4月23日に京都競馬場で行われたあずさ賞(3歳500万下/芝外回り2400m)で、1番人気のディープインパクト産駒アドマイヤムーン(牡3)が、2番人気ヒシマサル(牡3)を押さえて勝利した。
アドマイヤロブソンの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。
目次
プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜
父 | ディープインパクト |
---|---|
母 | アドマイヤマリン |
母の父 | クロフネ |
母の母 | ベルベットローブ |
性別 | 牡 |
馬齢 | 3 歳 |
生年月日 | 2014年3月13日 |
毛色 | 鹿毛 |
馬主 | 近藤利一 |
調教師 | 友道康夫(栗東) |
生産牧場 | ノーザンファーム |
産地 | 安平町 |
馬名意味 | 冠名+カナディアンロッキーの山の名 |
血統評価は?
ディープインパクト産駒の典型的な成功配合だ。
ディープインパクトは母父に米国的なノーザンダンサー系を持つ馬が成功を収める傾向にある。ストームキャット系やヴァイスリージェント系がそうだ。
父ディープインパクト、母父クロフネという配合といえば、天皇賞秋やクイーンエリザベス2世カップで2着になった実績を持つステファノス、ホープフルステークスを制したシャイニングレイ、京都新聞杯やきさらぎ賞で好走実績があるポルトドートウィユなどがいる。
ただ、こう見てみると、クロフネとの掛け合わせではなかなか大成功を収められていない。というのも、ディープインパクト産駒らしいスパッと切れる脚を使えるタイプにならない傾向にあるのだ。
例えば一番成功を収めているステファノスのキャリアを振り返ってみると……
馬グループ戦歴(1頭)
レース名 | 上り3F | 上り3F順 |
---|---|---|
大阪杯G1 | 34.2 | 5 |
金鯱賞G2 | 34.6 | 2 |
天皇賞秋G1 | 33.5 | 1 |
毎日王冠G2 | 34.6 | 5 |
宝塚記念G1 | 36.9 | 6 |
鳴尾記念G3 | 34.6 | 2 |
天皇賞秋G1 | 33.4 | 1 |
毎日王冠G2 | 33.2 | 2 |
中山記念G2 | 35.6 | 1 |
富士SG3 | 32.9 | 2 |
セントラG2 | 35.0 | 2 |
白百合S | 33.6 | 2 |
皐月賞G1 | 34.8 | 4 |
毎日杯G3 | 34.7 | 3 |
つばき賞500* | 34.6 | 1 |
白梅賞500* | 33.8 | 4 |
未勝利* | 34.5 | 3 |
未勝利* | 34.3 | 2 |
新馬 | 35.8 | 5 |
集計期間:2013. 7.20 ~ 2017. 4. 2
ご覧の通り、上がり1位を記録した回数はわずかに4回しかない。上がりで圧倒的な決め手を発揮できない分、どうしてもGIで勝ちきれないというわけだ。
では、アドマイヤロブソンはどうかというと、同じような傾向が見られる。
全兄のアドマイヤダイオウの戦績を見てみると……
馬グループ戦歴(1頭)
レース名 | 馬場状態 | 上り3F | 上り3F順 |
---|---|---|---|
皐月賞G1 | 良 | 36.2 | 14 |
若葉S | 稍 | 36.0 | 2 |
梅花賞500* | 重 | 35.9 | 2 |
未勝利* | 良 | 34.1 | 1 |
新馬 | 良 | 33.6 | 2 |
集計期間:2015.11.22 ~ 2016. 4.17
ご覧の通り、上がりのかかるレースで勝っていることが分かる。3歳春以降に出走していないため、断言することはできないが、どちらかといえばタフな競馬に強いディープ産駒に思える。
ということで、アドマイヤロブソンも
・GII、GIII(特にややタフ目な条件)では勝てる
・GIになると勝ちきれない
というようなキャリアを歩む可能性は十分にありそうだ。
次走は?
まだ明言されていないものの、さすがにダービーに間に合うようなローテーションを組むことは難しい。
あるとすれば、2013年のペプチドアマゾンがそうだったように、京都新聞杯→日本ダービーというコースだ。しかし、間隔を詰めて使わなければならないため、馬に負担がかかってしまう可能性が高い。
そうなると、過去のあずみ賞勝ち馬の大半がそうだったように、休養を挟んで夏に復帰し、秋のクラシックへ向けて歩んでいく、ということになるのではないか。
※追記
陣営によると、菊花賞を目指して休養に入るとのこと。
アドマイヤダイオウ、アドマイヤロブソンともに馬場が渋った2400mで強い勝ち方をしたのだから、同世代の馬たちと走る菊花賞であれば好走の可能性を見出したくなるところ。秋にどのような走りを見せるのか、期待して待ちたいところだ。