2017年12月17日、阪神競馬場で朝日杯フューチュリティステークス(GI/芝外回り1600m)が行われる。
上位人気は確実で、注目される1頭が、タワーオブロンドンだ。
ここまでの4戦中3戦で単勝1倍台の1番人気に推され、3勝2着1回の戦績。重賞初挑戦となった前走の京王杯2歳Sは単勝1.8倍で快勝した。期待の高さと、それに応えるだけの能力を証明している。
連勝の勢いに乗ってGI制覇を決めることができるだろうか。勝つためのポイントを挙げる。
目次
ポイント① 距離延長
過去の4戦は全て芝1500m以下のレースに出走。陣営のコメントや、大型で脚が短い体形から判断しても、スプリント指向が強い。初めてとなるマイルの距離をこなせるかがカギになる。
ここまでは陣営が距離延長を見据えてしっかりと差す競馬を覚えさせてきた。関東馬ながら阪神コースを経験しているのは強みで、絶対能力と完成度の高さで克服することができるだろうか。
ポイント② ローテーション
過去10年を見ると、京王杯2歳S組で優勝したのは2010年グランプリボスのみ。ただし、これは中山芝1600mで開催されていた頃のもの。阪神芝1600mへと舞台が替わり、よりスタミナが問われるようになったのは周知の通りで、阪神開催の過去3年で距離延長組は【0・1・1・18】と劣勢だ。
近年の阪神JFと同様に、デビューから意識的にマイル以上の距離を使われてきた馬が好走しているだけに、ここを勝つための王道路線を歩んできたとは言えない。
ポイント③ 馬主
オーナーのH.H.シェイク・モハメドは、世界有数のオーナーブリーダー。日本でも1996年のジャパンカップをシングスピールで勝っているが、2009年にJRA個人馬主資格を取得してからJRAのGIは未勝利。2012年のオークスでミッドサマーフェアが1番人気に支持されながら13着に敗れたこともあり、日本のGIに限れば信頼度はそう高くない。
ポイント④ レイヴンズパス産駒
父レイヴンズパスは、米国GIブリーダーズカップクラシック、英国GIクイーンエリザベスⅡ世ステークスを制した名馬。2009年より種牡馬として供用され、2012年から欧州を中心に産駒が出走しているが、まだGI馬は出ていない。
疝痛の手術を受けて種付け数に影響したことがあったとはいえ、現役時の実績を考えれば、ここまでの種牡馬成績はやや物足りないと言わざるを得ない。
果たしてタワーオブロンドンは、父に初めてのビッグタイトルを贈ることができるだろうか。
まとめ
スピードとパワーに関しては世代トップレベルであることは疑いようがないが、主戦のルメール騎手をはじめとする陣営もスプリンターとしての資質を高く評価し、短い距離を意識したローテーションが組まれてきた。マイルでも前走のようなパフォーマンスを見せられるかがポイントだ。
JRA馬主としてのH.H.シェイク・モハメドにとっても、父レイヴンズパスにとっても、GI初制覇がかかるだけに、タワーオブロンドンが背負う期待は大きい。