5週連続の東京GIを締めくくる古馬のマイル王決定戦である安田記念が今週末行われる。東京マイルは中距離戦線でも戦えるだけのスタミナが要求される非常にタフなレースになることが多く、今年もマイル王を目指し各路線から有力馬が揃った。大阪杯に続きGI連覇を目指すスワーヴリチャード、実績十分のリアルスティール、VMマイル2着のリスグラシューに加えて、前走の読売マイラーズCを制したサングレーザーなどが顔を揃えた。
そんな有力馬の中で、注目するのはペルシアンナイトだ。昨年のマイルチャンピオンシップを勝利しており、唯一マイル秋春制覇を目指す立場にある。今回は得意の舞台に変わる同馬の可能性を様々な角度から検証することにする。
目次
検証① 短縮ローテが有利
出走頭数自体は少ないものの、過去10年で6頭を馬券圏内に送り込んでいる黄金ローテともいえるのが、距離短縮で挑むローテーションである。前走から同距離、延長馬と比べると10%前後も複勝率が高いことが象徴的なレースの安田記念。昨年、7番人気で2着したロゴタイプは1800mから距離短縮への参戦であった。また大阪杯をステップに2年連続で挑んだショウナンマイティは、見事2年連続の2着と好走を果たしている。
ペルシアンナイトに関しても、阪神2000mで行われた大阪杯からの距離短縮組だ。元々マイルがベストの馬だけに、今回の距離短縮は大歓迎の立場といえるだろう。その点、他馬よりも上積みは大きいはずだ。
検証② マイル実績
ペルシアンナイトの過去11戦のうち、マイル戦の出走は5レースで、結果は3勝2着1回と圧倒的な戦績を残している。唯一5着に敗れた富士Sは、不良馬場で行われたレースだけにペルシアンナイトの持ち味が活かされなかったレースであった。週中に少々雨が降る可能性もあるが、馬場状態としては良で行われる算段が高い。
その点から考察すると、ペルシアンナイトとしては舞台、馬場状態共に、実力をできる下地が整うはずである。有力馬が多数存在し、混迷と化すレースだけに、マイル実績があることは非常に大きな加点材料である。
検証③ 上がり3ハロンの必要性
同レースにおいては、上がり3ハロン上位馬の好走が目立っている。昨年7番人気で勝利を収めたサトノアラジンは安田記念でメンバー中最速の上がり3ハロン33.5秒を計時。ちなみに3着のレッドファルクスは上がり3位の33.7秒であった。また2016年の3着馬フィエロ、2015年2着であるヴァンセンヌも上がり3ハロンで1位となる脚を使い、好走を果たしている。
無論、ペルシアンナイトも上がり1位の脚を繰り出せる馬である。2戦続けてメンバー中最速となる脚を使っており、安田記念でも自慢の差し脚が更に磨かれる可能性が大いにある。鞍上もペルシアンナイトのことを良く知る川田騎手だけに、申し分ないコンビともいえ、同馬の好走に注目が集める。
まとめ
如何だったろうか?秋春マイル制覇を目指すペルシアンナイトと昨年のサトノアラジンに続き2連覇を目指す川田騎手のコンビが安田記念でどのような走りを披露するのか。陣営にとっても上半期最大の目標である同レースに向け、仕上げも万全で臨んでくることだろう。今週末の競馬開催でどんな結末が用意されているのか、是非心待ちにしていて欲しい。