2018年7月1日、中京競馬場でCBC賞(GⅢ/芝1200m)が行われる。アサクサゲンキは、昨年の小倉2歳Sを制覇。今年も、今回と同じ中京のファルコンSで2着と好走するなど、同世代の短距離路線で上位の力を示している。
前走の新設重賞・葵Sは5着と1番人気を裏切ったが、出遅れてそれまでと違う後方からの競馬をしながらも、メンバー最速の上がり3F33.1秒をマーク。負けはしたものの、新たな一面を見せて収穫のある内容だったとも言える。
今回は古馬と初対戦になるが、実績を考えても上位人気は必至。しかし、レース傾向からは不安材料が多く浮かび上がってくる。
目次
不安① 3歳馬が不振
3歳馬がこの時期に古馬相手の重賞を勝つことは、能力が高くても容易なことではない。CBC賞の開催が夏に移った2006年以降、3歳馬は【0・2・0・15】。のちにスプリント重賞を複数勝つダッシャーゴーゴー(2010年2着)やベルカント(2014年5着)といった実力馬でさえ敗れている。
アサクサゲンキは今回が年長馬と初対戦で、まず古馬との力関係がカギになる。なお、葵Sで1、2着(同着)だった3頭はその後に出走していないが、4着でアサクサゲンキに先着したウィズは、続く1000万下のHTB杯(函館芝1200m)で13着と大敗している。
不安② 軽ハンデ馬が苦戦
ハンデ戦となった初年度の2006年に、牝馬でハンデ56kgを背負ったシーイズトウショウが優勝し、2011年に58.5kgのダッシャーゴーゴー、2013年に58kgのマジンプロスパーが勝つなど、比較的重いハンデを背負った実績馬が活躍している。
比較しても、ハンデ55kg以上が【11・7・9・68】(連対率11.6%)に対し、54kg以下は【1・5・3・95】(勝率1.0%)と、その差は明らか。唯一優勝したトーホウアマポーラ(53kg)は牝馬で、54kg以下の牡馬・騸馬に限れば【0・3・1・55】と苦戦を強いられている。
アサクサゲンキはハンデ53kg。年齢差を考慮すれば実質55kgとなるが、実績馬が活躍している傾向からは、キャリアの浅さがマイナス要素になる。
不安③ 大型馬が活躍
中京競馬場は2012年に馬場が改修され、直線に急坂が新設されたことでパワーが求められるようになった。昨年は馬体重530kgのシャイニングレイが優勝するなど、このレースでも近年は大型馬が活躍している。
2012年以降、馬体重が480kg以上だった馬は【4・4・4・34】(連対率17.4%)に対し、480kg未満だった馬は【2・2・2・43】(連対率8.2%)。優勝した2頭のうち、2015年ウリウリは牝馬で、2016年レッドファルクスはのちにスプリンターズSを連覇するほどの能力があった。
アサクサゲンキは前走時の馬体重が458kg。今回のメンバー中では3番目に軽い。また、当時がマイナス12kgと大きく馬体重を減らしていたことも気になるところ。その影響もあってか、レース前からかなりテンションが高かった。今回も馬体重に加えて、パドックや返し馬でのテンションはしっかりとチェックしておいた方がいいだろう。
まとめ
先週の宝塚記念をミッキーロケットで制して勢いづく音無秀孝厩舎が送り出すアサクサゲンキ。データの向かい風を跳ね返して古馬を撃破することはできるか。