2018年4月1日、阪神競馬場で大阪杯(GI/芝2000m)が行われる。サトノダイヤモンド、スワーヴリチャード、シュヴァルグラン、アルアイン、ウインブライトらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
シュヴァルグランは昨年のジャパンカップで、キタサンブラックとレイデオロを撃破してGⅠ初制覇。続く有馬記念でも0.2秒差の3着と好走し、大幅なパワーアップを印象づけた。
長距離での強さは語るまでもないが、2000mでも実力を示すことができるか。“2階級制覇”へのポイントを探っていく。
目次
ポイント① 阪神芝内回り
シュヴァルグランの最大の武器は何と言っても、豊富なスタミナ。追えば追うほど伸びるタイプで、エンジンがかかれば息の長い脚を繰り出す。しかしその半面、トップスピードに乗るまでにはやや時間がかかるタイプだ。
そんな特徴もあり、東京でジャパンC、アルゼンチン共和国杯を勝つなど、良績を残しているのは広くて直線が長いコース。逆に、オープンに昇格してから複勝圏外となったのは3回あり、一昨年の有馬記念(6着)、阪神内回りが舞台の宝塚記念(一昨年9着、昨年8着)と、いずれも器用さが求められる小回りコースだった。
今回と同じ阪神内回りでの成績は【1・2・1・2】。得意としている長距離の阪神大賞典(2016年1着、17年2着)では結果を出しているが、それ以外は未勝利戦や500万下も取りこぼしている。
昨年の有馬記念では3着と、前年よりパフォーマンスのレベルを上げたように、地力強化は明らかで自在性も出てきているが、本質的には広いコースで末脚を爆発させる競馬が最も合っていることは間違いない。得意とは言えないコースで、持ち味をどう生かすか。
ポイント② 久々の2000m
3歳夏以降は2400m以上のレースを中心に使われており、2000mのレースに出走するのは、2015年8月の500万下(札幌)2着以来、約2年7か月ぶりになる。
2200m以下は【1・2・2・4】で、唯一の勝利は未勝利戦(京都芝2000m)。オープンクラスに限れば【0・0・1・4】とほとんど結果が出ておらず、やはり中距離のスピード勝負では分が悪い。
また、休み明けだったとはいえ、道中でペースが緩んで瞬発力勝負となった3走前の京都大賞典で3着と1番人気を裏切ったように、決め手比べになると持ち味を生かすのが難しくなる。持久力を問われる展開になるか、あるいは自らタフな流れに持ち込むことができるか。
ポイント③ ハーツクライ産駒
ハーツクライ産駒はこれまでにJRAのGⅠを6勝しているが、うち5勝を東京でマークしている。残る1勝も、新設GⅠのホープフルSをタイムフライヤーが制したもの。東京のGⅠ成績【5・3・2・32】に対し、他場のGⅠは【1・14・6・74】と、適性の差は明らかだ。
阪神のGⅠも【0・3・2・22】と、もうひと押しが利いていない。シュヴァルグランは、目下の充実ぶりで産駒のジンクスを破ることができるか。
ポイント④ 乗り替わり
ジャパンCの勝利は、ロングスパートを仕掛けて持ち味を最大限に引き出したボウマン騎手の好騎乗によるところも多分にあった。今回は三浦皇成騎手に乗り替わる。折り合いなどに不安があるタイプではないが、テン乗りで割り引きは必要だろう。
三浦騎手はこれまでにJRAのGⅠに71回騎乗して未勝利というのも気がかり。それでも今年のGⅠでは、フェブラリーSは6番人気のインカンテーションで、高松宮記念は10番人気のナックビーナスで、ともに0.1秒差の3着と存在感を見せている。訪れた絶好機に、今度こその思いは強いはずだ。
まとめ
昨年は伏兵としてジャパンCを制したシュヴァルグラン。今度はGⅠ馬として迎え撃つ立場となり、チャンピオンディスタンスでも結果を出したいところだ。キタサンブラックがターフを去ってから初めての古馬中長距離GⅠで、現役最強を証明することができるか。