キタサンブラック世代で最も期待を集めていた馬が待望の悲願を成し遂げるか――。
2017年12月24日、中山競馬場で有馬記念(GI/芝2500m)が行われる。ラストランを迎えるキタサンブラック、JCを制したシュヴァルグラン、サトノクラウン、レインボーラインなどの出走が予定されているが、どのような展開になるのか?
ここが引退レースのキタサンブラックに大きな期待と注目が集まることだろう。しかしここでは同じ世代の未完の大器について掘り下げて行く。
その馬の名はルージュバック。頼もしい多々のデータを見ていこう。
目次
①得意の中山コース
ルージュバックは今回の舞台中山競馬場を得意にしている。
これまで3回の出走しその内2回で連対を果たしている。骨っぽい相手をまとめてなで切ったオールカマーでの優勝は記憶に新しい。
内回りに変わると言えど、きさらぎ賞以外すべての重賞連対を記録している輸送のない関東圏で走れることも大きく背中を後押しする。
②得意の混合戦
ルージュバックが挙げている重賞4勝は全て牡馬が相手のものだ。
ここまでにG2・G3をそれぞれ2勝と素晴らしい実績を持つルージュバックだが、特筆すべきことはそれが全て混合戦でのものという事だ。
ブエナビスタでも牡馬相手での重賞は3勝、スイープトウショウやショウナンパンドラでも2勝であることを考えればその偉大さがよくわかる。厳しい舞台でこそ生きる底力はここでも全く見劣らない。
③得意の非根幹距離
ルージュバックは非根幹距離でこそ本領を発揮する。
オークスでの2着もあるように距離を問わず力を発揮できる馬ではあるが、タイトルは1800と2200のみだ。
トリッキーになることも多い変則距離のレースでも上手く流れに乗ればルージュバックはすさまじい決め手を発揮出来る。2500がマイナスに働くとは思えない。
④北村騎手への手替わり
今回北村騎手が騎乗することは心強い。
前々走のオールカマーでは北村騎手の手綱さばきも優勝を大きく後押しした。そこではディサイファの動きがあまり加味されない不可解な判定で鞍上は制裁を受けたがあの捌きがなければ優勝が難しかったのは間違いない。
「北は北でも」と言うわけではないが、キタサンブラックの以前の主戦騎手がその引退レースで主役の座を横取りするのもまた一興だ。
⑤オールカマーとグランプリ
オールカマー優勝馬はこのグランプリに強い。
過去の優勝馬を見ていくと、マツリダゴッホ、ゴールドアクター、アーネストリー、ショウナンパンドラ、ダイワテキサス、メイショウドトウとグランプリホースや活躍馬が非常に目立つ。
ルージュバックもオールカマーのタイトルを引っさげ、大一番に挑む。
まとめ
ここまで見てきたようにルージュバックには心強いデータが盛りだくさんだ。
クリスマスイヴの15時半にはもう未完の大器とは呼ばれていないかもしれない。
ルージュバックは有馬記念で主役になれるのか? 結果は走ってみないとわからないのが競馬ではあるが、少なくとも心強い要素は揃っている。
文=櫻井秀幸