またも偉大な母が重賞ウィナーを産んだ。
5月2日に行われた日本ダービートライアルの青葉賞(GII/芝2400m)でレーヴミストラル(牡3)が勝利し、重賞初制覇を達成したのだ。
レーヴミストラルの強さについては別の機会で触れるとして、今回は“偉大な母”レーヴドスカーにスポットライトを当ててみよう。
目次
3頭が重賞ウィナー
レーヴドスカーは現役時代、フランスのGIサンタラリ賞(芝2000m)を勝ち、GIで3度の2着という実績を残した。繁殖牝馬として日本に輸入されると、産駒が大活躍。
アプレザンレーヴが青葉賞を勝つと、レーヴディソールが阪神ジュベナイルフィリーズを制覇。重賞ウィナー以外にもレーヴダムールやレーヴドリアンといった重賞戦線で活躍する馬を多数送り出している。
ナイアガラ
すみれステークス1着
レーヴダムール
阪神JF3着
アプレザンレーヴ
日本ダービー5着
青葉賞1着
レーヴドリアン
菊花賞4着
きさらぎ賞2着
京都新聞杯3着
レーヴディソール
阪神JF、チューリップ賞、デイリー杯2歳ステークス1着
レーヴデトワール
桜花賞5着
紫苑ステークス1着
レーヴミストラル
青葉賞1着
重賞ウィナー3頭にGI好走馬、OP馬と、とにかくハズレがない。産んだ8頭中、JRAに登録した7頭全頭が勝ち上がり、オープン以上のレースで馬券に絡んでいるのだから驚きだ。
レーヴドスカーは日本で主流となっているサンデーサイレンスやキングマンボの血を引いていない。だからサンデー系のクラシックホースやキングカメハメハとつけられるアドバンテージがある。
それにしてもここまで安定して重賞級の力を持つ仔を産むとは……本当に恐れ入る。
“呪い”の域?相次ぐ故障と事故
ただし、レーヴ一族には“危うさ”も垣間見える。
というのも、ほとんどの馬が故障や事故によって早々に引退を余儀なくされているのだ。
Regal Silk
未出走。2歳時に死亡。
レーヴダムール
3歳秋、調教中の故障が原因で死亡。キャリア2戦
アプレザンレーヴ
3歳秋、左前浅屈腱炎で引退。キャリア7戦
レーヴドリアン
3歳秋、腸捻転を悪化させ、盲腸破裂で死亡。キャリア9戦
レーヴディソール
4歳1月、右前脚のトウ骨遠位端部分の骨折で桜花賞を回避。右前脚のヒザ部分の剥離骨折により引退。キャリア6戦
ご覧のとおり、ほとんどの馬が競走馬として油が乗り切る前にターフを去っている。
いつしか“呪い”と呼ばれるほど、何らかのアクシデントに見舞われているわけだ。
またレーヴデトワールはかろうじて現役を続けているものの、3歳の秋以降13、13、16、16着と大敗が続いている。言い換えると、明らかに枯れてしまっている。体質や精神面の弱さなど、様々な意味で“危うさ”を持った一族といえるのだ。
平穏なキャリアを
レーヴ一族は超優秀な一方、“危うさ”も持ち合わせている。もしかしたら、それが魅了の一つになっているのかもしれない。
ただ、競馬ファンとしては故障や死亡のニュースは可能な限り聞きたくないというのが心情だろう。GI級の馬、血統が良い馬、ファンが多くいる馬ならなおさら。
レーヴミストラルやレーヴデトワール、そして今後生まれてくるであろう新たな命たちも含め、無事に競走馬としてのキャリアを送ってほしいと切に願う。
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