2021年4月11日、阪神競馬場で桜花賞(GⅠ/芝1600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるソダシ、サトノレイナス、メイケイエール、ファインルージュ、アカイトリノムスメらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
桜花賞の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は1勝、2着は3回、3着は1回。人気が飛びやすく、1倍台でもなかなか勝ち切れない。一方、3倍台や4倍台は連対率100%。
伏兵馬の一発があるなど、人気サイドで決まるとは限らない。しっかりと取捨選択はしておきたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① トライアル組の取捨選択
チューリップ賞組(5- 7- 6-28)
勝率 10.9% │ 複勝率 39.1%
フィリーズレビュー組(1- 0- 2-53)
勝率 1.8% │ 複勝率 5.4%
例年トライアル組は明暗がはっきりと分かれ、チューリップ賞を軸に予想をしていくことになる。特にGⅡ昇格後に絞った傾向を見ると、権利をとった馬が強く、1番人気で惨敗した馬の巻き返しはあまり見られない。
フィリーズレビュー組はもっとシビアで、1番人気で2着以上、アネモネステークス組は1頭も絡んでいない。狙うならチューリップ賞3着以内の馬だろう。
今年のフィリーズレビューは8番人気だったシゲルピンクルビーが1着だったので、フィリーズレビュー組は全切りでも問題ない。メイケイエール、エリザベスタワー、ストゥーティの3頭がチューリップ賞の権利獲得組だが、ストゥーティは前走が力負け。狙うならメイケイエールとエリザベスタワーか。
予想参考データ② 別路線組の取捨選択
別路線組を見ていくと、まず注目は阪神ジュベナイルフィリーズ組。2014年のレッドリヴェールのみで、朝日杯からの直行だったグランアレグリアを込みで考えると1番人気か1着か。これだとソダシが引っかかり、サトノレイナスは対象外になる。ただ直行自体が少なく、サンプル数が少なすぎるのでどうか。
別路線組では1着が必須。アーモンドアイを始め、クロノジェネシス、ヴィルシーナ、ホエールキャプチャも前走の重賞で1着だった。
重賞1着はファインルージュ、アカイトリノムスメ、ホウオウイクセルの3頭。しかし、別路線組といっても実際はクイーンカップ1着馬が強い。そうなるとアカイトリノムスメが有力ということになりそうだ。
予想参考データ③ それぞれの馬の前走レベル
ソダシとサトノレイナスの前走は阪神ジュベナイルフィリーズだったが、ヨカヨカが作ったやや速めな流れで前目で頑張ったソダシ、中団にいたサトノレイナスという展開。ソダシが粘り切った形だが、ソダシの勝負根性が光ったというべきか。ソダシがいい枠番を引いた中、サトノレイナスは大外。そうなるとソダシがここも強さを見せつけても不思議ではない。
メイケイエール、エリザベスタワー、ストゥーティなどの前走はチューリップ賞だったが、ストゥーティが作りだしたゆったりとした流れを、折り合いがつけられず暴走気味だったメイケイエールが危険回避のために先頭に出た形に。結果的にエリザベスタワーとメイケイエールは同着。ストゥーティは前走の走りを見る限り厳しそう。あとの2頭は面白そう。武豊騎手の負傷で横山典弘騎手に手が替わるメイケイエールだが、クセの強い馬を操らせたらピカイチの横山典弘騎手なら十分チャンスはある。
ファインルージュの前走はフェアリーステークスだったが、ペースがやや流れ、クールキャットの暴走でレースが壊れ気味だった中、中団にいたファインルージュが末脚を炸裂させた。2着ホウオウイクセルはフラワーカップで勝っており、ファインルージュの評価は自然と上がる。しかし、関東馬で関西初遠征なのがどうか。
アカイトリノムスメの前走はクイーンカップだったが、やや速く流れたものの、前目にいたアカイトリノムスメが押し切った形に。タイムは優秀で、上がりの脚もしっかりとあり、母アパパネの血を感じさせた。東京マイル3戦3勝だが、阪神マイルとの相性は良く、これもクイーンカップと桜花賞の相性の良さにもつながっている。不安は大舞台で結果を出せていない鞍上だろう。
2021年の危険な人気馬は?
ファインルージュは人気になる見込みだが、直近で叩いた馬の方が断然結果が出やすく、ぶっつけ本番の馬は実力が伴わないときつい。ただでさえソダシやサトノレイナスも同じぶっつけ本番の中、関西初遠征の関東馬に出番はあるのか。桜花賞の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、サトノレイナスは3つ目の消しデータに合致している。今回の桜花賞は上位馬がかなりレベルが高いので、泣く泣く選んだ。
反対にメイケイエールは危険なデータに一つも当てはまらない。前走や前々走を見る限り、非常に扱いにくい馬であり、テン乗りは考えられないのが普通だが、鞍上が横山典弘騎手で心配無用。思い切り逃げる手もありそう。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、メイケイエールと言えそうだ。