2017年12月3日、中京競馬場でチャンピオンズカップ(GI/ダート1800m)が行われる。
サウンドトゥルー、アウォーディー、ケイティブレイブ、テイエムジンソク、コパノリッキーらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
今回は3歳路線から参戦してくる馬たち、そして4歳馬について考えていこう。実はチャンピオンズカップは3、4歳馬にとって厳しいGIとして知られている。実際はどうなのか? なぜ3、4歳馬たちは苦戦を強いられているのか、考えていくことにしよう。
目次
芳しくない3、4歳馬の成績
まずは過去のレースを見ていこう。
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日付 馬名 着順 人気
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2016.12.4 カフジテイク 4 11
2016.12.4 アポロケンタッキー 5 7
2016.12.4 ノンコノユメ 6 4
2016.12.4 モーニン 7 5
2016.12.4 ラニ 9 8
2016.12.4 ゴールドドリーム 12 2
2015.12.6 ノンコノユメ 2 3
2015.12.6 ロワジャルダン 4 8
2015.12.6 ダノンリバティ 12 9
2015.12.6 コーリンベリー 13 13
2014.12.7 カゼノコ 7 14
2014.12.7 クリノスターオー 8 7
2014.12.7 インカンテーション 10 4
2014.12.7 ベストウォーリア 11 9
2014.12.7 コパノリッキー 12 1
2014.12.7 クリソライト 14 6
2014.12.7 インペラティヴ 15 11
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現在の条件になってから3年のため、まだ出走頭数自体が多くない。もっとも、これだけ出走していて好走したのはわずか1頭のみ。散々な成績だ。
さらに、ジャパンカップダート時代も含めて見ていくことにしよう。
◆3歳馬成績
集計期間:2007.11.24 ~ 2016.12. 4
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馬齢 勝率 複勝率 単回値 複回値 着別度数
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3歳 0.0% 16.7% 0 95 0- 2- 2- 20/ 24
4歳 6.7% 13.3% 22 36 2- 1- 1- 26/ 30
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ご覧の通り、10年で3歳の勝ち馬はゼロ。昨年も2番人気に推されたゴールドドリームが下位に沈んでしまった。4歳にしても、好走率はわずか13%。これは、5、6歳馬の約半分の数値だ。
では、なぜ3、4歳馬はこんなにも苦戦を強いられているのだろうか?
ダート界の特殊さ
まず、ダートは芝に比べて高齢馬が衰えづらく、強い馬がGI戦線に残り続ける点が挙げられる。
ダートは芝に比べて脚にかかる負担が少ない。芝に比べると消耗度合いではかなりの差があるのだ。芝の有力馬たちが休み休み使われ、早々に引退する一方、ダート界の中心にいるのは6、7歳馬、ということも珍しくない。
実際、JBCクラシックを制したサウンドトゥルーは7歳馬。人気が予想されるアウォーディー、コパノリッキーにしても7歳馬という状況だ。
強い馬がいつまでもトップに君臨し続けるため、なかなか3、4歳馬たちに出番が来ないのである。
また、ダートではパワーが求められるため、体の作り、筋肉量の有無が結果に直結してくる傾向にある。3、4歳馬は体ができあがっていないことも多く、筋肉量で劣るため、歴戦の古馬たちに太刀打ちできないというわけだ。
3歳馬にのしかかるさらなる障害
そしてもう一つ挙げなければならないのが、斤量問題だ。
チャンピオンズカップは3歳馬の斤量が56キロに設定されていて、古馬と一キロしか差がない。たかが一キロ、されど一キロ。わずかな差が、ここまで大きな成績の差を生み出しているのだ。
例えばチャンピオンズカップとは反対に、3歳馬の斤量が恵まれる凱旋門賞(3歳牝馬54.4キロ/古馬牡馬59.5キロ)では、3歳牝馬の成績が圧倒的にいい。過去10年の勝ち馬は7頭が3歳馬、うち4頭が3歳牝馬だった。
同じように3歳と古馬の斤量差が一キロしかないマイルチャンピオンシップでは、今年は3歳馬が久々に勝利した。もっとも、過去10年を振り返ると3歳劣勢は明確。ダートの場合はただでさえ3、4歳馬が苦戦しているため、更に厳しい戦いが強いられる可能性が高い。
今年の3、4歳馬たちは……
今年エントリーしている馬は7頭。
グレンツェント 牡 4
ケイティブレイブ 牡 4
ゴールドドリーム 牡 4
サンライズソア 牡 3
サンライズノヴァ 牡 3
ローズプリンスダム 牡 3
ロンドンタウン 牡 4
特にケイティブレイブやロンドンタウンあたりは人気に支持される見込みだけに、彼らがどんなレースを見せるのか、注目される。