2018年2月18日、東京競馬場でフェブラリーS(GⅠ/ダート1600m)が行われる。テイエムジンソク、ゴールドドリーム、ノンコノユメ、サンライズノヴァ、ケイティブレイブ、アウォーディー、ベストウォーリアらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
テイエムジンソクは昨年に本格化し、秋のみやこSで重賞初制覇。GI初挑戦となったチャンピオンズカップでは堂々の1番人気に支持され、負けはしたもののクビ差の2着と力を示した。
今年初戦の東海Sでは、単勝1.3倍の圧倒的支持に応えて快勝。着差以上に余裕のある勝ちっぷりで、GI初制覇に弾みをつけた。
今回も当然ながら有力馬の1頭で、連覇を狙うゴールドドリームと人気を二分することが濃厚。しかし、過去の傾向を見ると、死角がほとんど見当たらないゴールドドリームに対して、テイエムジンソクは期待より不安が先行してしまう。データから見えてくる不安材料を挙げていく。
目次
不安① 東京コース未経験
過去10年の優勝馬で、東京ダートが未経験だった馬は1頭もいない。そればかりか、優勝した10頭中8頭には東京ダートで勝利実績があった。
フェブラリーステークスがGIに昇格した1997年まで遡っても、東京ダート未経験で優勝したのは、地方馬でそもそも中央競馬に出走したことがなかったメイセイオペラ(1999年)の1頭のみだ。
テイエムジンソクは今回が東京初出走。実績があれば有利に働くレース傾向で、出走歴すらないのはかなり不利といえる。
また、テイエムジンソクがレースで長距離輸送を経験したのも、2016年7月のKBC杯(小倉)の1回のみ。その時は、1番人気に支持されながら3着に敗れている。
不安② 6歳
ダートは高齢馬が活躍するイメージが強いが、フェブラリーステークスは若い馬の活躍が目立つ。過去10年で6歳以上は【2・5・5・78】と、4、5歳と比べると劣勢だ。
6歳で優勝した2頭はともにGI勝ちの実績があり、フェブラリーステークスに2度目の出走だった。加えて、2008年ヴァーミリアンは当時既にGIを4勝し、2012年テスタマッタは4歳時のフェブラリーステークスで2着に入った実績があった。
遅咲きだったテイエムジンソクはすでに6歳。GI勝ちや当レースでの好走実績がなく、強調材料に欠ける。
不安③ クロフネ産駒
クロフネといえばダートの怪物というイメージを持っている人も多いはずだが、意外にも産駒は芝で活躍している馬が多い。
クロフネ産駒はこれまでにJRAの平地GIを7勝しているが、全て芝のレース。地方の交流GIまで広げても、2013年に新設されたJBCレディスクラシックをホワイトフーガが勝っているのみだ。
中央のダートGIは出走自体が少なく、【0・1・0・5】。テイエムジンソクのチャンピオンズカップ2着で、初めて馬券圏内に入った。今度こそ、父のジンクスを覆すことができるだろうか。
不安④ 古川騎手の東京ダート成績
コンビを組む古川吉洋騎手は、1996年のデビュー以来、東京ダートで未勝利。しかも、通算成績【0・1・0・51】と、騎乗回数自体が少なく、馬券圏内に入ったことすら1回しかない。
テイエムジンソクとは7戦5勝2着2回の名コンビだが、鞍上のコース実績不足がどう影響するか。
不安⑤ 芦毛
フェブラリーステークスがGIに昇格した1997年から21年の歴史の中で、芦毛馬は【0・1・0・12】。あくまでもオカルト的なデータだが、1998年にエムアイブランが3番人気で6着、1999年にワシントンカラーが1番人気で6着、2013年にイジゲンが2番人気で12着と、上位人気で敗れた例もある。
まとめ
惜敗だったチャンピオンズカップの雪辱を期し、GI初制覇を狙うテイエムジンソク。1年足らずで条件馬からGIの最有力候補までのし上がった馬と、1997年の阪神3歳牝馬Sとなる21年ぶりとなるGI制覇を狙う騎手との地味な名コンビは、全てのマイナスデータを蹴散らして栄冠を掴むことができるだろうか。