2018年9月30日、中山競馬場でスプリンターズステークス(GⅠ/芝1200m)が行われる。出走予定馬には、三連覇がかかるレッドファルクス、高松宮記念を制したファインニードル、悲願のスプリントGⅠ勝利を狙うレッツゴードンキなどがいる。役者は見事に揃ったが、今年も香港からの刺客が参戦する。それがラッキーバブルズだ。
ラッキーバブルズの前走は香港のプレミアカップだったが、約2年半ぶりの1400メートル、斤量59キロと背負わされた中で2番手でレースを進め、最後は半馬身差の3着に終わった。昨シーズンのほとんどいいところがなかったが、前走は勝ち馬とは斤量7.5キロ差もあり、それを考えれば本来の姿を見せたと言える。元々は香港のスプリント界で実績を残している馬だ。
ウルトラファンタジー以来香港馬は勝てておらず、段々と軽視されつつある。しかし、みんなが忘れた頃にやってくるのが香港馬である。ワーザーが宝塚記念で激走したように、同じことを再現するだけの力がラッキーバブルズにはある。人気になる可能性は十分にあるが、ここは狙いたい。
目次
要素① レーティングで互角
香港には未勝利戦のようなものはないが、いわゆるレーティングでクラス分けがされてハンデがつけられる。それだけレーティングは馴染みがあるが、日本ではあまり参考にされない。だからこそ、軽視する競馬ファンは多いが、このレーティングだけを見れば、ラッキーバブルズは1位タイの116ポンドとなっている。ちなみにもう1頭はファインニードルだ。
ラッキーバブルズの116ポンドはプレミアカップでのレーティングなので、それなりの鮮度がある。もっと言えばファインニードルのレーティングは高松宮記念のものなので、鮮度的に言えばラッキーバブルズの方が上と見ても問題はない。日本馬で2番目がレッドファルクスの113ポンドだが、こちらは阪急杯のものだ。少なくともレーティングだけを見れば十分にラッキーバブルズでもチャンスがあると言える。
要素② 馬場が渋る可能性
力のある馬場になるとチャンスが出てくるのが香港馬だが、今週の中山は雨が多い。金曜に一時的に晴れても、土日はまた天候が悪化する予報となっている。台風も近づき、状況としては土日は好天に恵まれる可能性は低いとみる。そうなるとラッキーバブルズにとってはチャンスが大きくなるだろう。1分7秒台の決着ではどうにもきつい。しかし雨が降って馬場が悪くなることで決着タイムは1分8秒台になる可能性も出てくる。
一応オーストラリア時代には不良馬場を経験し勝利を収めており、重馬場でも問題はないだろう。パンパンの良馬場になる可能性は低いが、仮にそうなったとしても十分対応はできる。斤量59キロから2キロ減というのは非常に大きい。
要素③ 日本ならではの展開が後押し
海外競馬の特性なのか、それとも日本競馬ならではの現象なのか分からないが、とにかく海外競馬ではインコースに密集し、なかなか内が開かない。しかし日本競馬ではそこまでインコースへのこだわりがないのか内が開くことが多い。だからこそ、デムーロ騎手のように明らかに開かないだろう内のコースを無理にでも狙う。だからこそ、勝ち星も制裁点も量産する。
去年のシーズン、ラッキーバブルズは痛い目を見続けた。とにかくコースがカットされやすく、内で詰まって負けることが多かった。ファインニードルに敗れたチェアマンズスプリントプライズではスタート直後に接触、直線も進路が十分にあったわけではなくスムーズさを欠いた。他にもブリンカーを付けて裏目などとにかくいいことがなかった。その鬱憤を晴らしたのがプレミアカップでの激走と言える。
日本のように内が開く競馬、モレイラ騎手を意識してラッキーバブルズに全く意識が向かない状況なら一発は十分にある。
まとめ
プレブル騎手は日本での実績も多く、安田記念ではブリッシュラックで優勝している。スプリンターズステークスも乗り慣れており、2004年には3着もある。中山1200メートルがどういうコースか、何をすればダメかがよくわかっていることから、軽視をすると痛い目を見そうだ。体重は戻している。その点も問題はない。
休み明けに強いのもラッキーバブルズの特徴で、去年の1戦目は60キロを背負って2着、2年前は59.5キロを背負って1着といきなり動ける馬だ。それが今年は斤量57キロ。普通に動けるはずだ。あとは力量差だが、香港スプリントではレッツゴードンキやワンスインナムーンを圧倒し、ファインニードルとは、スムーズな競馬ができれば分からなかった。十分に日本でもやれる馬だ。