着の時とほとんど変わらない。そうなると今年のジャパンカップのように前が止まらないとどうにもならない。それに加えて致命的な出遅れを連発させると買いにくい。
不安② 年を重ねて適性の幅が小さくなった?
距離適性を考えるとダート2000メートルのジャパンダートダービーでも勝っているのだからダート1800メートルでも問題はないと思いがちだ。しかし、年齢を重ねるとその適性が短くなるケースがある。JBCレディスクラシックを連覇したホワイトフーガは3連覇目をかけ臨んだが、相性が良かったはずの大井ダート1800メートルで惨敗を喫しそのまま引退した。ダート1800メートルがいつの間にか適性から外れていた可能性がある。
ノンコノユメの場合、チャンピオンズカップ2着以降の成績を見ると、2年前の帝王賞2着以降は長い距離で勝てていない。逆に根岸ステークスで勝つなど距離がやや短いところで勝利するなどマイルかそれより短いところに適性が出てきたことが考えられる。コパノリッキーのように思い切って短い距離を走ってみるのがいいかもしれないが、ここで勝ち切ることがあるのかは疑問だ。
不安③ 内田博幸騎手の中京適性
ノンコノユメに騎乗する内田博幸騎手は根岸ステークスで初めて騎乗し、根岸ステークスとフェブラリーステークスを連勝した。相性という面では抜群と言えなくもないが、いかんせん出遅れを連発させている。東京コースなら追い込みが決まるが、中京は決まらない。その時点でしんどいが、内田博幸騎手自体が中京でそこまで勝っておらず、アベレージも低い。中京競馬場で重賞に勝ったことすらなく、そこは不安が残る。
ダービージョッキーであり、存在感を見せる騎手であることは間違いない。大仕事をやってのける騎手でもある。しかし、どんな人間にも得手不得手はある。騎乗する回数が少ないにしてもアベレージが低い。ましてノンコノユメの適性的に合わないと来れば、ここで勝負するのは厳しいか。
まとめ
ゴールドドリームが抜けた今、3歳馬が1番人気になる可能性が高い。必然的にノンコノユメにも注目は集まるわけだが、よほど工夫をして乗らないと厳しい。とにかくスタートを決めて少しでも前に行くことだろう。それが出来ればここでの分析などは水の泡になり、さすがはノンコノユメ、内田博幸ということになる。しかし、出遅れはクセになることはルーラーシップの晩年を見れば明らかだ。
テイエムジンソクが回避し、ケイティブレイブが中団での競馬を覚えたことでサンライズソアの単騎逃げが見込まれる。これをどうノンコノユメが直線で捌くか。そこがどうにも見えてこない。追い込み馬は人気になりやすい。だからこそ、疑問視をして予想をすべきだろう。