4月23日に東京競馬場で行われたフローラステークス(GII/芝2000m)は、12番人気のハービンジャー産駒モズカッチャン(牝3)が粘るヤマカツグレース(牝3)をおさえて重賞初制覇を果たした。
モズカッチャンの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。
目次
プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜
父 | ハービンジャー |
---|---|
母 | サイトディーラー |
母の父 | キングカメハメハ |
母の母 | ベストブート |
性別 | 牝 |
馬齢 | 3 歳 |
生年月日 | 2014年2月27日 |
毛色 | 黒鹿毛 |
馬主 | (株)キャピタル・システム |
調教師 | 鮫島一歩(栗東) |
生産牧場 | 目黒牧場 |
産地 | 日高町 |
馬名意味 | 冠名+人名愛称 |
血統評価は?
モズカッチャンは快挙を成し遂げた。
基本的にハービンジャー産駒というのは重賞で期待値が高くない。ディープインパクトやキングカメハメハ産駒に比べると、能力に加えて一瞬の切れ味が足りないため、どうしても決め手不足で負けてしまうのだ。
事実、今までハービンジャー産駒の牝馬が重賞を勝ったことは一度もなかった。
レース名 | 馬名 | 人気 | 着順 |
---|---|---|---|
桜花賞G1 | ディアドラ | 14 | 6 |
フラワーG3 | エバープリンセス | 12 | 4 |
フラワーG3 | サンティール | 5 | 7 |
フィリーG2 | ヤマカツグレース | 11 | 5 |
京成杯G3 | サンティール | 12 | 7 |
愛知杯HG3 | カゼルタ | 12 | 8 |
フェアリG3 | キュイキュイ | 6 | 13 |
阪神ジュG1 | サトノアリシア | 7 | 7 |
ファンタG3 | ディアドラ | 3 | 3 |
ファンタG3 | ヤマカツグレース | 2 | 9 |
アルテミG3 | サトノアリシア | 4 | 5 |
紫苑SG3 | ギモーヴ | 8 | 13 |
新潟2歳G3 | モーヴサファイア | 1 | 8 |
クイーンG3 | テルメディカラカラ | 5 | 5 |
優駿牝馬G1 | ジェラシー | 10 | 4 |
フラワーG3 | ウインクルサルーテ | 14 | 3 |
フラワーG3 | ギモーヴ | 4 | 4 |
京都2歳G3 | ウインクルサルーテ | 10 | 7 |
アルテミG3 | ウインクルサルーテ | 11 | 8 |
ローズSG2 | サンクボヌール | 9 | 8 |
ローズSG2 | テルメディカラカラ | 13 | 10 |
フローラG2 | サダムブルーハワイ | 14 | 12 |
フラワーG3 | カゼルタ | 8 | 10 |
チューリG3 | ロカ | 3 | 4 |
クイーンG3 | ロカ | 1 | 3 |
クイーンG3 | カービングパス | 7 | 10 |
フェアリG3 | カービングパス | 1 | 8 |
阪神ジュG1 | ロカ | 1 | 8 |
京都2歳G3 | フローレスダンサー | 4 | 4 |
アルテミG3 | フローレスダンサー | 5 | 4 |
集計期間:2014.11. 1 ~ 2017. 4. 9
しかし、この負の連鎖がようやく終わった。
ただし、今回の場合は血統云々よりも位置取りの関係が大きかった。
●フローラS2017結果・動画│モズカッチャンの勝因、ホウオウパフュームの敗因は?
上記に詳細が記されているが、かなりのスローペースだったため、枠順や位置取りの要素が大きかったのだ。
血統的には近親にステファノスやゴールドティアラ、ゴールデンハインドなどがいて、スケール的に全く劣るわけではないが、この重賞制覇はある意味で足かせになるかもしれない。
試金石は次やその次のレースになるだろう。
次走は?
オークスへの優先出走権を獲得したため、今後は当然ながらオークスへ進むことになるはずだ。
ただし、前述の通り、ハービンジャー産駒、特に牝馬は重賞における実績がほとんどない。しかも今回はかなり恵まれた上での勝利だったわけで、オークスで厳しい戦いを強いられることは間違いないだろう。
なお、ハービンジャー牝馬の重賞成績は……
種牡馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
ハービンジャー | 0.0% | 10.0% | 0 | 51 |
集計期間:2014. 9. 6 ~ 2017. 4.16
ご覧の通り。馬券的な期待値も、決して高いわけだ。