2019年9月29日、中山競馬場でスプリンターズステークス(GⅠ/芝1200m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるダノンスマッシュ、タワーオブロンドン、モズスーパーフレア、ディアンドル、ミスターメロディらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
新潟で開催された2014年を除く過去10回のデータを参考にする
目次
スプリンターズステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは5回で、2着は1回、3着はなし。複勝率は物足りないが、勝ち切ることが多いので取捨選択は重要だ。
上位人気はやや不安定で、4番人気は3着以内が1回もない。下位人気まで侮れず、人気がないだけで切るのはあまりに危険だ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 末脚はアテにならない
脚質・逃げ(1- 2- 1-6)
勝率 10.0% │ 複勝率 40.0%
中山の重賞は前残り、この1か月の開催は散々逃げが残った。短距離でもそれは同じで、他の重賞に比べても傾向は強いので、注意が必要だ。
上がり3F 1位(0- 0- 1-9)
勝率 0.0% │ 複勝率 10.0%
レースによっては複勝率100%などがあるが、このレースのアベレージの低さは異様。基本は前目から中団でレースをしなければならず、後方待機はほとんど馬券に絡まず、この10回で連対はない。
5番手の馬だけで決着ということもないのが面白いところだが、前に行きそうな馬を中心に馬券を組み立てた方が当たりやすいことは確かだ。
予想参考データ② 牝馬は侮れない
サマースプリントシリーズは基本的に牝馬の大会のような感じがするが、スプリンターズステークスでもその傾向は変わらず、複勝率は30%に迫る。
レースは不問で、最低でも掲示板、コンマ5秒負けまで、できれば勝っておきたい。2017年2着のレッツゴードンキはヴィクトリアマイル大敗だったが、元は短距離馬で当時3番人気だった。
牝馬は格よりも勢いだが、GⅠでの好走経験は大事にしたい。その中でステップレースを使った組は勢いで見るというのがバランスがいいだろう。
予想参考データ③ 3歳馬の取捨選択
人気になる3歳馬が登場するが、過去10回で11頭が参戦し、未勝利2着1回3着1回、極めて微妙な成績が残されている。
3着以内に入った2頭の共通点だが、いずれも牝馬、人気は10番人気前後、2番手あたりに位置し、前走掲示板以内、前走52キロで今回53キロなど。そして、2頭とも乗り替わりだった。
本番での人気こそわからないが、ことごとく該当する馬が牡馬と牝馬にいることや、3歳馬が絡みだしたのはここ数年というトレンドを見ても、ここから買うのが面白いか。
2019年の危険な人気馬は?
タワーオブロンドンは人気になる見込みだが、遠征を重ね、前走1分6秒7の反動はおそらくあるだろう。サマースプリントシリーズ3戦は使い過ぎで、さすがに上積みはなく、まして前走が超高速馬場でのハイスピード決着では厳しい。スプリンターズステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ミスターメロディは1つ目の消しデータに合致している。スプリント戦で前を取り切るのは少し難しそうで、前走はいくらなんでも負けすぎ。福永祐一騎手があまり中山でいいところがない。1番人気を勝たせるのは当たり前だが、伏兵馬を勝たせるとなるとちょっと難しいか。
反対にディアンドルは危険なデータに一つも当てはまらない。中山の1200で強いだけでなく、阪神や京都、小倉など様々な1200で勝てているのは大きい。持ちタイムがないのがどうかだが、週間天気では日曜は雨。多少なりとも時計がかかればチャンスだ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ディアンドルと言えそうだ。