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一族の悲願なるか――。

2018年7月1日、福島競馬場でラジオNIKKEI賞(GⅢ/芝1800m)が行われる。白百合ステークスを制したメイショウテッコンや若駒ステークスを勝ったケイティクレバー、京成杯3着のイェッツトなどが出走を予定している。その中で、2戦2勝と今後が期待されているのがフィエールマンだ。

フィエールマンの前走は山藤賞だったが、スタートはあまり良くなく、11頭立ての10番手で1コーナーを回り、そこからポジションを押し上げていく競馬になった。4コーナーでは4番手まで上がり、最後の直線では上がり3ハロン34秒3というメンバー最速の末脚を披露し、2馬身以上の差をつける完勝だった。多少後手を踏む形にはなったが、それでも良血馬としての意地は見せることができた。

2戦2勝ということで期待は集まりやすいが、脆さもあるのがこの時期の3歳重賞ならではの光景である。果たしてフィエールマンはあっさりと勝つか、それとも苦杯をなめるのか。そこのあたりはきっちりと見極めたい。


期待要素① 斤量54キロの成績が優秀

ラジオNIKKEI賞はハンデ戦であり、ここでのハンデが大きな影響を与える。その中で斤量54キロになった馬がこの10年で5勝している。3着までの成績で見ると斤量55キロの方が上だが、勝利という点では断然斤量54キロが優秀である。ただ、今回斤量55キロは1頭もいない。なので、そのあたりは無視して大丈夫だ。

前走で56キロを背負っていた馬にとっては、2キロ減は非常に大きい。いわばメリットでしかない。しかも56キロを背負わされる2頭のオープン勝ちの馬はいずれも逃げて勝った馬だ。いずれかの馬は自分の競馬ができなくなる。斤量の恩恵もなければ展開も厳しい。そういう点ではフィエールマンにとっては非常に競馬がしやすい。

不安要素① データに見られる複数の不安

フィエールマンにとって気になるのは、前走の競馬場に関する不安だ。前走が中山競馬場だった馬の成績は9頭出走してすべて着外になっている。面白いことに、過去10年で前走東京が8勝、新潟と中京が1勝ずつと左回りの競馬場でレースをした馬がすべて勝っている。前走京都や阪神の馬すら1頭も勝っていない。

また山藤賞をコンマ4秒つけて勝ったこともデータ的にはあまり良くない。コンマ1秒から2秒差で勝った馬はこの10年で5勝しているが、それ以上の差をつけた馬は実は1頭も勝っていないどころか、3着以内もない。GⅠなどで大敗を喫した馬が好走しやすく、500万下条件で楽勝したような馬はマークされるのか不発に終わることが多い。

特に2か月以上の間隔のある馬の好走はあまり見られないのもポイントだ。この時期になると格より勢い、調子が左右する可能性が高い。血統面の体質の弱さが指摘されているが、データ的には弱気にならざるを得ないデータが揃った。

不安要素② 前走と同じ展開だと厳しい

前走は少頭数ということもあり、いくらでも挽回できた部分がある。多少出遅れてもポジションを上げていけばよかったが、今回は舞台が違う。福島競馬の開幕週であり、直線は短い。しかも、前で競馬をしたい馬がわんさかいる。行き脚がつかないとなれば、また同じような後手を踏むことになる。

面白いのはラジオNIKKEI賞では逃げ切り勝ちがこの10年で1回もない点にある。かといって、後ろの馬たちが一気になだれ込む展開にもなりにくい。一番いいのは前で競馬をする事だ。しかし、後手を踏んではそれが叶わない。

これまでの傾向としては、その時の上がり最速の末脚をマークすれば後方で競馬をしていても勝てるので、そこはフィエールマンにも勝算がある。しかし、殊更強調するほどの末脚でないことから、ここには不安が残る。

まとめ

距離適性で考えれば芝1800メートルで2勝というこれ以上ない成績を残し、鞍上の石橋脩騎手はラッキーライラックやコズミックフォースなどで存在感を見せ、これまでの姿、評価を大きく変えている。血統面を見れば母のリュヌドールはイタリアのGⅠを制し、2004年のジャパンカップに出走し7着という結果を出している。父ディープインパクトであることを考慮しても、十分な風格がある。

体質面の不安や2か月以上の間隔、そして行き脚があまりつかないことを考慮すると、あまり人気になり過ぎるとやや信用は置けない。あっさり勝ってもおかしくないが、2戦2勝だからと飛びつくのはやや危険だ。ただ母リュヌドールの血統は今のところオープンで活躍した馬がいない。ここで勝って良血であることを証明したいところだ。内枠でスタートを決めるなどのことになれば十分にチャンスはある。あとは枠順や当日の馬体重がカギを握る。

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