函館記念2018の競馬予想分析…エアアンセムを取り巻く3つの視点

7月15日(日)、函館競馬場でサマー2000シリーズの第2戦となる函館記念が行われる。ハンデ戦であることからも混戦ムードが漂うメンバー構成となりそうだ。その中で人気を集めそうなのがC.ルメール騎手が騎乗するトリコロールブルーである。前走の鳴尾記念では惜しくも3着と敗れたものの、強いと評される4歳世代だけに侮れない存在といえるだろう。

また昨年の札幌記念を制しているサクラアンプルール、前走で待望の初重賞制覇となったスズカデヴィアス、素質馬ブレスジャーニーなどが出走を予定している。

今回はそんな有力馬の中でも、エアの冠名でもおなじみのラッキーフィールドが送り出すエアアンセムに焦点を当てることにする。前走のエプソムCではメンバー中上がり3位の脚を繰り出して5着入線と、重賞のレースでも見せ場を作った1頭である。7歳馬ではあるものの、全く衰えを感じさせないエアアンセムを今回は紐解いていくことにする。


目次

ポイント①前走の着順

過去10年の函館記念において、前走の着順を比較すると大きな偏りが生じていることが分かる。函館記念はハンデ戦ということもあってか、前走の着順が1、2着よりも3着~5着の方が優秀な成績を残している。どうしても前走1着、ないしは2着から臨戦する馬は重ハンデを課せられることが多く、その影響で好走率を大きく落とす結果になっているのだろう。その一方、前走程よく負けた3着~5着の馬達は前走の斤量は据え置き、または斤量減になることが多々にあり、その結果によって好走率が大きく跳ね上がっているのではないだろうか。エアアンセムは前走、古馬になってから初の重賞レースであるエプソムCで5着に好走している。

勝率連対率複勝率
前走19.5%14.3%19%
前走210%10%20%
前走321.4%28.6%35.7%
前走420%20%20%
前走510%20%30%

ポイント②先行脚質

2つ目のポイントは、小回りの函館コースで施行されることからも分かるように先行脚質の馬による活躍が目立つことである。人気馬、人気薄問わず毎年馬券圏内に多く好走しているのが、逃げ・先行馬。ここでは過去10年の逃げ・先行・中団・後方に区分けした戦績を比較することにする。

※先行馬の定義
4角4番手以内

※中団の定義
4角5番手~10番手以内

※後方の定義
11番手以降

勝率連対率複勝率
逃げ20%20%40%
先行8.8%29.4%41.2%
中団6.5%11.3%16.1%
後方0%0%2.0%

ご覧いただければ分かるように逃げ⇒先行⇒中団⇒後方と位置取りの順に好走率が変化しており、同レースにおいてはスタートセンスが非常に重要だ。エアアンセムに関して補足をすると、過去5戦のうちエプソムC以外の4戦で4角4番手以内の競馬をしており、スタートセンスに関しては申し分ない。前走の教訓からも今走は本来の先行する競馬にシフトする可能性は高いといえる。

ポイント③血統

函館記念の特徴として、エアアンセムも内包しているロベルトの血がよく穴を開けていることが浮かび上がってくる。エアアンセムの父であるシンボリクリスエス産駒は出走頭数こそ少ないものの、昨年7番人気ながら逃げ粘って3着のヤマカツライデンを輩出している。また同じロベルト系でいえばマヤノトップガン産駒が1勝、2着3回と他の種牡馬を圧倒する戦績を残している。豊富なスタミナ・底力が武器であるロベルト系がタフな函館コースで活躍することは勿論、頷ける事実である。

まとめ

以上、3つのポイントを満たす馬こそエアアンセムといえるだろう。前走の5着は今走に繋がる内容の濃いレースであり、過去の好走馬と重なる点からも、同レースにおいてパフォーマンスの向上が見込める1頭といえる。果たしてサマー2000シリーズの第2戦となる函館記念で、今年はどのような結末が用意されているのだろうか。楽しみに今週末の競馬開催を待つことにしよう。

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