2021年9月20日、中山競馬場でセントライト記念(GⅡ/芝2200m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるタイトルホルダー、オーソクレース、ソーヴァリアント、ルペルカーリア、グラティアスらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
新潟開催だった2014年を除く過去10年のデータを参考にしていく。
目次
セントライト記念の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着は3回、3着は1回。平均的な信頼度を誇るレースだが、信頼度は単勝オッズに比例する感じか。
単勝5倍台と6倍台で5勝とそこまで大きく荒れるレースではないが、伏兵馬も比較的飛び込んでくるため、取捨選択が大切だ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前走ダービー組の取捨選択
前走ダービー組(6- 5- 4-17)
勝率 18.8% │ 複勝率 46.9%
ここ5年はダービー組が顕著で、馬券圏内に2頭絡むケースが多い。裏を返せば必ず1頭は別路線組なのだが、傾向としてははっきり出ている。
ダービー組で最も多いのは善戦した馬よりも惨敗を喫した馬。ただ1桁人気で2桁着順になった馬で、2桁人気2桁着順のケースだと1秒以内の負けだったり、10番人気10着のような感じだったりする。
しかし、今年は1桁人気で2桁着順の馬がいないので、傾向から外れた形になりそう。ならば順当にタイトルホルダーということになるが。
予想参考データ② 上がり馬の取捨選択
必ず1頭は絡む別路線組だが、ラジオNIKKEI賞組がメインで、その次がダービーのトライアルレース。夏の新潟などを使った馬はあまり活躍できていない。
ラジオNIKKEI賞組だと、1番人気もしくは2着まで。ダービーのトライアルレースとなると1着かコンマ6秒負けまで。夏の上がり馬は前走1番人気か1着か、これらに該当せず、のちに一定の活躍を見せたダービーフィズやスカイディグニティを拾うとなると前走の人気と着順が合計8までにとどめているかどうかもポイントになる。
ソーヴァリアントは2勝クラスで1着、ルペルカーリアは京都新聞杯1番人気。ラジオNIKKEI賞組は2着でワールドリバイバルが絡むも2桁人気。人気馬はいずれも満たしており、今年は荒れにくいか。
予想参考データ③ 人気馬たちの前走レベル
タイトルホルダーとグラティアスなどの前走はダービー。バスラットレオンの逃げが平均ペース。サトノレイナスとグラディアスは見た目的に早仕掛けで動いてしまい、結局グラディアスは8着。タイトルホルダーは早仕掛けに動じず、ジッと我慢したが、いささか地力負けに見えた。戦い方を見る限りではグラティアスを上と見たい。だが、タイトルホルダーに乗るのは弥生賞で勝利した時に騎乗した横山武史騎手。中山の方が合ってるとみれば、簡単に引っくり返っても不思議ではない。
オーソクレースの前走はホープフルステークス。ランドオブリバティがややスローで逃げ、4コーナーで逸走というトラブル。かなりの馬が影響を受けたが比較的ダメージが少なく、直線で抜け出すもダノンザキッドにやられる。母はグランプリホースで非根幹距離に強かったマリアライト。久々がどうかだが、血統的には全く心配はいらない。負けるなら休み明けだが、こればかりはやってみないとわからず。
ソーヴァリアントの前走は藻岩山特別。今週ローズステークスに出るエイシンヒテンが逃げ、やや遅めのペースに。3コーナーで早めに動いたのがソーヴァリアントで、4コーナーで先頭に立つとそのまま押し切って完勝。斤量差がなくても十分勝てたレースだった。馬場の回復にもよるが、不良馬場の同じ舞台で勝ち、洋芝で2勝している。馬場を理由に負けることはなさそうだが、あとは元々の力量の問題。
ルペルカーリアの前走は京都新聞杯。平均ペースで逃げたルペルカーリアは、息を入れつつ脚を使わせながら直線へ流れ込む。レッドジェネシスの末脚に敗れたが、中京2200というコースを考えれば力量は発揮したとみたい。母シーザリオは中山でも結果を出すが、息子たちの中には中山で苦戦した馬もそれなりにいる。左回りの方がやりやすそうではあるが。
2021年の危険な人気馬は?
ルペルカーリアは人気になる見込みだが、今回は人気馬が堅調で、どの馬が走ってもおかしくない中、唯一不安要素を感じたのがこの馬。セントライト記念の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、オーソクレースは3つ目の消しデータに合致している。9カ月の休み明けが非常に気になるが、不安要素はこれぐらい。
反対にソーヴァリアントは危険なデータに一つも当てはまらない。当該コース、しかも不良馬場の時に勝てているのは大きく、洋芝でも完勝。4着だった弥生賞も上がり最速と完敗だったわけではない。チャンスは十分にある。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ソーヴァリアントと言えそうだ。